今回はミニ四駆のモーター分解方法を解説していきます。
モーター分解は比較的に手間がかかる作業と思われがちではありますが、本記事では誰でも簡単に分解できる方法を紹介していきます。
普段からモーター分解に苦戦している・モーター分解はやったことはないけどすごく面倒くさいイメージがあるという方には必見の内容となっています。
モーター分解が必要なわけ
モーター分解はモーターを構成する各パーツを抽出するためであり、モーターから抽出できるパーツは駆動周りなどで使用することができます。
各パーツの具体的な使用用途については別の機会で紹介していきますが、このモーター分解からでしか入手できないパーツが多数あります。
モータ分解で得られるパーツははグレードアップパーツとしても販売されているわけではないのでモノによっては非常に希少価値があるとも言えます。
モーター自体は消耗品でもあり、使わなくなったら捨てるのみとなりますが、どうせ捨てるならこれらの役に立つパーツを採取しておいた方が断然お得です。
そうした役に立つパーツをゲットするためにもモーター分解が必要であり、本記事では以下の状態までモーターを分解していく方法を紹介していきます。
尚、一度分解したモーターは中身を弄った弄っていない関係なしに公認競技会レースにおいての使用はレギュレーション違反となるので、間違って使用中のモーターを分解してしまわないよう注意してください。
必要な工具・パーツ
ここではモーター分解をするにあたって必要となる工具・パーツを紹介していきます。
- ラジオペンチ(2本)
- マイナスドライバー
- ハンマー
- タイヤ・ホイール(2個)
- ピニオンプーラー・スペーサー
- ニッパー・ドリル・リューター
ラジオペンチ
今回のモーター分解作業において最も活躍する工具であり、適切な形のラジオペンチを用意できれば作業効率が格段に上昇します。
ラジオペンチについては2本用意するのが理想で、1本のラジオペンチはどんなものでも構いませんが、もう1本のラジオペンチは以下の条件を満たす必要があります。
- 刃の先端にギザギザ(溝がある)
- 先端が細い
- 先端が長すぎない
一番上の条件のギザギザについては真横のラインが入ったものが好ましく、斜めのラインや縦横に張り巡らせた格子状のタイプはおすすめしません。
その他のラジオペンチに必要な条件として「先端が細い」「先端が長すぎない」を満たしたものとなり、具体的にどのタイプがおすすかをわかりやすくするために以下の異なるタイプを並べてみました。
一番左のものが理想的な形状であり、先端にギザギザがあり細く 先端も長すぎず、今回のモーター分解作業においては適切なラジオペンチになります。
それに対して中央のラジオペンチは先端にギザギザはあるものの先端が太く今回の作業には向いていません。
(実のところ このラジオペンチに関してはアンバランスな形状が奇跡的に適しており 理由は後述します)
そして、一番右のラジオペンチは先端にギザギザがあり先端も細く条件を満たしているようにも見えますが、先端が長すぎるがために少々使いづらく おすすめではありません。
先端部分が長いタイプは実際に使用してみないと使い勝手が分からないんですが、ラジオペンチ先端部分に力を伝えるのが難しく今回の作業においては非常にやりづらくなってしまいます。
尚、おすすめの形状として紹介しているの製品名称は「フジ矢 ショートノーズラジオペンチ 先端極細仕様110mm MP9-110」となります。
※見た目がまったく同じ形状で先端ギザ無しのタイプもあるのでご注意ください。
それと、あくまで誤解して欲しくないのは今回の作業において向いているかどうかの話であり、適切でないといった物もラジオペンチとしては十分に利用用途があることをご了承ください。
マイナスドライバー
モーター分解で使用する工具でもっとも有名なものと言えばマイナスドライバーになるわけですが、上記で紹介した適切なラジオペンチさえ用意していればマイナスドライバーを用意する必要がありません。
とりあえず適切なラジオペンチがない時のためにマイナスドライバーも紹介しておきますが、マイナスドライバーを使用する場合はできる限り先端が細く且 強度が高いものが推奨です。
特に新しい物を購入する必要はないので、まずは手持ちの物で試し どうしてもモーター分解できないということでしたら 新しいマイナスドライバーの購入を検討してみるのが良いかと。
ハンマー
お宝ワッシャーを取り外す際に使用します。
一家に一つはあるであろう工具なので、特別新たに購入する必要はなく 手持ちの物で構いません。
ハンマーを使う作業は今回の作業に限らず そこそこ手間がかかり 個人的にはできるだけ使用を避けたい工具でもあり、何とかハンマーを使わずにできる方法も模索したんですが、結局これが必要ということになってしまいました…(笑)
