本記事ではアルゴファイルのマイクロモーターシステムであるスターライトネクストの製品仕様・使い方・レビューなど、実際に使って分かった 製品に関する情報を詳しく紹介していきます。
尚、本記事ではアルゴファイルで言うところのマイクロモーターシステムという名称をリューターという呼び方に変更していることをご了承ください。
製品仕様
ここではスターライトネクストの付属品の詳細情報をはじめ 製品に関する各情報を紹介していきます。
付属品
スターライトネクスト(SNH35STB-3024)に付属している装置・パーツは以下となります。
次から上記リストの各付属品を個別で紹介していきます。
モーターハンドピース
リューター本体部分にあたる装置となり、加工作業する際のメイン機器ととなります。
ケーブルの長さ(ハンドピース根元部分からケーブルプラグ根元まで)は約50cmあり、もう少し伸ばすことも可能です。
重量は約216gあります。
※コレットスリーブ・ブランクバーを含む
正確な重さを出すためには どう計測すれば良いか迷ったんですが、実際に手に持って感じる重さは上記の測り方が一番適切なのかと。
尚、本記事ではこれ以降モーターハンドピースをハンドピース本体という名称で呼んでいきます。
コントローラー
ハンドピース本体の動作制御をおこなう機器となります。
電源ケーブルは全長 約150cmとなります。
※表記されている長さはケーブルをすべて伸ばした時のものとなります。
電源ケーブルはかなり長めの印象で、電源コンセントが多少遠くても問題なく本製品を使うことができそうです。
フットスイッチ(フットペダル)
フットスイッチを押す・離すことでハンドピース本体の起動・停止を制御することができます。
フットスイッチのケーブルは全長 約170cmとなります。
※表記されている長さはケーブルをすべて伸ばした時のものとなります。
かなり長めになっているので、余程コントローラーを遠くに置かない限りは どんな姿勢でも作業可能かと。
尚、フットスイッチはハンドピース本体の起動・停止を制御するだけであって、踏む力の強弱でビット回転数は変更できません。
ちなみに本製品の利用時はフットスイッチが必須かに見えますが、フットスイッチなしでも利用することが可能です。
※フットスイッチを使用しない場合の利用方法は後述します。
2.35Φコレットスリーブ
軸径2.35mmのリュータービットをハンドピース本体に装着する際に使用します。
また、2.35Φコレットスリーブを取り外すことで軸径3.0mmのリュータービットを装着することが可能です。
※それ以外の軸径サイズのリュータービット装着については『おすすめ周辺アイテム』の項目にて紹介します。
尚、購入時はハンドピース本体に装着された状態となっています。
カーボンブラシ
ハンドピース本体の内部パーツの予備分で、機器を長期間使用しカーボンブラシが摩耗した場合の交換用パーツとなります。
非常に小さいパーツなので製品開封後に見落とすかもしれませんが、ハンドピース本体の箱の中に入っています。
尚、カーボンブラシの交換方法については取扱説明書に記載されていますが、交換の際は以下の別売りのコレットチャック交換用工具(TPH65-175・176)が必要となります。
ハンドピースホルダー
コントローラーに装着することで、ハンドピース本体をコントローラーに固定することができます。
尚、コントローラーの反対側(正面から見て左側)にも装着することが可能です。
ハンドピース本体に装着するビットによっては このハンドピースホルダーが使用できなくなりますが、その場合は次に紹介するハンドピーススタンドで代用できます。
ハンドピーススタンド
ハンドピース本体を置くための土台となります。
先程紹介したハンドピースホルダーは装着するビットによっては使用できませんでしたが、このハンドピーススタンドであればどのビットを装着しても置くことができるかと。
それと、これは私だけかもしれませんが、購入前の製品画像を見た時は薄いプラスチックのちゃちなものかと思っていました。
しかし、実物を見ると硬いゴム素材?で重量も78gありしっかりとした作りでした。
当然、ハンドピース本体を置いてもブレることなく しっかりと固定してくれます。
リュータービット
30種類の軸径2.35mmのリュータービットとなります。
