今回は2025年5月に発売されたSkyRC MC5000に関する情報を紹介してきます。
製品の機能・仕様から 同系統充電器との比較などをおこない、本製品が買いなのかどうかを分析していきます。

SkyRC MC5000 製品情報

ここではSkyRC MC5000の各種製品情報を紹介していきます。
製品仕様
SkyRC MC5000の製品仕様は以下となります。
対応バッテリー | Li-ion, Li-ion HV, LiFe, NiMH, NiCd eneloop, NiZn, RAM, LTO, Na-ion |
本体給電方法 | AC電源コード |
対応言語 | 日本語・英語・ドイツ語・中国語・フランス語・スペイン語 |
充電電流 | 0.05~5.0A(0.5A単位) |
放電電流 | 0.05~2.0A(0.5A単位) |
電池容量範囲 | 100~10000mAh |
Δ(デルタ)ピーク感度 | 3~12mV |
トリクル充電電流 | 50~300mA |
充電カット電圧※ | 1.47~1.80V |
放電カット電圧※ | 0.60~1.00V |
動作モード | Charge・Discarge・Storage Break in・Refresh・Cycle |
本体寸法 | 188 x 122 x 65mm |
本体重量 | 665g |
※ 充電カット電圧・放電カット電圧はバッテリーの種類によって異なり、上記の表では「Ni-MH/Ni-Cd」をセットした場合の数値となります。
全体的な性能・仕様は現在販売されている単3電池・単4電池用充電器の中でも高水準なハイエンドクラスとなっています。
上記仕様を含めた本製品に関する特徴は、次の『注目ポイント』にて取り上げていきます。
尚、MC5000に関する製品情報は以下のSkyRC公式サイトにて紹介されているので、気になる方はこちらもご参照ください。
注目ポイント
個人的に思うSkyRC MC5000の注目ポイントは以下となります。
次から上記の注目ポイントを個別で説明していきます。
豊富な対応バッテリー
MC5000の対応バッテリーは「Li-ion, Li-ion HV, LiFe, NiMH, NiCd, eneloop, NiZn, RAM, LTO, Na-ion」と豊富であり、電池設置は金具を引くタイプであることから 様々な形状のバッテリーに対応しています。

基本的に上画像のように本体に設置できるバッテリー形状であれば本機で充放電可能であり、一般的に個人が使用する大半のバッテリーに対応しているのではないでしょうか。
ミニ四駆・ミニッツで使用するのであれば単3・単4電池のみで十分なわけですが、それ以外にも充放電したいバッテリーがあるという場合は便利な仕様と言えるでしょう。
カラー液晶・スクロールホイール搭載
SkyRC社製品の最近のトレンド?とも言えるカラー液晶及びスクロールホイールが本機でも搭載されています。

昨今では特別目新しさがあるわけではありませんが、昔の充電器を使っていた人からすれば 見やすさ使いやすさが格段に向上していると感じることでしょう。
AC入力電源
MC5000の起動は本製品に付属しているAC電源コードを使用します。

ここ最近の充電器の入力電源はUSB Type-Cが主流となっていた中で、再び電源コードを使用するというのは逆に新鮮に思えてきます。
最近の充電器は求められる電力容量が大きい上に 別途USBアダプタ・USBケーブルを用意する必要があり、出費がかさむことを考えると、本機は良心的な仕様とも言えます。
Bluetooth接続
こちらも最近のSkyRC製品ではお馴染みとなっていますが、MC5000は Bluetooth接続にてアプリ側(スマホ・タブレット)で操作することができます。

アプリ側(スマホ・タブレット)にて各種動作の設定・動作指示や動作中のステータス確認が可能で、本体側で出来ることは ほぼ全てアプリ側でも出来ると言って過言ではありません。
このアプリ操作に慣れてしまうと本体側でちまちま弄るのが馬鹿らしく思えるぐらい 重宝する機能と言えます。
PD3.0出力ポート搭載
MC5000本体の側面にはPD3.0対応のType-C出力ポートが搭載されています。

