今回はHITEC(ハイテック)から発売されているAAA Charger X4 Advanced Mini Ⅱ(X4アドバンスミニ2)のレビューと使用方法を紹介してきます。
X4 Advanced Mini Ⅱを買おうかどうか迷っている方をはじめ、すでに X4 Advanced Mini Ⅱを持っている方にも役立つ情報を掲載しているので、X4 Advanced Mini Ⅱをより深く知りたい方には必見の内容となっています。
外観・同梱品
ここではX4 Advanced Mini Ⅱの外観や同梱品を紹介していきます。
※X4 Advanced Mini Ⅱをすでに所持していて使い方をすぐに知りたい方は「操作方法」へお進みください。
まずはX4 Advanced Mini Ⅱの外箱から紹介していきます。
箱だけの画像ではサイズ感が伝わらないとは思いますが、とにかくコンパクトな箱となっています。
次に X4 Advanced Mini Ⅱの同封品は以下となります。
・充電器本体
・USBケーブル(Type-C)
・取扱説明書
USBケーブルの長さは約30cmとなり やや短めの印象です。
尚、充電器を起動するためには別途USB充電器やモバイルバッテリーが必要になりますのでご注意ください。
そしてX4 Advanced Mini Ⅱ本体の外観は以下となります。
本体内部にはファンはありませんが、その代わりに熱を外部に逃がすための通気性が良さげな構造になっています。
そして本体の後方側面には本体への電源供給のためのType-C端子があります。
最後に、本体のサイズ感の目安として実物のミニ四駆マシンと並べてみました。
上のミニ四駆マシンと並べた画像を見て分かるように、X4 Advanced Mini Ⅱ本体はかなりコンパクトな作りとなっています。
製品仕様
ここではX4 Advanced Mini Ⅱの製品仕様を紹介していきます。
対応バッテリー | Ni-MH/Ni-Cd 単三/単四 |
入力電源 | USB 5V 2.1A以上、PD3.0、QC3.0 |
USB Type | Type-C |
充電電流 | 100~1600mA(100mA単位) |
放電電流 | 100~700mA(100mA単位) |
電池容量範囲 | 最大3000mAh |
Δ(デルタ)ピーク感度 | -7mV |
トリクル充電電流 | 30~70mA |
放電カット電圧 | 0.9V |
動作モード | 充電・放電 サイクルリフレッシュ |
本体寸法 | 108 x 79 x 32.9mm |
本体重量 | 114g |
価格(定価・税込み) | 6,600円 |
電池は最大4本同時にセット可能で単3・単4を混合しても同時に充放電することが可能です。
その他の製品仕様については以下のX4 Advanced Mini Ⅱ製品ページをご参照ください。
機能紹介
ここではX4 Advanced Mini Ⅱの機能を紹介していきます。
これから充電器購入を考えている方は どういった機能があるかを参考にして頂ければと思います。
動作モード
X4 Advanced Mini Ⅱには以下の3モードがあります。
・CHARGE
・DISCHARGE
・REFRESH
次から上記のモード詳細内容を説明していきます。
CHARGE(チャージ) モード
充電するモードとなります。
充電電流は 100mA~1600mA(100mA単位で調整可能)で設定することができます。
DISCHARGE(ディスチャージ) モード
放電するモードとなります。
放電電流は 100mA~700mA(100mA単位で調整可能)で設定することができます。
REFRESH(リフレッシュ) モード
フル充電→完全放電→フル充電を実行するモードとなります。
リフレッシュモードの充電時の電流は100mA~1600mAから選択可能ですが、放電時の電流は選択することができず、設定した充電電流に値に応じて放電電流が自動的に決まる仕組みで 充電/放電の組み合わせは以下となります。
・充電100mA/放電50mA
・充電200mA/放電100mA
・充電300mA/放電150mA
・充電400mA/放電200mA
・充電500mA/放電250mA
・充電600mA/放電300mA
・充電700mA/放電350mA
・充電800mA/放電400mA
・充電900mA/放電450mA
・充電1000mA/放電500mA
・充電1100mA/放電550mA
・充電1200mA/放電600mA
・充電1300mA/放電650mA
・充電1400~1600mA/放電700mA
基本的にREFRESHモードで設定される放電電力は充電電流の半分の値となり、設置値によってはDISCHARGEモードでは設定できない電流値となることがあります。
また、リフレッシュモードは充電→1時間インターバル→放電→1時間インターバルと、充放電が完了するごとに1時間(60分)の休憩を挟む形となります。
