改造

ペラタイヤ作り方紹介 -加工編-

今回は特殊な治具(じぐ)等は使用せずに普段使用している工具・パーツ類で各タイヤの厚さを揃えてペラタイヤを作成する方法を紹介していきます。

加工編ではペラタイヤの具体的な加工方法を紹介していきます。

ペラタイヤ加工方法

ヤスリを使用した加工

まずはペラタイヤ作り方紹介 -準備編-で紹介した、ワークマシンのリヤとサイドにプレートをとりつけます。

リヤは基本的にどの穴を使用してもいいんですが大径タイヤ加工でデザインナイフを使用する場合は両端の穴だと一部不都合が生じるためその場合は中央寄りのどちらかの穴を使用します。
サイドに関してはフロント寄りの穴を使用してしまうと小径タイヤ加工の際にプレート中央部全体が干渉してしまうのでリヤ寄りの穴を使用します。


この2枚のプレートを土台として作業をしていくのですがMAシャーシのリヤとサイドの穴の高さが異なります。


プレートを取り付けた際のリヤとサイドの高さはできるだけ平行にしたくMAシャーシのリヤとサイドの穴の位置の高さはリヤ側が約6.7mm高くなっています。


このことからサイド側に6.7mmスペーサーを追加することでプレートを取り付けた際の双方の高さがほぼ同じになります。

あとは削りたいタイヤ径に合わせて双方に同じスペーサー・ワッシャーなどを追加して高さを合わせていきます。

またサイドに設置するプレートについて小径タイヤを加工する場合はプレートの設置高さが低くなる関係でプレートがモーターカバー・モーター固定パーツと干渉してしまうので、プレートとモーターカバーに以下の加工が必要になります。
※大径タイヤを加工する場合はモーターカバーのみでOKです。

プレートは真ん中の部分を削り

モーターカバーはタミヤのロゴが入っている箇所を削ります。

これでプレートとモーターカバーの干渉を防げます。


高さの調整と各パーツの加工が終わったら後輪の片側にタイヤをセットします。


※取り付ける位置は左右どちらでも良いです。

あとはリヤとサイドのプレートを土台にしてマシンの電源を入れヤスリをプレートに置きタイヤを削っていきます。


※ヤスリの幅が狭い場合は部分的に削っていけば最終的には全面同じ厚さになるので削る範囲を分けて数回に渡って削っていきます。

最初はどちらか片方のプレートにしかヤスリを置けませんので、どちらかのプレートの上にヤスリを乗せ、軽くヤスリをタイヤに押し当てる感じで削り最終的にヤスリが両方のプレートに乗っかるところまで削っていきます。


このあとは個人の好みになるかと思われますが私の場合はヤスリが両プレートに乗ったところで終わりではなくここからヤスリを押し込み更に削っていきます。

削り終了のタイミングとして私の場合はヤスリを押し込ん時に最初は抵抗がありタイヤ回転も落ちるのですが、この抵抗がなくなりタイヤ回転が正常に戻りヤスリでタイヤの摩擦音が静かになってきたタイミングで終了しています。
ヤスリとタイヤの摩擦音の変化は結構分かりやすかったりするので音で判断するのもありかと思われます。

1個終わったら残り3個も同じように加工して同じタイヤ径のペラタイヤが1台分完成です。



ノギスがある方はそれぞれのタイヤの厚さを確認してできる限りタイヤ径が同じになるようにしていきましょう。

ちなみ今回私が加工したタイヤ径は23.88mm~23.93となり誤差が±0.05で平均で約23.90mmほどの結果になりました。


同じタイヤでも計る場所でタイヤ径が微妙に変わってくるのでもうちょっと全体の誤差はあるかもしれませんが0.01単位で厳密に結果を求めるとキリがないと思うのでこれで良しという事にします(笑)
(プレートの高さ設定の詳細については後述しています)

そしてこの削る作業ですがとにかく時間がかかります…

こればかりは諦めず根気よくやるしかないと精神論的なアドバイスしかできないのですが0.1mm削るだけでもそこそこ時間がかかるのにこれを数ミリ削ろうものなら膨大な時間がかかってしまいます。
そこである程度の厚さを削る場合にはヤスリがけの前にデザインナイフを使用すると作業時間が短縮できるので次にデザインナイフを使用する方法を説明します。

デザインナイフを使用した加工

デザインナイフを使用する場合は駆動中のワークマシンのタイヤ側面に刃を入れてざっくりカットするわけですが、何もガイドなしでやると常に同じところをカットするのが難しくタイヤごとにバラバラの出来になってしまうことが多々あります。