通販サイトによっては、付属品リストの中にこのリュータービットの記載がないところもあったので、本当に付属しているか不明だったのですが、しっかり付属されていて一安心です。
保護メガネ
作業時に発生する粉塵から目を守るためのメガネです。
意外としっかりとした作りになっていて、「ARGOFILE」のロゴ入りで気合が入っている気もします。
尚、眼鏡をかけた状態で保護メガネをかけることはできず、裸眼時のみ着用可能となります。
防塵マスク
作業時に発生する粉塵を吸ってしまわないようにするためのマスクで、不織布マスク(1枚)となります。
使い捨てマスクであり、数回作業したらお役御免となるので気休め程度のものとはなりますが、作業時にマスクが必要であることを注意喚起してくれる意味では 付属品としての価値が高いかと。
取扱説明書
各種製品情報をはじめ 操作に必要な使用方法が記載されています。
また、巻末は保証書となっています。
※保証期間は1年間
外観
ここではスターライトネクストの各パーツの外観を紹介していきます。
尚、本記事では製品を使う上で重要となる箇所をピックアップして紹介していきます。
ハンドピース本体
ハンドピース本体で重要となるのが「コレットチャック開閉リング」と「モーターケース」で、この箇所はリュータービットを着脱する際に操作する部分となります。
※ビット着脱方法については後述します
また、出荷状態では先端部分にコレットスリーブとブランクバーがセットされています。
※コレットスリーブ・ブランクバーの使い方は後述します
ハンドピース本体のブリップ部分はプラスチック素材となっており、コレットスリーブ未装着時のハンドピース本体部分の長さは約15cmとなります。
コントローラー
コントローラーは各面(正面・背面・天面・裏面)を紹介していきます。
・正面
正面部分は本製品を操作する上で頻繁に使用するボタン・スイッチ・端子があります。
※操作方法は後述します。
・背面
背面はフットスイッチ関連のボタン・端子があります。
それと上の画像では見づらいので補足で文字を入れましたが、切替スイッチの上の部分には「F/H」の文字が記載されています。
※スイッチの使い方については後述します。
・天面
天面はハンドピース本体やリュータービットを置くためのスペースが設けられています。
ビットスタンドには最大6個のリュータービットを置くことが可能です。
・裏面
裏面に関しては操作に関係する物は何もありませんが、強いて言えば四隅にゴム足がついています。
コントローラーの重量が約1.1kgありゴム足があるおかげで、作業中 不意にコントローラーの位置がズレるということもありません。
製品仕様・スペック
ここではスターライトネクストの製品仕様・スペックを紹介していきます。
製品名 | スターライトネクスト |
製品型番 | SNH35STB(W)-3024 |
給電方式 | コントローラー(電源コード式) |
入力電源 | AC100V(50-60Hz) |
回転数 | 0~35,000回転/分(無段階調節) |
最大トルク | 3.0Ncm |
装着可能コレット径 | 2.4(2.35)mm or 3.0mm ※1 |
ハンドピース本体重量 | 216g |
メーカー保証 | 1年間 |
※1…型番 SNH35STB(W)-3024 のみ対応
基本的に上記仕様の詳細内容は他の項目で紹介しているので、ここでは省略させて頂きます。
補足説明として、スターライトネクストは『SNH35STB』『SNH35STW』『SNH35STB-3024』『SNH35STW-3024』の4種類の製品があります。
SNH35STBとSNH35STWの違いはコントローラーの色が黒(Black)か白(White)になります。
また、『-3024』が付いているものはコレット径が2.4(2.35)mmと3.0mmの両方に対応していて、『-3024』が付いていないものはコレット径2.4(2.35)mmのみの対応となります。
尚、本記事では型番SNH35STB-3024の製品を紹介しております。
使用方法・操作方法
ここではスターライトネクストの使用方法・操作方法を解説していきます。
基本的に購入者向けの内容となりますが、どのように使うかを知ることもできるので購入を検討されている方も参考にして頂ければと思います。