最大出力が65Wとなっており、本機からスマホやノートパソコンなどを充電することができ、USBアダプタ代わりとして使用することが可能です。

Type-CのUSBケーブルは別途購入する必要はありますが、PD3.0に対応した出力ポートを持つ充電器はなかなか斬新かと。
類似充電器との比較
ここではMC5000と同じメーカー(SkyRC製)且つ 類似したスペックの2製品「X4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)」「MC3000」と比較して、MC5000の機能・仕様を深堀りしていきます。
※X4 Advanced EX Proに関してはHitec製品となりますが、NC3000 ProのOEM品という位置づけで同等品でもあるため比較対象として取り上げました。
尚、「X4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)」「MC3000」については以下の記事にて解説しているので、より詳細情報が知りたい方は以下の記事をご参照ください。
充電器 仕様 比較表
「MC5000」「X4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)」「MC3000」の3製品の仕様一覧表は以下となります。
※1…MC5000の「絞り放電」に関しては実装されているか分からないため不明という記載にしました。
おそらくですが、X4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)と同様にMC5000も放電モードでは絞り放電設定が可能で、サイクルモードでは絞り放電設定ができない仕様ではないかと思っています。
※2…本体価格は2025年6月現在のものとなり、MC5000はAliExpressでの販売価格を参照しています。
尚、上記表のMC5000の「充電カット電圧」「放電カット電圧値」については 「NiMH, NiCd バッテリー」をセットした場合の値となり、他のバッテリーをセットした場合は数値が異なります。
他製品と比較して良い点
前述した比較表の内容を踏まえて、比較した充電器と比べてMC5000の良い点を紹介していくわけですが、比較した2機種と比べて良い点は「特にない」というのが結論です…
決して優れている部分がないというわけではないんですが、2機種よりも飛びぬけている優れている「充電電流(最大5.0A)」は単3電池(ミニ四駆)を想定した場合にはオーバースペックとも言えます。
より大容量のバッテリーで使う分には適した充電電流かもしれませんが、本サイト自体 ミニ四駆をメインとした記事内容となっているため単3・単4電池以外でのメリットは除外させてもらっています。
ただ、誤解して欲しくないのは、良い点が特にないというのは あくまで2機種両方の優れた部分と比較した場合の話であって、1機種ずつ比較すれば良い点は多々あることをお忘れなく。
他製品と比較して悪い点
前述した比較表の内容を踏まえて、比較した充電器と比べてMC5000の悪い点は以下となります。
次から上記の悪い点を個別で説明していきます。
機能が中途半端
全体的に高いスペックを誇るわけですが、ミニ四駆ユーザーが求める充電器としての肝心な部分が足りてないと感じました。
個人的に中途半端だと思ったのが「最大放電電流値」「サイクルモードの回数」です。
「最大放電電流値」に関しては、MC5000よりも少し前に発売されたX4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)では2.5Aだったのに、MC5000では 昔の仕様とも言える2.0Aに逆戻りしてしまいました。
また、「サイクルモードの回数」に関してはX4 Advanced EX Pro(NC3000 Pro)と同様の1~3回と、MC3000で非常の重宝するとも言える1~99回の設定は引き継がれませんでした…
一見するとMC3000とNC3000 Proの良いとこどりの機種と思われるんですが、実際のところは器用貧乏な機種になっているとも言えます。
スマホアプリがやや残念
MC5000はNC3000 Pro(X4 Advanced EX Pro)と同様のSkyChagerアプリを使用するのですが、このアプリの機能がやや残念な仕様となっています。
SkyChagerアプリが残念だと思うのが 動作プログラムを保存できないことです。
動作プログラムとは、どのモードで各項目(充電電流など)をどの値で動作させるかという設定のことで、これが保存できれば 即座に設定を呼び出して動作させることが可能となります。
MC5000の少し前に発売されたNC3000 Pro(X4 Advanced EX Pro)も同様のアプリ仕様なので、仕方ないと言えばそれまでです。
しかし、だいぶ昔に発売されたMC3000はMC3000専用の操作アプリが用意されており、動作プログラムを保存することができることを考えると 物足りなさを感じざるを得ません。
本格的に充電器を使えば使う程 動作プログラム保存は重宝してくる機能なだけに、ハイエンドクラス充電器としては勿体ない部分と言えます。
価格が高め
MC5000は現状、今回比較した2製品に比べて最も高い価格帯となっています。
機能が 比較した2製品と比べて全てにおいて優れているならまだしも、中途半端な仕様で この価格は少々高いのかと…
ただ、高価格なのにも理由があって、MC5000は65W出力ができるUSBアダプタとしても使用できるという唯一無二の機能があります。
高出力USBアダプタ機能もフル活用するということであれば、妥当な価格と言えるかもしれません。
MC5000の評価
これまでの内容を総括すると、結論としてMC5000は買いではなく、USBアダプタとして機能が必要と思う人以外は 購入する必要がないかと。
厳しめの意見とはなりますが、MC5000を購入するのであれば「NC3000 Pro(X4 Advanced EX Pro)」か「MC3000」を購入すべきと言えます。
「NC3000 Pro(X4 Advanced EX Pro)」か「MC3000」のどちらを買うべきかは それぞれ長所・短所があるので、それらを考慮して自分に適した方を選択して頂ければと思います。
尚「NC3000 Pro(X4 Advanced EX Pro)」「MC3000」の2製品に関しては以下の記事にて各製品情報の紹介、製品評価、ランキングを紹介しているので、詳しく知りたい方は こちらをご参照ください。
Hitecで販売される?
少し前に発売されたNC3000 ProはHitec(ハイテック)にてX4 Advanced EX Proとして販売されましたが、今回のMC5000のOEM品もHitecにて販売されるのでしょうか?
個人的な見解としては、HitecからはMC5000のOEM品は発売されないと思っています。
発売されないと思う理由は「これといったセールスポイントがない」からです。
製品単体で見ればハイエンドクラスの優れた充電器ではあるんですが、Hitecから少し前に発売されたX4 Advanced EX Proと比べてしまうと 魅力が少ないと感じます。
X4 Advanced EX Proも優れた点と言えば「豊富な対応バッテリー」「PD3.0対応のUSBアダプタ機能」ぐらいなもので 強調するポイントが弱いと言えます。
「豊富な対応バッテリー」と言っても、Hitecから発売される場合は単3・単4電池ユーザー向けに販売するはずなので、この長所は ほぼ無いに等しくなります。
また「PD3.0対応のUSBアダプタ機能」は非常に魅力的なんですが、充電器使用中に高出力USBアダプタが必須というシーンは考えにくく、この長所自体がミスマッチな気もします。
こうした理由からMC5000のOEM品がHitecで販売される可能性は非常に低いと言えます。
仮に販売された場合、個人的に気になるのは製品名であり、X4 Advanced EX Pro2 もしくは X4 Advanced EX Neo あたりに落ち着くのでしょうか。
最後に
今回は2025年5月に発売されたSkyRC MC5000に関する情報を紹介してきました。
SkyRCの新製品でありMC3000の後継機とも言える機器なだけに期待していたんですが、蓋を開けてみれば微妙な性能で個人的には残念な結果となってしまいました。
ここ最近発売される充電器は安全面重視の傾向があるのか、昔の機器ほど尖った仕様はなくなり 無難な作りとなっている気もします。
ここいらで昔の優れた充電器を 本当の意味で過去のものへと してしまうぐらいインパクトが強い充電器が出てほしいものです。

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