今回の作業ではハンマーは必要になるものの、極力使用頻度を減らすための作業方法を紹介しているので あまりハンマーに使い慣れていない方でも それ程苦戦することはないかと思われます。
タイヤ・ホイール
使用していないて適当なタイヤ・ホイールが2個必要になります。
欲を言うと既存穴を2mmドリル刃で拡張させた物が望ましいです。
わざわざドリル刃で拡張する必要もないんですが、拡張していないと取り外すのが結構大変で、取り外す手間を考えると結果的に2mmに拡張しておいた方が楽ではあります。
穴の拡張させる精度はどうでもいいので、貫通しないようにだけ気を付けて 適当に拡張しておけばOKです。
ピニオンプーラー・スペーサー
お宝ワッシャーを取り外す際に使用します。
一緒にスペーサーを使用し、スペーサーは「12mm」と「6mmか6.7mm」のタイプが必要となります。
ニッパー・ドリル・リューター
これらの工具は基本的に不要で、上記で紹介した工具・パーツでうまく作業ができなった場合の予備として使用します。
ミニ四駆の改造をしている方なら いずれも所持している工具かと思いますので特別新規で購入する必要はないかと思います。
モーターの構造について
あらかじめモーターの構造(中身)を知っておくことで、モーター分解をよりスムーズに進められると思いますので、まずはモーターの構造について簡単に説明していきます。
あれこれ文章で説明するよりは画像で見た方が一目瞭然でもあるので、ミニ四駆のモーターの製造元でもあるマブチモーター公式ページから以下の画像を抜粋させてもらいます。
一部今回分解するモーターとは形状が異なるパーツもありますが、ほぼほぼ同じパーツ構成・形状だと思ってもらって構いません。
尚、各部パーツの具体的な役割等を知りたい方は上記画像の引用元であるマブチモーター公式ページにて詳しく解説されているので気になる方はそちらをご参照ください。
以後この各部名称をベースにモーター分解方法を解説していくので、どの部位か分からないという場合は上の画像をご参照ください。
モーター分解方法
ここではモーターを分解する方法を各部パーツに分けて解説していきます。
基本的には紹介する順番で分解することを推奨しますが、必要でないパーツのために手間をかけるのも時間が勿体ないので、まずは一通り分解手順を見て必要なパーツのところだけの分解作業に絞ってもらっても構いません。
モーターカバーの取り外し
ここではモーター分解において必須となる、モーターカバー(エンドベルキャップ)の取り外し方を紹介していきます。
まずモーターカバーという名称自体は私が勝手につけた名称で、本来はエンドベルキャップという名称になります。
個人的にエンドベルキャップという呼び方だと何のパーツかイメージしにくく、モーターカバーと呼んだ方が直感的に判断しやすそうという理由から 以後「モーターカバー」という名称で話を進めていきます。
さて、このモーターカバーの取り外しはモーター分解の中ではもっとも手間がかかる作業でもあります。
そんなモーターカバーの取り外しをよりスムーズに行うためにも、まずはモーターカバーが固定させている仕組みから解説していきます。
まずモーターカバーはハウジング部分の金属のツメによって固定されています。
以下のモーター画像はモーターカバーを取り外した後のハウジング部分だけ状態となりますが、通常は左側の「ツメが閉じた状態」となっています。
このツメがモーターカバーの溝の部分と結合しており、上の画像の右側のように「ツメが開いた状態」にすることでモーターカバーを取り外せるようになります。
モーターカバーはこのツメだけで固定されているので、ツメを外側に曲げて以下の画像のようにモーターカバーを引っ張れば、簡単にモーターを分解することができます。
そして、モーターカバーを外すためのツメを外側に曲げる方法は大きく分けて以下の3つの手段があります。
マイナスドライバーを使う方法
ツメを外側に曲げるのにもっともオーソドックスな手段となり、モーターを分解する場合 大半の方はマイナスドライバーを使っているかと思われます。
やり方はモーターのツメとモーターカバーの隙間の箇所にマイナスドライバーの先端を入れて、少しずつツメを外側に曲げていく方法です。
ツメとモーターカバーの隙間は非常に狭く、この狭い隙間にドライバーの先端を通す必要があるので、それなりに先端が細いマイナスドライバーが必要となります。
ただ先端が細ければ細いほど良いという話でもなく、以下のマイナスドライバーは100円ショップで購入したものとなりますが ドライバー先端の強度が低いと先端がひん曲がってしまうこともあります。