スターライトネクストを使用する場合の主な手順は以下となります。
次から上記手順を個別に解説していきます。
各装置の接続
まずは機器を起動させるための下準備としてコントローラーにハンドピース本体・フットスイッチを接続します。
ハンドピース本体はコントローラー正面の接続ジャックへ、フットスイッチはコントローラー背面の差込ジャックへ接続します。
上記接続で注意して欲しいのはハンドピース本体ケーブルのプラグの向きで、窪みがある部分を上(天井)に向けてコントローラーに接続するようにしましょう。
基本的にプラグの向きが違っているとコントローラーに差し込めませんが、向きが違うままで無理やり差し込もうとするとプラグが壊れることがあるので、くれぐれもプラグの向きにはご注意ください。
尚、フットスイッチを使用しない場合は、コントローラーにフットスイッチを接続する必要はありません。
※フットスイッチを使用しない場合の利用方法は後述します。
ビット(先端工具)の着脱
各装置の接続が完了したら、使用したいリュータービット(先端工具)をハンドピース本体に装着していきます。
リュータービットの着脱方法については、コレットチャック開閉リングを回しコレットチャックの開閉をおこなうことで可能となります。
基本的にコレットチャックが締まっている(ロック状態である)ことを前提として、「ロック解除」 「ビットの交換」 「ロック」の手順でビットをセットします。
そして、コレットチャックの開閉の操作方法は以下となります。
コレットチャックのロック解除は時計回し、コレットチャックのロックは反時計回しとなり、双方ともに「カチッ」と音が鳴るまで回します。
コレットチャックは開閉時の操作は、以下の画像のように片手でモーターケースを抑え、反対の手でコレットチャック開閉リングを回していきます。
尚、軸径2.4mmビットを装着する場合はコレットスリーブを装着し、軸径3.0mmビットを装着する場合はコレットスリーブを外します。
本体の起動・操作
ここではハンドピース本体の起動・操作方法について解説していきます。
まず、スターライトネクストはフットスイッチ(フットペダル)を使った操作とフットスイッチを使わない操作の2種類があり、それぞれの操作方法を解説していきます。
尚、本記事ではフットスイッチを使用する方法をフットモード、フットスイッチを使用しない方法をハンドモードと呼んでいきます。
そして、次から「フットモード」「ハンドモード」の具体的な操作方法を解説していきます。
フットモード
フットモードはフットペダルを使用した方法となり、操作手順は以下となります。
コントローラー背面のハンド・フット切替スイッチを「F」にセットします。
スピードコントロールダイヤルが最小(MIN)になっていることを確認します。
最小でない場合はダイヤルを反時計回りに回して最小に合わせておきます。
コントローラーON/OFFスイッチを押します。
ON/OFFスイッチを押すと、LEDスイッチが点灯し電源ON状態になります。
フットスイッチを踏んで(押して)、ハンドピースを持ちます。
フットスイッチは踏んだままの状態で スピードコントロールダイヤルを時計回りに回してハンドピースを適切な回転数に調整します。
ハンドピースを適切な回転数にセットして対象物を切削していきます。
回転数が適切でない場合は、スピードコントロールダイヤルを回して回転数を調整していきます。
また、ビットの回転方向(正転・逆転)を変えたい場合は正転逆転切替スイッチを押します。
正転逆転の切替時はスピードダイヤルを最小にしておく
ビットの回転方向を切り替える場合は、一旦スピードダイヤルを最小(MIN)にしてハンドピースが停止している状態でおこなうようにしてください。
作業が終わったらフットスイッチから足を離してハンドピースを停止させます。
更にスピードダイヤルを最小(MIN)にしてコントローラーON/OFFスイッチを押してコントローラーの電源をオフにします。
スピードダイヤルを最小(MIN)に合わせるのは必須ではありませんが、作業をしない時はできる限り最小に合わせておくことを推奨します。
あとは各装置を取り外して切削作業終了となります。
ハンドモード
ハンドモードはフットペダルなしで操作する方法となり、操作手順は以下となります。
