スラスト抜け対策方法 解説【ミニ四駆】

今回はミニ四駆のATバンパーのスラスト抜け対策方法(スラスト抜け防止方法)について解説していきます。

本記事で解説するスラスト抜け対策方法についてはフロント側・リヤ側のいずれにも対応可能ですが、今回はフロントATバンパーのスラスト抜け対策をメインに解説していきます。

尚、本記事の途中で解説している具体的な加工方法は当サイトで以前紹介したフロントATバンパーをベースとしていますが、そのフロントATバンパーと異なる形のATバンパーでも流用できる内容となっているので、スラスト抜けに困っている方は一読して頂ければと思います。

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目次

スラスト抜けについて

まずはスラスト抜けとは何なのか、スラスト抜けが起こることによってマシンはどのような影響を受けるのかについて解説していきます。

スラスト抜けとは

スラスト抜けとは走行中にローラーがフェンスに接触した衝撃やジャンプ後の着地時の衝撃でローラーのスラスト角が変わりアッパースラスト(ローラーが上向き)になることを示します。

そして、スラスト抜けはすべてのマシンで起きるかと言うとそうでもなく、無加工のバンパーであったり その無加工のバンパーにフロントステーなどを説明書通りに取り付けた状態(所謂リジットバンパー)では 走行中によほどのトラブルがない限りはバンパーの角度は固定されたままでスラスト抜けが起きることはありません。

スラスト抜けが起きやすいのは AT(オート トラック)バンパーと呼ばれる マシンの一部がコースフェンスに乗り上げた際にいなし効果を持つ構造のものであり、特に強い衝撃を受けやすいフロント側のバンパーはスラスト抜けすることが多々あります。

スラスト抜けのデメリットについては後述しますが、スラスト抜けが嫌なのであればスラスト抜けしないリジットバンパーにすれば良いのでは?と思う方もいるかと思いますが、現代のミニ四駆のコースは走行中にジャンプを伴う立体セクションが当たり前の状況であり、それらのコースをより安定して走行するためにもATバンパーは必須とも言える改造となっています。

リジットバンパーでもATバンパーのようにコースフェンスに乗り上げた際にコース復帰させる改造は可能ですが、それでもATバンパーと比べるといなし効果は落ちてしまうので、スラスト抜けのリスクを考慮してもATバンパーを採用する人の方が圧倒的に多いのが現状となり、そのATバンパー使用時にスラスト抜けに悩まされている人も少なくありません。

スラスト抜けが起きると どうなるか

ではスラスト抜けが起きた場合にマシンにどういった影響があるかについて、フロントローラーとリヤローラーでそれぞれ挙動が変わってくるので、フロントとリヤに分けて解説していきます。

フロントローラーがスラスト抜けした場合

まずフロントローラーがスラスト抜けした場合ですが、スラスト抜けが発生することによりフロントローラーがアッパースラスト状態(ローラーが上向き)になり、アッパースラスト状態でコーナーに入るとマシンはローラーの向きに沿って走行し そのままコースから飛び出してコースアウトする可能性が高くなります。

ただし、スラスト抜けしたからといって必ずしもアッパースラストになるとは限らず、元のダウンスラスト(ローラーが下向き)の角度が大きければ多少のスラスト抜け程度ならダウンスラストの傾斜がただ若干浅くなるだけかもしれませんし、スラスト抜けによってフロントローラーがフラット状態(ローラーが水平の状態)であればコーナーリングが早くなったりもするので、時にはスラスト抜けがマシンにいい影響を与えることもあります。

とは言え スラスト抜けのメリット・デメリットを考えると、デメリットの方が大きく メリットの部分は狙ってできるものでもなく偶発的な要因が多いので フロントローラーのスラスト抜けは可能な限り避けたいところではあります。

リヤローラーがスラスト抜けした場合

次にリヤローラーがスラスト抜けした場合ですが、これはフロントローラーとは様相少し異なり 文章で説明するよりも画像で説明した方が早いので、画像を交えて解説してきます。

以下の画像はリヤローラーをアッパースラストに固定したマシンのリヤローラーがフェンスに当たった時の挙動を示したものとなります。

リヤーローラーがスラスト抜けしてアッパースラストになった状態でフェンスに当たると、リヤローラの向きにあわせてマシンのリヤ側が浮き その反動でフロント側が沈み マシンがコース内に収まりコースアウトを防ぐことができます。