こうしたことを考慮すると、隙間に通せて且つ それなりに固めの(強度が高い)マイナスドライバーを使う必要があります。
そして、もっとも注意してなくてはいけないのが作業中のドライバーの取り扱いで、力みすぎてしまいドライバーを滑らし手に刺さってケガをしてしまった…なんてこともあり得るので、ドライバーや手のポジションには十分気を付けてください。
こうした手間や危険性を考慮するとマイナスドライバーを使っての作業はあまりおすすめではなく、個人的には次に紹介するラジオペンチを使った方法の方が安全且つ楽にできます。
ラジオペンチを使う方法
個人的に最もおすすめなツメを外側に曲げる方法となります。
やり方は、まずラジオペンチ片側のギザギザをツメにひっかけて、ゆっくりとラジオペンチに力を加えてツメとフタ隙間を徐々に広げていきます。
ここでの作業ポイントはラジオペンチは開いたり閉じたりせず そのままの形を維持して、以下の画像の方向へラジオペンチ本体ごとゆっくりと傾けるようにします。
ラジオペンチのギザギザがツメにしっかりと引っ掛かっていれば、ラジオペンチ本体を傾けることでツメとモーターカバーの隙間が徐々に広がっていきます。
このラジオペンチのギザギザがツメに引っ掛けることが作業のポイントであり、ラジオペンチのギザギザが斜めや格子状のタイプは向かないと言ったのはこの理由のためです。
そして、隙間がある程度広くなったらラジオペンチでツメの箇所を掴んで外側に曲げていきます。
この作業を繰り返しツメ全体を外側に広げ、左右両方のツメがしっかりと外れたのを確認したらモーターカバーを引っ張り 取り外しが完了となります。
ちなみに上記の作業に向いたラジオペンチについては「フジ矢 ショートノーズラジオペンチ 先端極細仕様110mm MP9-110」がおすすめではあるんですがラジオペンチとしての精度が高くモノが良いこともあり そこそこ値段がするのが欠点でもあります。
どうしても工具代を安く済ませたいという方は、以下のような100円ショップで買えるラジオペンチがおすすめです。
このラジオペンチは一見すると先端が太くてツメを曲げる作業には不適合かに見えますが、よーく見ると片側の先端は細い形状になっています。
左右がアンバランスな粗悪品ではありますが モーター分解においては このアンバランスな形状が奇跡的にマッチしており、実はこのラジオペンチが最適解であったりもします。
こうしたいびつな作りのラジオペンチはそうそうあるわけではなく、100円ショップならではの形状とも言えます。
できる限り費用を安く済ませたいという方はお近くの100円ショップで いびつでありながらも先端が細くなっているラジオペンチを探してみてはいかがでしょうか。
ドリル・リューターを使う方法
これはマイナスドライバー及びラジオペンチを使ったもののツメの部分がぐちゃぐちゃになってしまい収拾がつかなくなった場合の最終手段となるので、どうしてもツメが外側に曲げられないという場合のみ実践してください。
やり方は至ってシンプルで、リューターでツメ自体を削り落していきます。
作業手順としてはまずドリル(2mmドリル刃推奨)でモーターカバー(プラスチック部分)の窪んでいる箇所に穴をあけます。
穴をあけたら先端が細めのリュータービットでモーターカバーのプラスチックを削りながらツメの部分を削っていきます。
あとはツメを削りきるまでひたすらリューターを当て続けます。
左右2か所のツメを無くしてモーターカバーを引っ張り 取り外しが完了となります。
この作業においての注意点として、リュータービットで鉄(ツメ部分)を削る必要がありビットの寿命が極端に落ちる可能性があるので、使用するリュータービットは「普段使わない」もしくは「使わなくなったもの」を使用するようにしましょう。
あくまでこれはマイナスドライバー及びラジオペンチを使ってうまくいかなかった場合の最終手段であるので、基本はマイナスドライバーもしくはラジオペンチを使ってモーターカバーを取り外すようにしましょう。
モーターカバーの分解
先ほど取り外したモーターカバー(エンドベルキャップ)を分解していきますが、特にモーターカバー自体は使用用途がないので そのままにしておいても構いません。
モーターカバーの分解はラジオペンチを使って以下の画像のように引っ張っていきます。
具体的にラジオペンチでどこを掴むかは以下の分解後の画像を参考にしてみてください。
これでモーターカバーの分解は完了となります。
完成ロータの取り出し
ここではシャフトを軸としたモーターの中身である完成ロータを取り出していきます。
完成ロータは磁力で固定されているだけなので、少し強めの力でシャフト部分を引っ張れば簡単に完成ロータを取り出すことができます。