コントローラー背面のハンド・フット切替スイッチを「F」にセットします。
スピードコントロールダイヤルが最小(MIN)になっていることを確認します。
最小でない場合はダイヤルを反時計回りに回して最小に合わせておきます。
コントローラーON/OFFスイッチを押します。
ON/OFFスイッチを押すと、LEDスイッチが点灯し電源ON状態になります。
ハンドピースを持った状態で スピードコントロールダイヤルを時計回りに回してハンドピースを適切な回転数に調整します。
ハンドピースを適切な回転数にセットして対象物を切削していきます。
回転数が適切でない場合は、スピードコントロールダイヤルを回して回転数を調整していきます。
また、ビットの回転方向(正転・逆転)を変えたい場合は正転逆転切替スイッチを押します。
正転逆転の切替時はスピードダイヤルを最小にしておく
ビットの回転方向を切り替える場合は、一旦スピードダイヤルを最小(MIN)にしてハンドピースが停止している状態でおこなうようにしてください。
作業が終わったらスピードダイヤルを最小(MIN)にしてハンドピースを停止させます。
そして、コントローラーON/OFFスイッチを押してコントローラーの電源をオフにします。
スピードダイヤルを最小(MIN)に合わせるのは必須ではありませんが、作業をしない時はできる限り最小に合わせておくことを推奨します。
あとは各装置を取り外して切削作業終了となります。
使用時の注意点
ここではスターライトネクストを使用する際に注意すべき点について紹介していきます。
スターライトネクスト使用時の注意点は以下となります。
- 基本的に回転数は最小(MIN)にしておく
- 未使用時はコレットスリーブとブランクバーを付けておく
次から上記注意点について詳しく解説していきます。
基本的に回転数は最小(MIN)にしておく
基本的に切削作業をしない時・一時中断する時などは 出来る限りスピードコントールダイヤルを最小(MIN)の無回転状態にしておくことをおすすめします。
特に正転・逆転を切り替えは切替スイッチを押すだけで簡単にできてしまうことからリューターを回転させたまま回転方向を切り替えてしまいがちです。
しかし、リューターを回転させたままの状態で正転・逆転を切り替えてしまうと本体内部パーツの消耗に繋がりかねなく 製品寿命を縮める可能性もあるので、多少手間でも回転を停止させてからの切り替えをおすすめします。
これ以外にもスピードダイヤルを最小にセットしないでいると、ハンドモードでリューターが安全な場所に置かれていないにも関わらず うっかり電源ボタンを押そうものなら 周囲のものを傷つける可能性もあります。
こうした不意なリューター起動は非常に危険でもあるので、常日頃からスピードコントールダイヤルを最小(MIN)にするように意識付けしたいところでもあります。
未使用時はコレットスリーブ・ブランクバーを付けておく
スターライトネクストの未使用時・保管時は基本的にコレットスリーブとブランクバーをハンドピース本体のコレットチャックに装着した状態であることが望ましいです。
これらを装着する理由としてはコレットチャック内部にゴミを侵入させないためであり、コレットチャック内にゴミが入ることでハンドピース本体の故障の原因となることもあります。
また、使用時も注意が必要で、リュータービット(先端工具)のハンドピースとの接続部分はできるだけ綺麗な状態にしておくことが望ましいです。
もし、リュータービットにほこり・削りカス・油などが付着した状態でハンドピースに装着してしまうと本体内部にゴミが侵入する恐れがあるので、ビットも適度に手入れをした方が良いかと。
ちなみにコレットチャックに装着するものは必ずしもコレットスリーブ・ブランクバーである必要はありません。
要はゴミが入らないようにしてしまえば良いわけで、ブランクバーの代わりに軸径2.35mmビット、またコレットスリーブごと変えるのであれば軸径3.0mmビットでも構いません。
高価な精密機器でもあるので、意図しないところでの故障はできれば避けておきたいところです。
製品評価・レビュー
ここではスターライトネクストを実際に使用してみて感じたことや製品の良い点・悪い点を紹介していきます。
使用感