そこでデザインナイフでのカット精度を上げるためにヤスリと同様にデザインナイフ用の土台を作ります。

デザインナイフ用の土台はヤスリ用土台プレートにさらに一枚プレートを追加します。


※デザインナイフ使用時の土台プレートの高さについてはヤスリで削る時よりも土台プレート1枚分高さが増えるのでヤスリがけの時に比べてプレートに追加するスペーサー等の高さを減らす必要があります。
(プレートの高さ設定の詳細については後述しています)

追加プレートはリヤでもサイドでも構いませんがプレートの穴の位置の関係で追加プレートをビスで固定できるのはリヤかサイドのどちらかになります。

あとはマシンの電源を入れ追加プレートを土台にして回転しているタイヤにデザインナイフの刃を入れていきます。


※ガイドがあるとは言え、刃の上下の高さもブレやすいので常に一定の角度で刃が入るように慎重にやりましょう。

そして徐々に刃を奥に入れ、奥まで刃を通しますが一度に最後まで刃を通すのが難しいようであれば刃が通せるところまで一旦通して、今後は刃を縦にあてハーフカットしてきます。


そしてまた続きの所から刃を入れてこれを2、3回に分けてタイヤをカットしていきます。


ナイフを使っての作業は非常に危険ですので作業前に下記の「作業時の注意事項」をご一読のほどお願い致します。

ちなみに私は右利きで車体の右側にタイヤとプレートをセットした方がやりやすいのですが左効きの方は左側にタイヤとプレートをセットするとやりやすいかもしれません。

また大径タイヤの場合は直径が大きくなる関係でリヤ側のプレートを固定するビスを両端にしてしまうと追加プレートと干渉するのでビスの位置には注意しましょう。

それとタイヤ幅が大きいものを加工する場合は上記の配置では追加プレートが干渉してしまうので追加プレートを幅が広いプレートに変更するか


内側にプレートをセットするかで削り方を変えていきます。


ただ内側にセットした場合にデザインナイフをあてる時に加工しない側のホイールがデザインナイフと干渉することがあります。
その場合はアルミシャフトストッパーを使うか、それがなければゴムパイプローラー用スペーサーを使って固定してもシャフトがスムーズに回転してすっぽ抜けることもないのでお勧めです。

尚、ゴムパイプはカーボンプレートセットに付属していることが多く、ローラー用スペーサーはローラーセットに付属しているので、わざわざ単品で買わなくても入手可能です。

加工サイズについて

いざ加工しようと思ったもののプレートの高さをどのくらいにしてよいかわからないという方は私が実際に加工した結果を参照してもらえれば思います。
ただプレートの厚さもプレートごとに微妙に厚さが異なるので誤差はでるかと思いますので大体の目安にして頂けばと思います。

今回画像を掲載している加工後のタイヤ径は23.88mm~23.93mmで誤差が±0.05の平均で約23.90mmとなっております。
この約23.90mmタイヤを作る場合はリヤ側に「3mm+1.5mmスペーサー」+「小ワッシャー」、サイド側に「6.7mm+3mm+1.5mmスペーサー」+「小ワッシャー」でヤスリがけをおこなうと23.90mmに限りなく近い結果になると思われます。

もう少しだけタイヤ径を厚くしたいという事であれば小ワッシャー(厚さ0.3mm)を大ワッシャー(厚さ0.4mm)に変えればプレートの高さが0.1mm上がり半径0.1mm分の厚さが増し結果的にタイヤ径24.10mmのものが完成すると思われます。

またデザインナイフを使用する場合についてはヤスリがけの時よりも追加プレート1枚分の高さ(1.5mm)が増えるのでヤスリがけの高さから1.5mm低くする必要があります。
ヤスリがけで1.5mmスペーサーを使用しているようでればその1.5mmスペーサーを取り外せば簡単に高さ調整が可能になります。

作業時の注意事項

続いてはペラタイヤ加工作業において発生しうる注意点を上げていきますので作業前に一読して頂くようお願いします。

作業中の怪我の危険性について

ここは非常に大事なところなので必ず一読お願いしたいのですがペラタイヤ作成はマシン駆動中の作業となるため他の改造作業に比べ危険になります。
特にデザインナイフを扱う場面では細心の注意を払う必要があり、万が一デザインナイフの刃が飛んでしまった場合を考慮して刃が飛んでしまう可能性がある方向には自分を含めて人がいないようにしましょう。

ただ必ずしもフロント側に飛ぶとは限りませんしナイフの刃以外でもタイヤの消しカスが勢いよく飛ぶことがあります。
準備編で紹介した作業ボックスみたいな周りを囲った環境を用意するとより安全に作業ができますが用意するのが難しければ不測の事態に備えて保護メガネやマスクをしての作業をお勧めします。