このため、急ぎで充放電した場合は手動でCHARGE・DISCHARGEモードを繰り返した方がいいかもしれません。
電池の各ステータスの確認
本機では充電器にセットした電池の以下のステータスを確認することができます。
mA(充電電流)…現在 充電or放電している電流の値
V(電圧)…現在の電池の電圧
mAh(累計容量)…充電・放電した累計の電流の値
h(時間)…稼働しているモードの累計時間(分単位で表示)
mΩ(内部抵抗値)…電池の内部抵抗値
詳しい確認方法については「電池の状態確認」にて解説していきます。
操作方法
ここではX4 Advanced Mini Ⅱの操作方法を紹介していきます。
基本的には取扱説明書と同内容となりますが、一部説明書には記載されていない利用方法も紹介していきますので、使い慣れている方も一読頂ければと思います。
各操作方法説明の前に、まずは本機の各部を紹介していきます。
上記の各部名称については画像を見て頂ければ分かると思うので詳細説明は省略しますが、操作ボタンの各ボタンだけ詳しく説明していきます。
MODEボタン…各モードを選択・動作停止に使用できます。
CURRENTボタン…電流値の切り替えに使用します。
DISPLAYボタン…電池状態の表示切替に使用します。
SLOTボタン…各スロットの表示切替に使用します。
SLOTボタンを押すことで特定のスロットを選択することができ、選択されたスロットは文字が点滅状態となります。
尚、各ボタンは基本的には短押しで使用しますが、MODEボタンのみ一部操作で長押しをすることがあります。
各モードの起動
ここではのCHARGE・DISCHARGE・REFRESH 各モードの起動方法を説明していきます。
各モードの起動手順は以下となります。
本体の電源を起動させ、電池を本体にセットします。
(本体の起動前に電池をセットしても構いません)
尚、電池のプラス・マイナスの向きは本体スロットに記載された内容に合わせてセットします。
モード・電流値を設定したら何も操作せずに7秒待ちます。
無操作で7秒経過すると文字の点滅が点灯に変り設定したモード・電流値で充放電が開始されます。
あとは設定したモードの充放電が終わるのを待ちます。
追加で他のスロットでも充放電をしたい場合は手順1から同じように実行します。
充放電すべてが完了するとCHARGE・REFRESHモードはFULL、DISCHARGEモードはEndと表示されます。
本機は動作終了音等の音は出ない仕様なので、充放電が完了したかどうかはご自身で液晶パネルを確認する必要があります。
X4 Advanced Mini Ⅱは電池の内部抵抗値に応じて以下のように充電電流を調整する仕組みになっています。
電池の内部抵抗値 | 充電電流 |
---|---|
30mΩ以上 | 1200mA以下に制限 |
50mΩ以上 | 800mA以下に制限 |
80mΩ以上 | 400mA以下に制限 |
120mΩ以上 | エラー(充電不可) |
このことから電池の内部抵抗値によっては 設定したはずの充電電流がいつの間にか変わってしまっているという現象も起きるので注意してください。
ちなみに内部抵抗値についての詳しい説明は省略しますが、簡単に言えば内部抵抗値が低い方がより優秀な電池となります。
電池の状態確認
電池をセットした状態でDISPLAYボタンを押すことで以下の順番で電池状態を確認することができます。
mA(充電電流) → V(電圧) → mAh(累計電流) → h(時間) → mΩ(内部抵抗値) → mAに戻る
各電池状態の内容は以下となります。
mA(充電電流)…現在 充電or放電している電流の値
V(電圧)…現在の電池の電圧
mAh(累計容量)…充電・放電した累計の電流の値
h(時間)…稼働しているモードの累計時間(分単位で表示)
mΩ(内部抵抗値)…電池の内部抵抗値
※REFRESHモードを実行した場合のmAh(累計容量)に関しては、充電・放電が完了する度に値がリセットされます。
電池状態はDISPLAYボタンを押さずとも 各モード動作中に数秒間隔で自動的に切り替わって表示されます。
ただし、内部抵抗値だけは自動的に表示されないので、これだけは手動でDISPLAYボタンを押して確認する必要があります。
また、SLOTボタンを押してスロットを選択してからDISPLAYボタンを押すと、選択したスロットだけの電池状態を確認することができます。
動作停止、モード・電流値の変更
充放電を開始したものの途中でモードや電流値を変更したくなった場合に、電池を外さず取り付けたままで 充放電を一旦停止して異なるモード・電流値で再度充放電を実施する方法を解説していきます。
スロットを選択した状態(文字が点滅している状態)でMODEボタンを押し、点滅が点灯に変るまで押し続け(約3秒ほど) ます。