まず、使ってみて真っ先に感じたのが稼働音が静かということです。
これまで私は1万円未満のミドルクラスのリューターを愛用していて それも十分静かだとは思っていましたがスターライトネクストはそれ以上に静かで驚きました。
そして稼働音が静かながらも切削能力は非常に高く、回転数はもとよりパワーが強いことも感じました。
これまでのリューターは貫通加工の際に途中で回転が止まってしまうことが度々ありましたが、スターライトネクストは よりスムーズに回転し続けてくれます。
ただ、絶対に回転が止まらないかと言うとそうでもなく、回転数を上げて無理くり押し当てると回転が停止してしまうこともあるので過信は禁物です。
そんな高回転・高パワーを持ちながら長時間作業にも耐えることができます。
ミドルクラスのリューターだと長時間使用すると高熱を帯び休息(冷却)させる必要がありましたが、スターライトネクストは多少の熱は帯びるもののパワーの衰えは感じず 休息なしで長時間使用できます。
そして、極めつけは回転精度が高い(ビット回転時のブレが少ない)点で、これまで使用してきたミドルクラスのリューターでも回転精度には満足していましたが、本製品はそれを更に上回る精度でまったくブレないという印象です。
あと、使用していて便利だと感じたのがフットスイッチ(フットペダル)とコレットチャックの仕様です。
フットスイッチについては踏む(押す)・離すで起動制御できることから、両手が常に自由に使えるので作業がより効率的に且つ快適になりました。
コレットチャックの仕様については、コレットチャック開閉リングを回すだけでビットをしっかりと固定してくるので、無理くり力を込めてコレットチャックを締める手間もかかりません。
あと地味に嬉しかったのが正転・逆転の切り替えができることです。
リューター作業は切削時の粉塵飛散は避けられない事象であり、これらは集塵機などを設置して対策することはできますが、それでも完全に粉塵飛散を抑えられるわけではありません。
そうしたことから、ある程度 粉塵が飛散する方向を考慮しながら作業位置などを変えていきますが、物理的にどうしても作業位置を変更できないことも多々あります。
そうした時に便利なのが正転・逆転の切り替えで、この機能によって作業位置を変えずとも粉塵飛散の方向を調整することができるようになります。
以上が私が感じたスターライトネクストの使用感となりますが、製品の性能や使いやすさのおかげで作業効率が上がり 以前と比べて作業時間も大幅に短縮することができるようになりました。
良い点
ここではスターライトネクストを使用してみて良かったと思える点を紹介していきます。
- 質が高い
- ユーザーに配慮した使い勝手の良さ
次から上記の良い点を個別に説明していきます。
質が高い
とにかくリューターとしての全体的な質が高く、主に「回転精度が高い」「稼働音が静か」「パワフルで回転数が高い」「長時間連続して使用可能」という点が挙げられます。
※上記の質が高いとされる点の詳細内容については『使用感』のところで触れているので ここでは省略します。
スターライトネクストを使ってしまうと、もう他のリューターには戻れないとも言える質を持った製品となります。
この質を味わってしまうと もう他のリューターには戻れないと言える一品とも言えます。
本製品の最大の特徴と言えるのではないでしょうか。
ユーザーに配慮した使い勝手の良さ
フットスイッチ(フットペダル)やコレットチャックの仕様、そして正転・逆転の切り替えなどユーザに配慮した使い勝手の良さも本製品の魅力でもあります。
※上記の使い勝手の良さに関する詳細内容については『使用感』のところで触れているので ここでは省略します。
リューターを使った人達の「こうであったらもっと使いやすくなるのに…」という要望を聞き入れて作ったとも思える出来で、私自身 使い勝手の良さには非常に満足しています。
悪い点
ここではスターライトネクストを使用してみて悪かったと思える点を紹介していきます。
- 価格が高め
- 準備・片付けが少々面倒
- 箱の一部が潰れていた
次から上記の悪い点を個別に説明していきます。
価格が高め
スターライトネクスト(製品型番:SNH35STB(W)-3024)は参考価格が27,500円(税込)となっており、決して安いと言える製品ではありません。