上の画像だけ見るとリヤローラーをアッパースラストにすることでコースアウトを防げるのでリヤローラーはスラスト抜けしても良いかと思われがちですが、無駄にリヤ側(リヤタイヤ)が浮いてしまうと一時的にフロントタイヤだけで走る事になりタイヤが路面を蹴る力が半減し 更にはリヤタイヤが浮いた後にタイヤが路面に戻る時に無駄にバウンドしてしまいマシンの走りが不安定となり 最悪その不安定は走りが原因となりコースアウトを誘発することもあります。

このことからリヤローラーが頻繁にスラスト抜けを起こしてアッパースラストになることは速度低下にも繋がるため、意図しないところでのスラスト抜けは避けたいところでもありますが、リヤローラーはフロントローラに比べてフェンスから受ける衝撃が少なくスラスト抜けしにくいことと スラスト抜けしてアッパースラストになったらなったで恩恵を受けるシーンもあるのでフロントローラー程スラスト抜けに気を遣う必要もないかと。

そうした事情も考慮して、今回はフロント側のスラスト対策方法をメインで解説していきますが、リヤ側にも応用できる対策方法もあるので必要があればリヤ側にも適用してもらえればと思います。

スラスト抜けの原因

スラスト抜け対策をする上で何故スラスト抜けが起こるかを知っておくことで、この後解説するスラスト抜け対策方法をより理解しやすくなることから、まずはスラスト抜けが起きる代表的な2つの原因を解説していきます。

ATバンパー軸とフロントローラーの位置

スラスト抜けの根本的な発生要因としては、フロントローラーがフェンスに接触し、フロントローラーが衝撃を受け その衝撃がATバンパー軸に伝わり、衝撃を受けたATバンパー軸はフロントローラーと同じ方向(後方)への力が加わり、結果ATバンパーごと後方(リヤ側)に引っ張られてスラスト抜けの状態となります。

そしてATバンパー軸よりもフロントローラーが前にあると、ATバンパー軸への衝撃がより強くなってしまうので、ATバンパー軸はフロントローラーよりも前に配置することがフロントATバンパーでの必須事項とも言えます。

上の画像は当サイトの別記事で作成したフロントATバンパーのものとなりますが、ATバンパー軸のラインがフロントローラーのラインよりも前側(フロント側)に配置された構成となって必須条件は満たしておりますが、上の画像とは異なる形のフロントATバンパーを作成しようと思っている方はこのATバンパー軸とフロントローラーの位置だけには十分注意して、くれぐれもフロントローラーの位置がATバンパー軸よりも前にならないようにしてください。

尚、ATバンパー軸とフロントローラーの位置関係については上記で紹介した条件以外にもATバンパー軸の幅やローラーのコーナーフェンスにあたる箇所の高さなどの複数の要因も絡んできて、その辺の詳細を説明すると力学?的な話も入ってきて話が長くなるので省略させてもらいます(単に私が詳しく説明できないというのもありますが…(笑))

スプリングの圧力

スラスト抜けのもう一つの発生要因としてスプリングの圧力が挙げられ、これについては図を交えて解説していきます。

まずはマシンの側面から見たフロントATバンパーのフラット状態(スラスト角0度)が以下となります。
(下画像の構造は別記事で紹介しているフロントATバンパーがベースとなっています)

解説に必要な最低限のパーツのみ記載しているのでフロントATバンパーの構成に含まれるナット・フロントステー・ローラーなどのパーツは図から省いています。

このフラット状態では、スプリングの圧力はフロント側・リヤ側共に均等なのでスラスト抜けしにくい状態となっており、スプリングの圧力が強中弱3段階あると仮定した場合ここでの圧力は「中」となります。

このままの状態であれば可動をスムーズにするためのマルチプレートの穴拡張の加工を間違えないければスラスト抜けも起こりにくいわけですが、あまりフロントステーをフラットにする方も少ないと思いますし、スラスト角が0度だとコーナリング時のコースアウトの心配もあるので現実的な構成ではありません。

そして、次はスラスト角を付けた状態の図となります。


※フラット状態のとの違いを分かりやすくするためスラスト角は敢えて25度と極端な傾斜にしています。

スラスト角を付けマルチプレートに傾斜ができたことによりスプリングの圧力がフロント側・リヤ側とで変わってきています。

スプリングは長さが短いほど圧力が強くなるので、スプリングの長さが長いフロント側はリヤ側に比べてスプリングの圧力が弱くなり、その結果ATバンパーが衝撃を受けた際にフロント側のマルチプレートが上がりやすくなり スラスト抜けを誘発しやすい状態となってしまいます。

以下の画像は過去に私が作成した旧バージョンのフロントATバンパーとなりますが、スラスト角がある状態でATバンパーが可動した拍子にスプリングがリヤ側だけに接触して、フロント側は一切接触していない状態になることがあります。