この後の手順の注意点として、点灯に変ってから7秒間何も操作しないと再び同じモード・電流値で充放電を再開してしまうので、できるだけ速やかに次の手順3を実行するようにしてください。
モード・電流値を設定したら何も操作せずに7秒待ちます。
無操作で7秒経過すると文字の点滅が点灯に変り、設定したモード・電流値で充放電が再開されます。
以上が電池をセットしたままでの「動作停止からモード・電流値の変更及び動作再開」の手順となります。
長押しが必要となる手順なので誤って充放電を停止してしまうということはないとは思いますが、REFRESHモードを最初に選択していた場合は停止するとまた1回目の充電から開始してしまいます。
このため、むやみにMODEボタンを長押ししないよう気を付けてください。
また、上記の操作方法はあくまで動作の一時停止及びモード・電流値の再設定となり充放電を完全に停止することはできないので、途中で充放電を中止した場合は物理的に電池を取り外す必要があるのでご注意ください。
使用感
ここでは実際にX4 Advanced Mini Ⅱを操作してみて私が感じたことを話していきます。
とにかく操作がシンプルで扱いが非常に簡単に取り扱うことができる印象で、操作方法も紹介してきましたが これらを見なくても直感的に操作できます。
このため、久しぶりに充電器を使おうと思った際も 操作に迷うことなくスムーズに使える作りとなっています。
また、液晶にはバックライトはありませんが、バックライトが無いから見づらいということもなく 操作感に関しては言うことなしかと。
それ以外にも、本機最大の特徴とも言えるサイズの小ささ・重量の軽さも魅力的で、外出時に携帯する時はもちろんのこと 家の中でも僅かなスペースがあれば充電可能です。
そして、そのコンパクトさ故に収納・保管する際もコンパクトなおかげで置き場所に困ることがないと いいこと尽くめです。
ただ、良い所ばかりではなく、個人的には2つ気になる部分がありました。
気になる部分の1つ目は「電池を取り外す際の硬さ」で、X4 Advanced Mini Ⅱは充放電が完了し電池を本体から取り外す際はマイナス極から取り外すことになります。
この取り外しはそこそこ硬いものの、ほんの少し力を加えれば簡単に外せるので 小さい子供でも簡単に取り外しができます。
問題なのは取り外し時の硬さが故の「電池ラベルの摩耗」で、取り外す度に電池のマイナス極の電池ラベルが擦れてしまいます。
数回程度では電池ラベルに何も影響がないのですが、これを数十回・数百回と繰り返すうちに電池ラベルが剥がれていかないか心配でもあります。
電池ラベルの摩耗についてはミニ四駆にセットする際も多少は発生する問題でもあるので、X4 Advanced Mini Ⅱを頻繁に使用するのであれば電池の保護フィルムを貼っておいた方が良いかもしれません。
そして気になる部分の2つ目は「電池の内部抵抗値による充電電流の自動調整」で、X4 Advanced Mini Ⅱは以下の表のように電池の内部抵抗値によって充電電流が自動調整される仕組みとなっています。
電池の内部抵抗値 | 充電電流 |
---|---|
30mΩ以上 | 1200mA以下に制限 |
50mΩ以上 | 800mA以下に制限 |
80mΩ以上 | 400mA以下に制限 |
120mΩ以上 | エラー(充電不可) |
これが地味に厄介な仕様で表記上は30mΩの数値でも充電電流が1200mAになったり・800mAに調整されることが多々あります。
そこそこ新しめで電池育成もしっかりした電池で しかも本機で表示される内部抵抗値が15mΩとかであっても充電電流が800mAまでしかなく、内部抵抗値の判定が結構厳しめという印象を受けました。
上記の現象は電池の問題ではなく、電源供給しているUSBアダプタの出力が低いのが原因の可能性もあります。
私が使用しているUSBアダプタはQC3.0に対応していないので、もしかすると そのせいで電流が不安定になっているかもしれません。
こうしたことから、本機を安定して稼働させるためにはQC3.0に対応したUSBアダプタを使用した方がよいかもしれません。
製品比較
ここではX4 Advanced Mini Ⅱの前モデルであるX4 Advanced Miniとの比較をしていきます。
まずX4 Advanced MiniとX4 Advanced Mini Ⅱの比較表が以下となります。
項目 | X4 Advanced Mini | X4 Advanced Mini Ⅱ |
対応バッテリー | Ni-MH/Ni-Cd 単三/単四 | Ni-MH/Ni-Cd 単三/単四 |
入力電源 | 5V 2.1A | USB 5V 2.1A以上 |
USB Type | Type-B | Type-C |
充電電流 | 200~1500mA | 100~1600mA |
放電電流 | 100~650mA | 100~700mA |