『使用感』『良い点』で紹介してきた内容を踏まえれば妥当な価格とも言えますが、それでも工具で2万円を超えるというのは購入を躊躇する一つの理由になるかと思われます。
ただ、価格の高さに躊躇して 中途半端な性能のリューターを買って後々後悔してしまうかもしれないことを考えると、最初からスターライトネクストを買っていた方が良いと私は思っています。
価格の高い安いの捉え方は個々で変わってくるので、ご自分の予算などを考慮して慎重に判断して頂ければと思います。
リューターは欲しいけど価格面で購入は難しいという方は、以下の記事で 安いリューターも紹介しているので こちらをご参照ください。
準備・片付けが少々面倒
スターライトネクストは『付属品』を見ての通り構成するパーツが多く、作業の準備・片付けには少々手間がかかってしまいます。
また、構成するパーツが多いことから それなりの作業スペースが必要になること、更には保管場所にも困るという欠点もあります。
準備・片付け・保管場所については個々の作業環境によって異なるので人によっては まったく気にならないかもしれません。
作業スペースの問題については、どの製品でもあっても ある程度の作業スペースが必要となり リューター全般の問題点でもあるので、他の製品を購入しても同じ問題を抱える可能性があります。
強いて言えばスターライトネクストはコントローラー・フットスイッチなどの付属品があることから他製品よりも更に広い作業スペースが必要になるかもしれません。
ちなみにフットスイッチのケーブルは結構長めになっているので、フットスイッチを使う際は基本的にどんな姿勢でも作業することは可能です。
箱の一部が潰れていた
ここでの内容については製品内容とは直接関係するものではなく、私の製品にだけ起きた事象である可能性が非常に高いので、読み飛ばしも貰っても結構です。
そして、私の製品にだけ起きたであろう事象とは箱の一部が潰れていたことです。
上の写真だと たいした凹みでもないようにみえますが結構ガッツリ凹んでます…
製品の台紙だけでなく内側のダンボールの部分もへこんでいたことから、製品の箱ごと高所から落として出来たものかと思われます。
「配送業者の発送時に損傷したのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、この製品の箱を梱包していたダンボールは無傷で梱包もしっかりされていたので、購入先から発送される時点ですでに この状態だったと思われます。
そして、箱が潰れた時の衝撃による影響なのかリュータービットのケースにひびが入り ビットの一部が少し飛び出していました…
それと、これも同じタイミングで出来たものなのか 保護メガネも一部傷が付いていました…
幸い、使用する製品自体への損傷はなく正常に使えているので事なきを得ましたが、この状態で販売されてしまうは少々残念なところではあります。
これまでも、過去に 本製品と全然関係ない別の製品で 箱の破損はちょくちょくあったので こうしたことはある程度慣れていたつもりでしたが、本製品は精密機械であり且つ価格もそれ相応なので 結構ショックを受けました…
これだけ嫌な気持ちを引きずるのであれば、箱ごと製品交換を依頼しようとも思ったんですが、購入先の規約で箱の傷での交換は受け付けていないということで 交換は諦めざるを得ない結果となってしまいました…
あと、この箱の傷はメーカーでできたものなのか購入先でできたものなのかの真意は不明なので、メーカー・購入先のどちらが悪いとも言えません。
これは私の勝手な推測ですが、購入先の販売価格が その当時 他の購入先に比べて安く、安かった理由も少し訳ありな製品を仕入れているからだったのではないかと。
こうしたことを書いたところで、何か購入の手助けになるわけではありませんが、もし同じ症状に遭われた方がいたら「こういった被害は自分だけではなかったんだ」と少しの慰めになれば幸いです。
尚、この箱の傷はどこ(メーカー or 購入先)で付いたものか判別できないため、購入先の名称は控えさせて頂きます。
まとめ
ここまでの内容を統括するとスターライトネクストは個人のホビー工作・DIYの範囲において最高峰のリューターと言えます。
「リューター選びに絶対失敗しなくない!」ということであれば、スターライトネクスト一択です!
