今回はミニ四駆のFRPステー(プレート)・カーボンステー(プレート)の簡単な穴のあけ方を紹介していきます。
穴あけ方法の模索
まずカーボン・FRPの穴あけは普通にドリルでやろうとすると滅茶苦茶時間がかかります…
(私だけでしょうか?…)
シャーシだとすんなり穴があけられるのにカーボン・FRPになると途端に穴あけが困難に…
調べてみると金属用ドリルの方がいいという意見も見受けられ、3.1mm穴加工は一応鉄工用のドリル刃を使ってはいるものの、穴あけるのにかなり時間がかかり体感ではタミヤのドリル刃と変わらないと思われます。
使用する工具が悪いのではという疑いもあり、もしかしたら原始的にピンデバイスでじっくりやった方が意外と早いのかと思いきやそうでもなかったです…
他にいろいろと工具を探した結果、ステップドリル・リーマー・電動インパクトドリルなどの工具を使う事も検討したのですが、あけたい穴のサイズに見合うものがなかったり、予算的に厳しいという理由で採用見送りになってしまいました。
ただ上記の工具の方がいいと判断されたのであればそちらを使ってみるのも良いと思います。
(正直、インパクトドリルと鉄工用ドリル刃の組み合わせで穴あけ問題は解消できる気がします…)
そんなこんなで自分の持ちうる範囲の工具で試した結果惨敗ということで、こうなってくると私のやり方が悪いという結論になるんですが、それならそうで自分に出来うる穴あけ方法は何か!と模索した結果、現在の私が持ちうる工具で出来る最短の方法は小さな穴からあけ徐々に穴を大きくしていくという結論に至りました。
もし私と同じように時間がかかる…という場合は以下の方法でやってもらえると時間短縮になるかと思いますので参考にしてみてください。
穴あけに必要な工具
それでは穴あけに必要な工具を紹介していきます。
電動ドリル・電動ドライバー
必ずしも電動である必要はありませんが、穴あけはかなり頻繁に実施する作業であり、トータルの作業効率を考えることを考えると電動であることが望ましく ベストな工具として電動ドリルが挙げられます。
以前はタミヤ製の組み立てるドリルを使用してましたがいろいろと不便なこともあり、上の画像の「KIMO 電動ドリルドライバー QM-1005A」に変更しました。
上記のモデルはドリルの回転精度が高く 機能面では正回転逆回転はもとより、回転数の調整可能でドリル刃の装着可能サイズも細いものから太いものまで対応しており、タミヤ製のドリル刃も装着できるので助かります。
かなりごっつい見た目でミニ四駆用ドリルとしてはちょっとサイズ感が合わない気もしますが その分パワーについては申し分ないのでインパクトドリルでなくても早い穴あけが期待できる製品となっています。
金銭的に余裕がある方は更に上位スペックの「マキタ(Makita) 充電式ドライバドリル DF330DWSP」がおすすめです。
ただ、「作業効率が良くなるとは言っても 値段も高いし サイズも大きすぎるから これはちょっと…」と思う方については、値段・サイズ共に手頃な小型 電動ドライバーをおすすめします。
こちらは電動ドライバーということで本来ドリルとしての使用用途はありませんが、ドリル代わりとして使うことも可能です。
ただし小型電動ドライバーについては六角軸のビットのみの装着となっているためタミヤのベーシックドリル刃セットは装着することはできません。
※頻繁に使用するであろう2mmドリル刃の六角軸ビットは100円ショップでも販売しています。
また、小型電動ドライバーは元々ドライバーとして使用用途のため、通常の電動ドリルと比べるとパワーが落ちるため穴あけ効率は若干落ちてしまいます。
電動ドライバーの仕様やレビューについては以下の記事にて紹介しているので、気になる方はこちらもご覧頂ければと思います。
リューター
電動ドリル・ドライバーと同じぐらい活躍する工具がリューターです。
※こちらについてはドリルだけの方法で苦戦する場合に使用しますので必須ではありません。
リューターのビット(ドリルで言うところのドリル刃的な)として、同じくタミヤから販売されているビットセットも必要になります。
そして、このビット5種の中でビス穴あけに必要となるのが以下のドリル状ビットとなります。