モーター熱について

長時間作業をしているとモーターが熱を持ちますがペラタイヤ加工時はタイヤ及びモーターの負担が大きくなりかなりの高熱になることがあります。
上記のワークマシン構成であればモーターに直接触れることありませんがそれでもモーターに近い部分はかなりの熱を持つのでワークマシンを持つときはできるだけモーターに近い所には触れないようにしましょう。

タイヤが溶ける現象

ヤスリでタイヤを削る際にノーマルタイヤやソフトタイヤなどの比較的やわらかい形状の場合、長時間ヤスリを当てるとヤスリとタイヤが熱を持ちタイヤが溶けてしまいベトベトになることがあります。

ハード以上の固さのタイヤは長時間ヤスリをあててもタイヤが溶ける事はなかったのですが、ノーマルタイプだと短時間でも溶ける現象が確認されました。

そこでタイヤを溶かさないためにヤスリかけの目安時間としては私が試した限りでは1分前後ぐらいが一回の作業の限界時間という結論になりました。

1分前後作業したら一旦、タイヤが冷却するのを待ち少ししたら作業を再開し、ある程度作業を繰り返したら別のタイヤをホイールにセットして作業を続けると良いかもしれません。
ただしヤスリも熱を持ちますのでそこも注意して作業しましょう。

それでも万が一タイヤが溶けベトベトしてしまったら駄目かと言うとそうでもなく回復させられる可能性はあります。

タイヤがベトベトになる理由は2つあり一つはタイヤ自体が溶けてしまうパターン、もう一つはヤスリについた消しカスが溶けてその溶けた消しカスがタイヤにつくパターンです。
前者のようにタイヤ自体が溶けてしまうと修復不能ですが後者のように消しカスが付着してベトベトするのは修復可能でパーツクリーナーを布等につけタイヤを拭きベトベトが消えたなら修復完了です。

この際にタイヤを拭くのもキムワイプなどのより適した製品がいいのですが
キッチンペーパーでも代用可能でベトベト問題は解消できていますので、もしベトベトで困ったら試してみてください。

ペラタイヤ加工のコツについて

作業効率を上げるための加工方法のコツを説明していきます。

駆動の重要性

準備編冒頭の必要パーツのところでも話しましたが、それなりにタイヤの回転数がないと削る効率も悪くなってしまうのでモーター・ギアはもとより、電池も極力電圧が高いもの使用し充電池を使用する場合は電池が少し減ってきたら充電し常に電圧が高い状態での作業をお勧めします。
私の場合はなるべく多くの充電池を用意して少し使ったら別の電池に交換してを繰り返して作業しています。

ヤスリのかけ方

ヤスリ掛けをさらに早くする方法としてヤスリの板の側面部分をタイヤにあてると幾分か早く削れます。


ただこの方法だとプレートのガイドが使用できず他のタイヤと厚さを同じにすることは難しくなるので、デザインナイフを使うほど削る必要はないけどそれなりに削りたい時に使用すると良いと思います。

ちなみにヤスリの側面でタイヤを削る場合はツボサン ブライト900よりもタミヤ クラフトヤスリPROの方が削りやすい印象でした。

デザインナイフの切れ味をあげる

デザインナイフ使用時に刃に水をつけると切れ味が良くなります。

事前にコップ等に水を入れ、デザインナイフの刃に水をつけてタイヤに刃をあてるとスムーズに刃が入るようになります。

更にスポイトがあれば刃に水を常時つけながら作業ができるのでスポイトを使うのがお勧めなんですが作業時は片手にワークマシン、もう片手にナイフと両手が塞がっているためスポイトを使う事ができません…

そこで両手が塞がった状態でスポイト使用時と同じように水を付ける方法として土台となるプレートにあらかじめスポイト等で水たまりを作ります。


この状態でワークマシンを動かすと水が垂れてしまうので一度電源を入れてからプレートに水を付けるのが良いと思います。
またこの水を刃にうまく乗せるのもコツが必要になるので回数をこなして慣れていきましょう。

そして更にワンランク上の切れ味を求めるのなら水の代わりにパーツクリーナーを使うのをお勧めします。
水と比べて劇的に違う!とまではいきませんが水の時以上に刃がスムーズに入るようになるので持っている方は試してみてください。

最後に

以上がペラタイヤ作成方法の紹介となります。

使う工具にしろワークマシンの構成にしろ探せばもっともっと色んなやり方があると思いますので色々試していただき自分のやり易い且つ早い方法を探して頂ければと思います。
もし今回説明した方法以外でお勧めの工具や削りやすい方法やコツなどがあればコメント頂けると幸いです。

ペラタイヤ作り方紹介 -準備編-今回は特殊な治具(じぐ)等は使用せずに普段使用している工具・パーツ類で各タイヤの厚さを揃えてペラタイヤを作成する方法を紹介していきます。...

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