矢印で示した箇所がスプリングのフロント側で、画像をよく見るとわかるのですがATバンパーのフロント側はスプリングの圧力が弱いどころかほぼ圧力がない状態であり、ATバンパーが簡単にフラット状態に戻ってしまいます。

スラスト抜け対策方法

ここではいくつかのスラスト抜けの対策方法を紹介していきます。

ATバンパー軸とフロントローラーの距離を離す

スラスト抜けの原因の「ATバンパー軸とフロントローラーの位置」で解説したように、スラスト抜けを起こしにくくさせるためにはATバンパー軸をフロントローラーよりも前(フロント側)に配置することが必須となります。

以下の画像が別記事で作成したフロントATバンパーのATバンパー軸とフロントローラーの位置関係となりますが、マシンを上から見下ろした時にATバンパー軸のラインがフロントローラーのラインよりも前方(フロント側)にある前提で、この互いのライン間の距離が長ければ長いほどATバンパー軸が受ける衝撃が減り、よりスラスト抜けが発生しづらくなります。


以下の画像は基本的に同じ構造のフロントATバンパーではありますが、バンパー部分のステーのみ変えたものとなっていて、この2種類のステーごとのライン間の幅を見ていきたいと思います。

フロントローラーのラインについてはいずれのもステーも13mmローラー設置の箇所のラインで、同じ13mmローラーを取り付けた場合のフロントローラーのラインからATバンパー軸のラインまでの距離がステーで異なり、距離が長いフロントステーの方が安定感があるATバンパーとも言えます。

このことからスラスト抜けに対する安定性を重視するなら、よりローラーの位置が後方になるフロントステーを選ぶべきかと思います。

更に同じステーでも使用するローラー径を小さくすればより後方(リヤ側)にローラーを配置できるので、各ステーの最も後方にあるローラー穴(9mmローラー用)が最も望ましいことのなりますが、必ずしも9mmローラーがそのコースに適しているとは限りませんし、そもそも各ローラー穴ぐらいの距離の違いでどのくらい衝撃を減らすかは正直分かりづらく、スラスト抜け対策のために使用するローラー径を選択するよりも コースに合ったローラー径を選択した方が効果的かと思われます。

とにかくステー選び・ローラー選びで迷ったらより後方(リヤ側)に配置できるのを選択するのもありかと思います。

スプリングの圧力を上げる

ここでは「スプリングの圧力」が原因で発生するスラスト抜けの対策方法で、ステーの前後にかかるスプリングの圧力が違うとしても、スプリング自体の圧力を上げれば全体にかかる圧力も増えるわけで、以下の2種類の方法でスプリングの圧力を上げていきます。

スプリングを硬くする

非常にシンプルな方法でパーツを変えるだけでスプリングの圧力を変えられるので、もっとも簡単な方法でもあります。

現在販売されているグレードアップパーツのスプリングを硬さは以下となります。

最初はスプリングセットの最も圧力が弱い黒のスプリングを使い、圧力が弱くスラスト抜けが起こりやすいようであれば同梱している銀のスプリングに変え、それもあわなければスプリングセット2のスプリングを試してみると良いかもしれません。

ただし、スプリングを硬くした場合ATバンパーが安定する反面 ATバンパーとしてのいなし効果が落ちてしまい、フェンスに乗り上げた際のコース復帰率が下がる可能性があるので一長一短の方法でもあります。

・スプリングの幅を変える

こちらもある意味「スプリングを硬くする」方法と同一で、スプリングの幅(距離)を短くすればスプリングの圧力を強くすることができます。

実際の例として今回解説しているATバンパーのスプリング部分は真鍮パイプ2個にしていますが、これを真鍮パイプ1個と真鍮パイプよりも短い3mmスペーサーの構成にすることでスプリングの幅を短くすることができます。

上の画像は左側が真鍮パイプ2個、右側が真鍮パイプ1個+3mmスペーサーとなっており、右側の方がスプリングの幅が短くスプリングの圧力が増している状態となっており、スペーサーをより短い1.5mmに変えれば更にスプリング圧力を増すことができます。

ただしスペーサーに変える場合、バンパーの拡張した支柱部分の穴は真鍮パイプの通るスペースしかなくスペーサーは通ることができないため可動域が少し制限されてしまいます。

そうした可動域の問題を回避する方法として切断した真鍮パイプを用いる手段もあります。

真鍮パイプの切断方法については以下の記事にて解説しているので、気になる方は以下の記事をご参照ください。

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この方法と先程紹介した「スプリングを硬くする」方法を組み合わせれば、スプリングの圧力をより細かく調整できるようになります。