ただ、性能・使い勝手が良いとは言え 購入にあたり価格がネックになることは否めません。
価格がネックでスターライトネクストの購入をためらっているという方は今一度 本記事を読み直して頂き、自分の作業にどう貢献してくれて どれくらいの価値があるかを吟味した上で購入するか否かの判断をして頂ければと思います。
おすすめ周辺アイテム
ここではスターライトネクストを使用する上で、一緒に所持しておくと良いであろうおすすめ周辺アイテムを紹介していきます。
コレットスリーブ(3.0φ→2.0φ)
これは軸径2.0mmの先端工具を装着するために必要となるコレットスリーブで製品名は「アルゴファイル コレットスリーブ (3.0φ→2.0φ) RM-3020」となります。
これを使用することでミニ四駆のシャフト・ビスを装着することができるようになります。
リューターを使ってペラタイヤ加工をしたい方には必須パーツになるかと。
また、製品を購入すると 以下の収納ケースも付属してきます。
コレットスリーブは非常に小さく無くしやすくもあるので、収納ケースは地味に嬉しいです。
それと注意して欲しいのは、このコレットスリーブ(3.0φ→2.0φ)はスターライトネクストの「SNH35STB(W)-3024」のみの対応となっていることです。
詳しい話は、改めて『購入時の注意点』のところで話しますが、くれぐれもスターライトネクスト自体の購入を間違えないよう注意しましょう。
集塵機
切削作業の際に発生する粉塵を吸い取る機器となります。
リューターを使用した切削作業において粉塵発生は避けれない事項であり、その粉塵を直接吸うことは人体的によくありません。
吸ってすぐに何か影響があるわけではありませんが長期的に吸い続けると健康被害が出るので 粉塵対策はしっかりとしておきたいところです。
スターライトネクストはハンドピースの回転を正転・逆転 選べることからある程度粉塵の流れを制御できますが、それでも粉塵が舞うことには変わりなく それらを対策するために集塵機は必須級とも言えます。
尚、上記製品の元々の利用用途はネイルアートをする際に爪の削りカスが舞わないようにするための製品となりますが、その他の切削作業時でも使用することが可能です。
ちなみにスターライトネクストの販売元であるアルゴファイルからも集塵機が販売されています。
もし「集塵機を買う程の予算がない…」という方は次に紹介する不織布マスクで代用するのもありです。
収納ケース
これはスターライトネクスト一式を収納するためのケースとなります。
使い終わったら元の箱にしまえば良いわけですが、それだと結構しまいづらくて取り出すのも少々手間がかかります。
そうした時に専用の収納ケースを用意しておければ工具一式の出し入れが楽になり作業効率もはかどるので、持っておきたい周辺アイテムでもあります。
個人的にスターライトネクスト一式工具の収納におすすめなのが、冒頭でも紹介したダイソーのストックBOXです。
こちらは外寸が22.6cm x 18.8cm x 17.4cmとなっており、工具一式が以下の画像のように綺麗に収まります。
上の画像にはリュータービット一式が含まれていませんが、高さ的に余裕があるのでリュータービット一式も一緒に収納することが可能です。
これ以外のスターライトネクスト用おすすめ収納ボックスとして挙げられるのが、同じくダイソーから販売されているストックBOX1です。
こちらの外寸は22.3cm x 17.5cm x 15cmと最初に紹介した収納ケースよりも微妙に小さくなりますが、こちらもスターライトネクスト一式を綺麗に収納することが可能です。
これ以外にも適したサイズの収納ケースはたくさんあると思いますので、自分好みの収納ケースを探してみてはいかがでしょうか。
不織布マスク
切削作業時に発生する粉塵を吸ってしまうことを抑制するアイテムとなります。
先ほど紹介した集塵機で粉塵を吸い取ることができるわけですが、集塵機で吸い取れる粉塵の量にも限界があり すべての粉塵を完全に吸い取れるわけではありません。
