今回は先日購入したMini Break-In System +Rを用いてターミナル性能の検証をしてきます。
ターミナルについて
まずターミナルについてですがマシンに付属しているターミナルは銅でできており、別売りのゴールドターミナルについては標準のターミナルに金メッキが施されています。
そして銅の方が金メッキよりも電気を通す性能(電気伝導率)が高く、そこだけ考えればターミナルは銅一択となります。
しかし銅は錆びやすいため定期的にメンテナンスが必要で、それを怠ると銅が酸化してしまい電気伝導率が低下するデメリットもあります。
ただ、お互い新品という条件であればゴールドターミナルよりもキットに付属している標準の銅ターミナルの方が電気伝導率が高くマシンが早くなるはずですが、実際のところどうなの?という疑問があり、今回の検証を実施することになりました。
ターミナル検証環境
以下の環境でターミナル検証を実施していきます。
検証ターミナル
比較対象となるターミナルについては以下の3種類のものを使用していきます。
標準ターミナル(以下 銅ターミナル)
マシンキットに付属しているものを使用。
できるだけ状態が良いものを使いたかったのでモーター・ギヤなどの袋ごと未開封なものを2個用意し、銅ターミナルAとBで検証します。
ゴールドターミナル(新品)
未開封のMSシャーシ ゴールドターミナルを使用。
ゴールドターミナル(使用済み)
普段から検証用で使用し、開封から1年経った状態のもので、布で付着した汚れ等をふき取った状態で検証。
開封からかなりの年月が経過したせいか電池・モーターとの接触部分の金メッキは剥がれている状態になっています。
検証使用機材
・Mini Break-In System +R
・ミニ四駆スピードチェッカー
検証用マシン構成
シャーシ:MAシャーシ
ギヤ:ハイスピードギヤ(4:1)
モーター:マッハダッシュモーター
タイヤ:大径ローハイトタイヤ
※モーターは以下のモーター慣らしを実施済みのものを使用。
各回約3Vの電圧で正回転10分・逆回転10分の8セットを実施。
検証電圧について
Mini Break-In System +Rの出力電圧を「2.5V」に設定し検証。
尚Mini Break-In System +Rの「2.5V」は実際の3Vより少し高い電圧に相当します。
※電圧の異なる理由についてはG-FORCE Mini Break-In System +R レビュー参照。
計測方法
モーターを少し稼働させた方が速度が速くなるのを確認したため、最初にスピードチェッカーにて慣らし運転を兼ね最高時速を計測。
※最高時速の結果は差がほぼなく参考にならないため結果は省略。
最高時速計測後100mのラップタイムを10回計測し、上位5回のタイムを計測順に記載。
各ターミナルの速度計測は極力平等な条件とするため、モーターの冷却を考慮しターミナル毎に1時間以上時間を空けて実施。
※計測中はマシンを手で押さつけずマシンには一切触れないものとする。
ターミナル 検証結果
各ターミナルの検証結果は以下となります。
ターミナル種類 | 100m走① | 100m走② | 100m走③ | 100m走④ | 100m走⑤ | 100m平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
銅(A) | 8.53秒 | 8.50秒 | 8.46秒 | 8.43秒 | 8.40秒 | 8.46秒 ③ |
銅(B) | 8.65秒 | 8.68秒 | 8.68秒 | 8.62秒 | 8.59秒 | 8.64秒 ④ |
ゴールド(新品) | 8.34秒 | 8.37秒 | 8.31秒 | 8.31秒 | 8.34秒 | 8.33秒 ① |
ゴールド(使用済み) | 8.43秒 | 8.40秒 | 8.40秒 | 8.43秒 | 8.40秒 | 8.41秒 ② |
・100m走平均タイムは小数点以下3桁目を四捨五入してます。
・各ターミナルのトップタイムと平均トップタイムに下線を入れました。
・100m走平均タイムの横の丸をつけた数字は平均タイムの順位です。
検証結果まとめ
検証結果として意外にも新品ゴールドターミナルが最速という結果になりました。
しかも銅ターミナルと使用済みのゴールドターミナルの最高タイムが並び、平均タイムでは使用済みゴールドターミナルが上回る結果に。
その結果に少し納得がいかなかったので、念のため別の新品銅ターミナルを用意して2個目の銅ターミナルとして測定した結果、上の表にもあるように最も悪い結果になってしまいました…
たまたま私が使用している銅ターミナルの状態が悪かったのかもしれませんが、今回選定した銅ターミナルは箱の中に入ってて且つモーター・ギヤなどの袋ごと未開封なものを選んだので状態が悪いとは考えにくいのです。
もしかしたら製造から時間がかなり経過し、箱にしまっていたものの酸化が始まり劣化していたという可能性もありますが、そうなると状態がいい銅ターミナルを使用するためには工場出荷したてのマシンキット付属のものを選ぶか、最初から銅ターミナルもメンテナンスして使用する必要があるということになってしまうのであまり実用的ではありません。
また使用済みのゴールドターミナルについては、モーターの接触部分のメッキが剥がれている状態ではあったんですが、Mini Break-In System +Rのワニ口クリップを接続している部分については普段電池と接触している所とは異なる箇所でこっちのメッキは剥がれていなかったため、電池を使用していればもう少し悪い結果になったかもしれません。
今回の検証結果が本当に正しい計測値であるならばゴールドターミナルを使い続けるのが最強!となるんですが、ゴールドターミナルは長持ちすると言われている反面メッキがとれた時点で銅ターミナル同様錆び、1回使用しただけでもメッキが剥がれる可能性が高く、結局は使い捨てになるとも言われているのでメンテナンス不要とは言い切れないのが実情です。
そうなると常に新品のゴールドターミナルを使用するのがベストですが走行するたびにゴールドターミナルを交換していたら金銭的に厳しくなるので、私個人の結論として基本ゴールドターミナルを使用しある程度使用したら(3カ月ぐらい?)新しいものに交換。
では銅ターミナルは使うことがないのか言うとそうでもなく、速度を落としたい場合にモーターやギヤ交換だとグリスメンテの必要もあり いろいろと面倒くさいのですが、その点ターミナルであれば部品交換だけで済むので、新品1個につき1・2回の使用になりますが銅ターミナルも活用できると思われます。
ただターミナル交換はモーター・ギヤとは違って脂汚れ等に注意する必要があるため、ピンセットが必須になるのでこれはこれで交換に手間がかかるかもしれませんが…(笑)
銅ターミナルも劣化したらどのくらい速度が落ちるかについては、使用済みの銅ターミナルがなく検証できなかったので、機会があれば開封からしばらく放置した使用済みの銅ターミナルも含めて再度検証してみたいと思います。
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