ただし、スプリングの幅を狭めるとスプリングの圧力が増えると同時にATバンパーとしていなし効果が落ちてしまうので、こちらも一長一短の方法ではあります。

支えを付ける

これは1軸ATバンパーでは必須とも言える方法で、以下の画像のように前後に「支え」をつけることでスラスト抜けを防止することができます。

以下の画像は「支え」を設置する箇所の一例となり、必ずしも以下の位置に設置するのがセオリーということではありませんが、フロント側・リヤ側のそれぞれ左右に支えを置くことでATバンパーを安定させることができます。

支えを設置するポイントとしてはフロント側の支えはは地面寄りの位置で、リヤ側の支えは天井寄りの位置でATバンパーを支えることによりスラスト抜けを発生しづらくさせます。

支えに使うパーツとして代表的なのがスペーサーで、フロント側であればビスとスペーサーを使って支えとなる支柱をブレーキステーに取り付けたり、リヤ側であればプレートやスペーサーを使ってシャーシかブレーキステーに取り付けたり・直接シャーシ自体を支えとしたりと様々なバリエーションがあります。

ただ、これらの方法はATバンパーを支えてくれるメリットがあると同時に、ATバンパーの動きに制限がかかりいなし効果が減少するというデメリットもあります。

そもそもこの方法は1軸ATバンパーでは必須であり非常に重宝する方法ですが、2軸のATバンパーはこれらの支えがなくてもそれなりにATバンパーは安定した状態にあるので、どちらかと言うとデメリットの方が高いかもしれません。

2軸ATバンパーで支えを付けるということであればリヤ側だけでも十分効果があるので、まずはリヤ側に支えを付けてみて可動を確認し、それでもATバンパーがぐらつきスラスト抜けしやすいということであればフロント側の支えを追加するということでいいと思います。

つっかえ棒を付ける

こちらは上で紹介した支えを付けるを応用した方法で、多少加工の手間はかかりますが今回紹介するスラスト抜け対策方法のなかでも最も効果が大きいとも言えるおすすめの対策方法でもあります。

バンパーの中心部分につっかえ棒を付けることでスラスト抜けを防止し、概要図は以下となります。


マルチプレートにビスを取り付け ブレーキステー側はビスを貫通させるための穴をあけ、このビスをつっかえ棒として使用していきます。
(当サイトで紹介しているフロントATバンパーの場合は各パーツ結合用としてマルチプレートに装着するビスを下部まで延長させ それをつっかえ棒としています)

このつっかえ棒がスラスト抜け対策として実際どうように作用するかの概要図は以下となります。


ブレーキステーのつっかえ棒を通しているスペースのフロント側をほぼ無くし リヤ側を広めにすることでつっかえ棒の前後の動き調整し、つっかえ棒がフロント側に傾くことを制御することによりマルチプレートがスラスト抜けする方向への可動を抑えることができます。

ここからはつっかえ棒をマシンに実装させる具体的な方法を解説していきますが、加工方法は別記事のフロントATバンパーをベースに解説していくので この形と異なるATバンパーの方は以下の方法を参考に、ご自分のマシンのATバンパーに適したパーツ選択・加工箇所の決定を実施してもらえればと思います。

まずマルチプレート側は各ステーと結合するために使用するビスをスラスト抜け制御用のつっかえ棒にするため、少し長めのビススペーサー(3mm)を用意してマルチプレートと各ステーを結合させます。
(全体の構成を見やすくするために敢えて 無駄に余長があるビスを使用しています)


ここでのポイントとしてはスペーサーの追加ですが、このスペーサーを使うことでマルチステー下部へのビスの延長が可能になり、つっかえ棒としてもいい具合にブレーキステーと干渉しスラスト抜けを制御する役割を果たしてくれます。
(丁度3mmスペーサーが上のATバンパーの構成では長すぎず短すぎの幅でフィットします)

そしてブレーキステー側は以下の既存ビス穴を拡張していきます。

ブレーキステーのビス穴拡張にはリューターを使用し、電動リューター用 ビット5本に含まれる細めの円筒形ビットを使用します。


このビットがビス穴に丁度入るので、ビス穴にビットを入れて徐々に穴を拡張していきます。

そしてブレーキステーのビス穴を拡張し つっかえ棒付きのマルチプレートを取り付けた状態が以下の画像となります。

ここで注意して欲しいのはブレーキステーのビス穴拡張方法で、適当にビス穴を拡張してしまうとスラスト抜け防止の効果がなくなってしまいます。

しっかりとスラスト抜け防止をしつつATバンパーとしての可動もスムーズにさせるためにはビス穴の四方(上下左右)を以下の画像のように加工していきます。

ビス穴の上部(フロント側)の部分とつっかえ棒(スペーサー)とのスペースを無くすことでスラスト抜けする動きを防ぎ、下部(リヤ側)のスペースを広くすることでスラスト抜けとは反対方法の可動がスムーズになります。
また、ATバンパーの左右の傾きをスムーズにさせるために穴の内側(中央側)にも適度な空スペースが必要となります。