電池容量範囲 | 最大3000mAh | 最大3000mAh |
Δ(デルタ)ピーク感度 | – | -7mV |
トリクル充電電流 | 50mA | 30~70mA |
放電カット電圧 | – | 0.9V |
動作モード | 充電・放電 サイクルリフレッシュ | 充電・放電 サイクルリフレッシュ |
本体寸法 | 108 x 73 x 28mm | 108 x 79 x 32.9mm |
本体重量 | 106g | 114g |
価格(定価・税込み) | 5,600円 | 6,600円 |
次から、上記の比較表で主に変更があった点をピックアップして解説していきます。
入力電源・USB Type
個人的には最大の変更点とも言える箇所で双方でUSB Typeが異なり、MiniⅡでは昨今主流となっているType-Cを採用しています。
また入力電源についても、MiniⅡではより多くの出力を受けれるようになり、本機の性能をフルに出すためにもそれなりに出力が大きいUSBアダプタを使用する必要があります。
充電電流・放電電流
MiniⅡでは電流の最小・最大値が増え、より細かい電流値の設定ができるようになりました。
Δピーク感度・放電カット電圧
MiniⅡからΔピーク感度・放電カット電圧が仕様表に記載されるようになったわけですが、何も記載されていないMiniの方にはΔピーク感度・放電カット電圧の機能が無かったのかというと それは不明で、実はMiniの方も同じ仕様で同機能が実装されていた可能性もあります。
そして、MiniⅡのΔピーク感度はΔピークカットの値を示していると思われるのですが、本当にΔピークカットで充電を終了しているか不明なところで 他の高性能な充電器と比べると充電完了後の電圧値はやや低めな印象があります。
また、放電カット電圧に関しては本機には絞り放電機能がないため、0.9Vまで絞るには放電電流をかなり低めに設定しておかないと 結構高めの電圧で放電終了ということになったりするので 0.9Vという数値はあくまで目安かと。
(0.9Vまで電圧が下がると電池への負担も大きいでしょうから、逆にそこまで下がらない方が好都合かもしれません)
本体寸法・重量
本体寸法の比較については数値を見るよりも実物を見た方が分かりやすいので、以下の比較画像を紹介していきます。
真上と真横からの比較画像を見るとサイズ的にはほぼほぼ違いがないようにも見えます。
上の本体の前方側面・後方側面を比較してようやくMini・MiniⅡとの大きさの違いに気付くわけですが、重量の差が僅か8gであることから手に持つと双方の大きさ・重さの違いは ほぼ分かりません。
外観でのもう一つの変更点として本体背面の四隅に取り付けられたゴム足が若干変わりました。
ゴム足に関してはMiniが厚さ約1mmに対して、MiniⅡでは3mmちょっとに増え、地面との隙間が若干広がり 熱を逃がしやすい形状となっており、地味に嬉しい改善点でもあります。
また、MiniⅡでは本体の横幅が広がった影響で単三電池を全スロットにセットした状態でも各電池間に若干のスペースができ 無駄に熱を滞留することがなくなりました。
そのスペースができたおかげで、真ん中の2・3スロット電池がMiniと比べて取り外しやすくなった利点があります。
ただ、電池間のスペースができたとは言え 電池の左右から指2本を通すまでのスペースはないため両指で掴んで取り外すことはできません。
しかし、以下の画像のようのマイナス部分の左右どちらかを指1本で押すことで取り外せるようになります。
総評
一家に一台 持っておきたい充電器
「使用感」のところでも話しましたが、とにかく操作がシンプルで充電器を全然使ったことがないという方も すんなりと使用できる操作感で充電器の入門としてもおすすめできる製品となっています。
機能的な部分で言うと、動作モードは3種で設定値の幅もやや狭く お世辞でも他の高性能な充電器と比べて同等とは言えません。
しかし、携帯性においては他の充電器に追随を許さない優位性があり、サブ充電器として持っておいて損はない製品となっています。
個人的にはType-Cに対応しているのが本機の大きな魅力であり、このおかげで充電器以外のスマホなどの周辺機器で使用しているケーブルを流用できるようになるので家の中や外出先で無駄にケーブルを用意する手間が省けます。
ミニ四駆に限らず とりあえず何かしら充電器を持っておきたいという方にはおすすめの充電器で、充電器を持っていない方はまずは X4 Advanced Mini Ⅱから使ってみてはいかがでしょうか。
すでの他の充電器を持っている方でも外出時の携帯用充電器として X4 Advanced Mini Ⅱを所持しておくのもおすすめで、一家に一台 持っておきたい そんなおすすめの充電器です。
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