基本的には右側の完成ロータの各パーツを採取していくこととなりますが、左側のハウジングについて一部採取できるパーツがあるので こちらも準備ができ次第分解していきます。
使用済みのモーターの中身はオイルが大量に付着し油まみれになっていることがあるので、完成ロータを取り出す前にシャフト部分をティッシュなどで拭き取って余計な油分を除去しておきましょう。
取り外したあとも完成ロータに付着しているオイルを拭き取ることもお忘れなく。
コミテーターの取り外し
ここではシャフトに付いてるコミテーターを取り外していきます。
取り外すには2本のラジオペンチを使うのが推奨で、1本のラジオペンチでコア・コイル部分を掴み、もう1つのラジオペンチでコミテーターを掴みます。
そして、 そのまま2回転程コミテーターを回転させ、コミテーターに付いているコイルを切断していきます。
※コミテーターを何回回してもコイルが切断できないという場合はニッパーで切り落としましょう。
コイルを切断したら、コミテーターを矢印の方向に引っ張り(下の画像参照)、コミテーターを取り外していきます。
ここで取り外す際に注意したいのは、このコミテーターの最上段に「絶縁ワッシャー」があることで、取り外した勢いで絶縁ワッシャーを無くさないようしましょう。
無くす心配があるようであれば上部パーツを取り外す前に、ピンセットを使って先に絶縁ワッシャーだけ取り外しておきましょう。
コミテーター及び絶縁ワッシャーを取り外して作業完了となります。
絶縁ワッシャーはモーター分解において最も有用なパーツでもあるので、大切に保管しておきましょう。
コア・コイルの取り外し
シャフト中央のコア・コイルを取り外します。
コア・コイルの取り外しについては、コイルをほどいた後にラジオペンチでコアを1枚1枚丁寧に取り外す方法が一般的ではあります。
ただ、このやり方だと時間がかかることと、この手裏剣のような形をしたコアも使い用途がないので、労力の割には見返りがほぼないとも言えます。
そこで今回はコア・コイルは使わないという前提で、コア・コイルを一気にまとめて取り外す方法を紹介していきます。
まずラジオペンチを使ってコア・コイルを以下の画像のように斜めに曲げていきます。
同じ形状の部分が3か所あるので、3か所すべて斜めに曲げていきます。
コア・コイルの曲げ方は以下の画像のようにラジオペンチを使っていきます。
やり方だけ見ると非常に簡単なんですが、いざ実践しようとするとシャフト全体が持ちづらく 思うようにラジオペンチに力を伝えることができなかったりします。
そこで、うまくコア・コイルが曲げれないという方には以下のやり方を試してみてください。
モーターピンの上下にホイール・タイヤを取り付け、このタイヤを手でしっかりと抑えて ラジオペンチの先端でコア・コイル部を掴んで捻っていきます。
(ホイールだけでも構いませんがタイヤを装着していた方が持ちやすくなります)
無事にコア・コイルの3か所斜めに曲げることができたら、コア・コイル部が取り外せる状態になるので、2本のラジオペンチを使い、1本はシャフトを掴み もう1本でコア・コイル部を掴み以下の画像のように取り外していきます。
上のやり方で取り外しずらい場合は以下の画像のやり方も試してみてください。
こちらのやり方の方が幾分か楽にコア・コイルを取り外すことが可能です。
無事、上の画像のように分離できればコア・コイルの取り外しは完了となります。
軸受け金具の取り外し
ここでの作業はハウジングに付いている、軸受け金具の取り外し方法を紹介していきます。
この軸受け金具については実のところ ミニ四駆の改造において何かに使えるのかと言うと未知数な所もあるので、軸受け金具が不要ということであれば この作業は省いても構いません。
まず、ハウジングの外側から コア・コイルを取り外したシャフトを差し込んでいきます。
この差し込んだシャフトをハンマーで叩いていくわけですが、このままの状態でシャフトを叩くと床が貫通してしまうので、本を2冊用意するなどしてシャフトを通せる溝を作っていきます。
そこそこ深い溝が出来たら あとはハンマーでシャフトを叩いていきます。
シャフトを叩くことでハウジングに付いている軸受け金具が外れ、作業完了となります。
お宝ワッシャーの取り外し
最後にモーターピンに付属しているローターブッシュ(お宝ワッシャー)を取り外していきます。
ローターブッシュの名称についてはミニ四駆界隈ではお宝ワッシャーという名の知名度が高いので、ここではお宝ワッシャーという名称で解説を進めていきます。
お宝ワッシャーの取り外しについてはシャフト部の使用用途によってはこのままの状態の方が改造・加工などで使えるということもあるので、現段階でお宝ワッシャーが必要か否かわからないようであれば、いったんここでの作業は保留にしてしまっても構いません。