尚、おすすめリューターについては以下の記事にて紹介しているので、まだ持っていない方はこちらを参考にして頂ければと思います。
キリ・ケガキ針
それとこちらも必須ではないのですが先端が尖った「キリ」「ケガキ針」もあると便利です。
後述する穴のあけ方をみて必要あると判断されたら購入するのも良いかと思います。
ちなみにキリは以下のようなドライバーセットに付属されています。
穴あけ方法の説明
それではカーボン・FRPの簡単穴あけ方法を説明していきます。
ドリルのみを使用した場合
まず、穴あけの基本として覚えて欲しいのは、ドリル刃の直径が小さい程 穴があけやすいということです。
具体例としてドリル刃1mmと2mm それぞれを使って穴あけをした場合、1mm刃の方が穴をあけるのが簡単です。
この基本原理を応用して、最初はあけたい穴よりも小さい直径のドリル刃を使用し、一旦穴をあけてから 最終的に開けたい穴と同じ直径のドリル刃を使用していきます。
具体例として直径2mmの穴をあけたい場合は 最初は1.0mm刃もしくは1.5mm刃を使用し、一旦穴を貫通させてからドリル刃を2mmに変えていきます。
個人的に最初に使うドリル刃直径でおすすめなのが、FRP素材であれば1.5mm刃・カーボン素材であれば1.0mm刃がおすすめです。
そして、細いドリル刃で貫通させたら、もう一段階大きい直径のドリル刃に変えて穴を拡張していくのを繰り返すことで穴あけ作業が楽になります。
ただし、いきなり何もない所にドリルをあてると穴の位置がずれる可能性もあるので、まずは穴をあける目印をつけます。
目印を付ける方法として、ペンで印をつけ、その場所にドリルを直接あてて穴をあける方法が一般的かと思いますが、より穴を位置を正確にするために目安となる穴が開いているパーツを用意してそれを新規で穴をあけたいパーツと結合してすでに穴があいてるパーツを土台代わりにします。
すでに穴があいているプレートと新規で穴をあけたいプレートをビスとナットでしっかり結合し、穴の土台を作った状態でビス穴と同じサイズの2.0mm刃ドリルを十数秒程かけます。
そうするとドリルをあてたプレートの中央部に溝ができます。
※この溝の加工についてはプレート間で互いに同じ穴の位置である必要があったり、正確な位置への穴あけの必要がある場合での話で指標となるものがなくても穴をピンポイントで狙えるとか、穴の位置はざっくりで構わないということであれば必要工具で紹介した「キリ」や「ケガキ針」で溝を作る方法で構いません。
中央部に溝ができらドリル刃を細いものに変えていきます。
そのドリル刃の先端を中央部の溝にめがけてドリルをあて貫通させます。
FRPの場合だと1.5mm刃を使用して貫通させます。
貫通したら次に2.0mm刃をあて貫通させて穴あけ終了です。
さらに大きいサイズをあけたい場合は、2.5mm→3.0mmと徐々にドリル刃を大きくしていくと比較的楽に穴あけができます。
ちなみに穴あけスタートのサイズがFRPとカーボンで違うサイズを表記していたのは、FRPよりカーボンの方が素材が固くドリル刃が通しにくためです。
特にFRPで1mm刃を使用してはダメということもありませんので、FRP穴あけで1.5mm刃では貫通させづらいと感じたら1mm刃を使っても構いません。
以上がドリルのみを使った場合の穴あけ方法となります。
ドリルとリューターを併用した場合
次に説明するのはドリルとリューターの両方を活用した方法です。
この穴あけの方法も基本ドリルのみの時と同様に、あけたい穴よりギリギリ小さいサイズまでリューターで穴をあけて、最後にドリルで穴を拡張する方法となります。
こちらもビス穴2.0mmをあける前提で話をしていきますが、ドリルをあてる箇所への中央溝の作り方についてはドリルの時と同じなので省略します。
溝ができたら今度はその中央部の溝めがけて、リューターのドリル状のビットを使い貫通させます。
※奥までリューター入れすぎると土台にしているプレートの穴が2.0mm以上に拡張されてしまうので注意してください。
特に3mm厚のプレートだとより奥にビットを通さなくてはいけないのである程度溝が出来たら、土台になってるプレートを取り外した方が安全です。