そこで役に立つのが不織布マスクであり、集塵機とセットで使うことで より大きな効果を発揮します。
マスク選びの注意点として、ウレタンマスク・布マスクの使用は極力控えてください。
ウレタンマスク・布マスクは不織布マスクに比べて通気性が良い代わりに 細かい粒子を透過しやすいというデメリットがあります。
不織布マスクを使ったからといって完全に粉塵をシャットアウトできるわけではありませんが、ウレタンマスク・布マスクと比べてシャットアウトする性能が高いのは間違いありません。
このことから切削作業で使用するマスクは不織布のタイプがおすすめです。
欲を言えば より防塵性能が高い以下のような防毒マスクがあれば尚良しです。
ここまで本格的に用意する必要はありませんが、健康被害を気にされるようであれば より防塵性能が高いマスクを購入した方が良いかもしれません。
購入時の注意点
本記事を読んでスターライトネクストの購入を検討している方は、くれぐれも製品型番を間違えないようご注意ください。
まず、本記事で紹介しているスターライトネクストの型番はSNH35STB-3024で、これと同じ仕様でコントローラーの色だけ異なる製品のSNH35STW-3024という型番も存在します。
そして、スターライトネクストの製品は大きく分けて「SNH35STB(W)」「SNH35STB(W)-3024」の2種類の型番があります。
※アルファベット末尾がB(ブラック(黒色))か W(ホワイト(白色))でコントローラーの色が異なります。
それぞれの違いは装着できる先端工具の軸径サイズであり、SNH35STB(W)はコレット径2.4(2.35)mmのみの対応で、SNH35STB(W)-3024はコレット径2.4(2.35)mmと3.0mmの両方に対応しています。
また、SNH35STB(W)-3024はコレットスリーブを外付けできる仕様であることから、別売りのコレットスリーブ (3.0φ→2.0φ) も装着可能で これによりコレット径2.0mmの先端工具(ミニ四駆のシャフトなど)も装着できます。
もし、コレット径2.4(2.35)mmの先端工具しか使用しないということであればSNH35STB(W)で構いません。
しかし、コレット径3.0mm、2.0mmの先端工具も使用したいのであれば必ずSNH35STB(W)-3024の方を購入するようにしてください。
SNH35STB(W)-3024の型番の製品は商品名の所に【3.0Φコレット+2.35Φスリーブ仕様】という記載もあるので、購入する際は製品名及び型番をしっかり確認するようにしてください。
尚、本記事では間違ってSNH35STB(W)を購入してしまわないよう そちらの商品リンクは敢えて載せないでおきますので、どうしてもSNH35STB(W)の方が欲しいという方は ご自身で検索してお求めください。
最後に
今回はアルゴファイルのスターライトネクストに関する様々な製品情報を紹介してきました。
私自身、購入にあたり「ミニ四駆のシャフトは装着できるのか?」などの気になる点が多々あり、購入前は時間をかけ念入りに調べ、最終的な購入決定に至るまで結構な時間を有しました。
更に、購入して初めてフットスイッチ(フットペダル)なしでもリューターを起動できることを知ったりと、購入してみないと分からない部分もあるということを痛感しました。
そうした自分の経験も踏まえて、私のように より詳細且つ的確な情報を知りたい方のために、購入前に知っておきたいであろう情報を中心に できる限り細かく書いた次第です。
本記事が購入するか否かを決断するための手助けになれば幸いです。
また、スターライトネクストは魅力的だけど価格がちょっと… と思っている方のために、価格が安くて おすすめリューターを以下の記事で紹介しているので よろしければこちらもご参照ください。
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