お宝ワッシャーを取り外す作業は基本的にハンマーを使うことが一般的ではありますが、ハンマーを使う場合「そこそこの力が必要になる」ことと「少々騒音が発生する」というデメリットがあります。
こうしたデメリットを避けるために本記事ではピニオンプーラーを使った方法を紹介していきます。
(ただし最初はどうしてもハンマーが必要になりますが…)
ピニオンプーラーを使うことは必須でありませんが、ピニオンプーラーを使用した方が お宝ワッシャーを傷付けずに取り外せるので、なるべくお宝ワッシャーを綺麗な状態で取り外したい場合は以下の手順をお試しください。
ピニオンプーラーを使用するにあたって お宝ワッシャーの位置が初期状態では実行できず、まずはお宝ワッシャーの位置を以下の画像のように少しずらす必要があります。
これは方軸・両軸モーターいずれも共通で、初期の位置からだいたい5mm程お宝ワッシャーをずらす必要があります。
お宝ワッシャーのずらし方は、まずシャフトの短い方を天井に向けた状態で、以下の画像のようにラジオペンチで軽く挟んでいきます。
この挟んだ状態のまま、本と本の隙間などの溝にシャフトの長い方を差し込んで、その上からハンマーでシャフトを打ち込んでいきます。
ここでのハンマーを使った作業が特に大変ということでなければ、そのままお宝ワッシャーが外れるところまでシャフトを叩き続けて構いません。
ハンマーを叩くのは少々面倒くさいという方は、お宝ワッシャーが5mm程ずれるまで何とか頑張って叩き続けてください。
お宝ワッシャーをずらすことができたら以下の画像のようにお宝ワッシャーがピニオンプーラーの中に入るようにシャフトをセットします。
シャフトをセットしたらピニオンプーラーの上から12mmスペーサーを入れていきます。
シャフトにスペーサーが通るように入れていきます。
上の画像のようにシャフトがスペーサーの中に納まったら、プーラー本体に押し出しピンを取り付け、押し出しピンを回していきます。
ここで押し出しピンがセットできないという場合は、まだお宝ワッシャーの位置ずらしが足りないということになるので、再度ハンマーでお宝ワッシャーの位置をずらしていきましょう。
ある程度回すとスペーサーと押し出しピンが干渉し回せなくなるので、押し出しピンが回せなくなったら一旦押し出しピンを取り外してスペーサーを6mmか6.7mmのものに交換します。
ここでもシャフトと・ピニオンプーラーの押し出しピンの両方がスペーサー内に収まるようセットし、押し出しピンを回していきます。
このまま押し出しピンを回し続けることでお宝ワッシャーが取り外せます。
これでお宝ワッシャーの取り外しが完了となります。
モーター分解後の仕分け
すべてのパーツを分解したら各パーツを仕分けていきます。
今後の改造・加工で使用できるパーツは個々によっても変わってくるので皆が必ずしも上の画像通りの仕分けになるとは限りませんが、一般的には上記の分類となります。
ゴミとして分別するパーツも場合によっては何かのシーンで使用できることもあるので、「捨ててしまうのは勿体ない!」と思う方は、とりあえず保管しておくのもありかと。
最後に
今回はモーターの分解方法を解説してきました。
ある程度ミニ四駆をやっていると使わなくなったモーターも出てきて、「そのまま捨てるのであれば、せめて有用なパーツだけでも採取しておきたい」と思って分解する人も多いと思います。
ただ、モーター分解しようとしたら意外にも分解するのが面倒くさく、結局分解せずに挫折した人もいるのではないでしょうか。
本記事ではそんなモーター分解が面倒くさくて諦めてしまった人たちのためにも、できるだけ簡単にモーター分解ができる方法をまとめてみました。
私自身 以前まではモーター分解は非常に手間がかかり面倒くさいと苦手意識が強かったんですが、本記事で紹介した方法を実践してからモーター分解が非常に楽になり 今では誰よりも早くモーター分解ができるとすら思ってしまっています(笑)
これまでモーター分解が苦手だった方・これから初めてモーター分解にチャレンジする方の手助けになれば幸いです。
コメント
コメント一覧 (2件)
質問です。
両軸モーターを分解して、方軸モーターにシャフトを付け替えて両軸にすることは可能でしょうか?
>>佐藤hironobuさん
コメントありがとうございます。
ご質問頂いた、上記の件については「可能」です。
ただし、モーター分解の行為はタミヤ主催の公認競技会では認められていないので、シャフトを付け替えたモーターでは公式大会への参加は不可となります。
また、公式大会以外での各大会についてもモーター分解を禁止しているところもあるので事前に確認が必要となるので ご注意ください。