貫通させたら今度は背面側から同じくリューターのドリル状ビットで穴を拡張していきます。
ここでも、ビス穴のサイズを越えてしまわないよう注意します。
最後に背面から2.0mm刃ドリルをあて貫通させて終了です。
ドリルの進みが悪ければ、裏返して正面からドリルをあて 再び背面から攻めるのもありです。
ちなみにタミヤから販売されているビットセットのドリル状ビットであけられる穴の直径は約2.6mmとなっています。
サイズの穴をあけたい場合はリューターの出番は終了となり
次は3.0mmのドリル刃を使用して穴を拡張し
更にドリル刃のサイズを大きくしていく形になります。
以上が穴のあけかたになりますがリューターのドリル状ビットについてはシャーシへの使用は極力控えた方がいいです。
ドリル状ビットの方がドリルよりも簡単に穴をあけることができるんですが、リューターを使いすぎて熱を帯びてくるとシャーシが溶けてしまうことがあります。
シャーシが溶けると以下の画像のようにリュータービットに溶けたシャーシがまとわりついてしまいます…
シャーシの材質によっては上記ようにならないこともありますが、基本的にシャーシにはドリル状ビットは不向きなのかもしれません。
ちなみに上記のように溶けたシャーシがくっついてしまった場合、溶けたシャーシはすぐに固まった状態になるので ニッパーで切っていけば 取り除くことができます。
その他道具を使用した場合
最後に紹介する穴あけ方法は、あけたい穴の大きさのドリル刃とドリル本体のみを使用するやり方となります。
やり方は至ってシンプルで上からドリルに力を込めて押すだけです。
ただ、力を込めた分 貫通した直後 下の土台にも勢いよくドリル刃が当たってしまうので、下に穴があいてもいいような木材もしくは厚手のタオルなどを下に敷くようにしてください。
シンプルな方法ながら実はこれが一番手っ取り早く穴があけられる方法でもあります。
更に欲を言えば この作業に適したインパクトドライバーを使えばもっと効率よく穴あけができます。
しかし、インパクトドライバーの価格がそれなりにすることとインパクトドライバーではなくても 上記手段が結構通用することから無理にインパクトドライバーを購入する必要もないかと思われます。
穴のバリとり方法
ドリル刃を使って穴をあけた際にバリ(不要な出っ張り)が出来てしまい、これを除去する必要があります。
基本的にバリを除去する場合はバリがある表面にヤスリがけをするわけですが、表面をヤスリがけすると 穴の周辺も削れてしまい 見た目が少々ださくなってしまいます。
そうした欠点をおぎなうべく、穴の周辺も綺麗に残し且つ簡単にバリを取る方法を紹介していきます。
まず、ニッパーを閉じた状態でバリを取りたい穴にニッパーの先端部分を入れます。
上記の状態でニッパーを左右に回します。
ニッパーを回す際は あまり力を入れず 軽く回せばOKです。。
激しく回してしまうと穴の入り口が拡張してしまうことがあるので力み過ぎにはご注意ください。
上記手順を踏むことで簡単に穴のバリが取れるので試して頂ければと思います。
ちなみに、このバリ取りで使用するニッパーは先端が細い 以下のような先細薄刃ニッパーがおすすめです。
この先細薄刃ニッパーは今回の作業に限らず、ミニ四駆の改造・加工全般で活躍する工具でもあるので 持っておいて損はありません。
最後に
いくつかの穴あけ方法を紹介してきましたが、シンプルに一番最後に紹介した タオル等を敷いて力を込めてドリルをあてる方法が手っ取り早かったりもします。
穴あけが早くできるかどうかも使用する工具のパワーにも依存してくるので、高い工具であればあるほどパワーも比例して強くなってくるので できれば高めの工具を用意しておきたいところではあります。
しかし、ミニ四駆以外でもそれらの工具を使用する機会があるならまだしも、ミニ四駆でしか使用しないということであれば高価な工具も宝の持ち腐れになってしまいます。
そうした場合は安価な工具で済ませるといった具合にご自分の環境に合わせてベストな工具を選んでいただければと思います。
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