特にビス穴の上部の加工は 削りすぎてしまうとスラスト抜け防止の効果が出なくなるため要注意箇所でありとなります。

以下の画像は 今回の画像のベースとなっているフロントATバンパーの具体的な加工方法となっているので、当サイトで紹介しているフロントATバンパーを作成している方は以下の内容を参考に加工してください。

上の画像のようにスラスト抜け防止用の穴を作るためには、VZシャーシ用とMA・MSシャーシ用で加工の仕方が少しが変わり、加工概要は以下となります。

ビス穴の上部の加工はフロントATバンパーの支柱の位置で最適なラインが変わるためVZシャーシ用かMA・MSシャーシ用かで少し削り度合いが変わってきます。

MA・MSシャーシ用に穴を拡張する場合は皿ビス穴加工ビットを貫通させても穴全体に余裕があるので、より早く穴拡張したいのであれば最初に皿ビス穴加工ビットを貫通させることをおすすめします。

VZシャーシ用のブレーキプレートは既存ビス穴の上部のラインを越えて削らないよう横に広げるように削り、MA・MSシャーシ用のブレーキプレートは既存ビス穴の上部のラインから更に1mm前後程削っていきます。

ビス穴の上部の最適なラインはバンパーのスラスト角によっても若干変わってくるので、あらかじめスラスト角を付けた状態のバンパーを用意し、手間ではありますが何度もパンパ―をブレーキプレートにセットしながら穴の拡張度合いが問題ないかを確認しながら慎重に作業することをおすすめします。

スプリングの圧力を均等にする

こちらも今回紹介するスラスト抜け対策方法の中でも比較的効果が大きい方法となり、上のつっかえ棒を付けると併用することでよりスラスト抜け防止の効果が増し、おすすめの対策方法でもあります。

ATバンパーにスラスト角をつけることによりスプリングの前側・後ろ側の圧力が変わる事はスラスト抜け原因の「スプリングの圧力」のところで図を交えて説明しましたが、あらためてその図見てみましょう。

このようにフロント側スプリング圧力が弱くなり、結果スラスト抜けが起きやすくなってしまうわけですが、以下の画像のように前側(フロント側)のスプリング圧力が弱くなるということであれば、前側の部分だけマルチプレートの高さを増やせば前後の圧力を均等にすることが可能です。

フロントATバンパー用のマルチプレートのフロント側に載せるパーツの作り方は別記事のカーボンマルチ強化プレートの加工の「スラスト抜け対策加工」にて解説しているのでここでの説明は省略しますが、高さを上げるパーツとしてステー・プレート1枚分の厚さ(1.5mm)を使うことにより、フロント側の高さを1.5mmほど上げることができます。

しかし、上の図のような傾斜(25度)ぐらいあれば1.5mmの高さアップで前後のスプリング圧力が均等になるかもしれませんが、実際の利用するスラスト角は5度前後ぐらいでそのぐらいのスラスト角では今度は逆にフロント側のスプリング圧力が増してしまいます。

ただスプリングの圧力が前後均等ではないのは一見するとよろしくないように見えますが、前側を抑える力が強ければスラスト抜けが発生しにくく、ATバンパーの動きとしても特別悪くなるということもないので、むしろ歓迎すべき形なのかもしれません。

またこの対策方法はスラスト角がないフラットの状態でも効果を発揮し、フロント側のスプリング圧力が強いため、むやみにスラスト抜けが出るということも抑えることできるので、加工の手間は若干かかるものの是非ともやっておきたいスラスト対策でもあります。

最後に

今回はスラスト抜け対策(スラスト抜け防止方法)にスポットをあて解説してきました。

スラスト抜け対策方法は多種多様で今回紹介した対策方法以外にも様々な方法がありATバンパーの構造によっても適した対策方法が変わってきますので、本記事の内容を参考にご自分のマシンに適したスラスト抜け対策方法を見つけてもらえれば幸いです。

尚、本記事内で度々紹介していますが、本記事で使用している実機マシンのフロントATバンパーの作成方法については以下の記事にて解説していますので、興味がある方は一読して頂ければと思います。

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