ATスライドダンパー(ATスラダン) 作り方 解説

今回はATスライドダンパー(ATスラダン)の作成方法を解説していきます。

対応シャーシについては今回作成するATスライドダンパーのベースとなるフロントATバンパーを取り付けることができるものであればOKで、今回はVZ・MA・MSシャーシをメインに解説していきます。

今回の改造のコンセプトとしては、入手しやすいパーツでシンプルな改造を目指したので初心者の方でも比較的簡単にできる改造となっており完成したATスライドダンパーは以下のような形となります。

目次

必要なパーツ・工具

まずは今回のATスライドダンパー作成に必要なパーツ・工具を紹介していきますが、基本的に以前作成方法を紹介したフロントATバンパーをベースとするため、まずそれらを用意していることを前提として それ以外に別途必要となるパーツ・工具を紹介していきます。

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必要パーツ

フロントワイドスライドダンパー


今回のATスライドダンパーの作成に必須なパーツとなります。

この一式セットの中で使用するのは上蓋スプリングアルミプレートとなり、アルミプレートはATスライドダンパーの構成パーツとしては使用しませんがパーツ加工用の型枠として使用していきます。

フロントワイドスライドダンパー用カーボンステー

このパーツを使用することで今回の加工作業が格段に楽になるわけですが、このパーツには致命的な欠点があります。
それは入手しづらいということです…

少し前(数年前?)までは簡単に入手でき 私もその時にたまたま購入していたわけですが、今では定価での入手はほぼ不可能な状況です。

このことから昨今のパーツ入手状況を考慮して、フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーの代わりになるパーツを紹介し、その代用パーツをメインとした改造方法を解説していきます。

カーボンマルチワイドリヤステー

フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを用意できない場合はこのパーツが必要になります。

ただしこのパーツは限定品ということもあり必ずしも定価で入手できるものではありません。
とは言えAmazonにて定期的に在庫が復活して定価以下で買えることも多々あり、定期的にAmazonやその他ネット販売サイトをチェックしていれば購入チャンスがあるパーツです。

また毎年 夏頃にロゴを変えたものが新製品として発売され、夏前ぐらいからAmazonをチェックしておけば事前予約もでき、今回の改造以外で度々使用する頻度が高いパーツでもあるので、購入チャンスがあればとりあえず買っておいて損はないパーツかと思います。

ちなみにカーボンマルチワイドリヤステーを使用する場合はステーの強度の関係のため2枚用意しておきたいパーツになりますが、価格・入手のしやすさを考慮するとできれば複数枚使用は避けたいところで そうした場合は2枚目の代用品として次に紹介するパーツで補います。

FRPマルチワイドリヤステー


ステーの強度を上げるためにカーボンマルチワイドリヤステーとセットで使用するパーツとなります。

今回の改造では適切なステーの厚み・強度にするためにプレートを2枚重ねて使用することを推奨し 理想はカーボンマルチワイドリヤステーの2枚重ねですが、カーボンマルチワイドリヤステーが入手しづらい・予算的に厳しいという場合はこのパーツで代用します。

ただしこのパーツ単体では使用は不可であくまでカーボンマルチワイドステーが1枚ある前提になるので ご注意ください。

必要工具

電動リューター用 ビット5本

こちらはフロントATバンパー作成時は持っていれば尚良しぐらいの工具でしたが、今回の改造では必須級となります。

必須となるビットは細めの円筒形ビットとなります。


他のビットは今回の改造では必須ではありませんが、他の改造で活躍するケースも多々あるので持っていない方はこれを機に購入するのもありかと思います。

小さめの棒ヤスリ

基本的に今回の加工はリューターで事足りますが、一部 角ばった形に加工するところがあり そこでは棒ヤスリが必要となり、更にその棒ヤスリも小さめのものが必要となります。

使用する棒ヤスリは特に指定はありませんが上記のやすりセットであれば100円ショップで購入可能で、他の改造でも度々使用する機会があるのでおすすめです。

事前準備

今回のATスライドダンパーの作成にあたり事前にフロントATバンパーのベースを作成しておく必要があり、以下の構成まで組み立てできるよう各パーツの加工が終わっている状態である必要があります。

各パーツの加工についてはフロントATバンパー作成方法 解説の記事内の「シャーシの加工」「リヤブレーキステーの加工」「カーボンマルチ強化プレートの加工」項目の中で解説しているので、まだこれらの加工が完了していない方は上記のリンクを参照し加工を終わらせておいてください。

これらが完成している前提で解説していきます。

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バンパーの加工

ここではATスライドダンパーのバンパー部分の加工方法について、カーボンマルチワイドリヤステー(以下 カーボンマルチステー)をメインで使用した場合の加工方法を解説していきます。


フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを使用する場合は一部の加工手順を省略することが可能です。

カーボンマルチステーをスライドダンパーとして使用するためにフロントワイドスライドダンパーセットに付属しているアルミプレート(以下 スライドアルミプレート)の以下の箇所を参考にしていきます。


バンパーのスライドする箇所をスライドレール、スプリングを設置する箇所をスプリングスペースと名称で以後 解説を進めて行きます。

そして、このバンパー加工の項目ではカーボンマルチステーを上画像のスライドアルミプレートに近い形するための加工方法を、各箇所ごとに解説していきます。

既存ビス穴の拡張

ここではカーボンマルチステーにスライド機能を持たせるために既存ビス穴を拡張してスライドレールスプリングスペースを作っていきます。

フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを使用する場合は既存ビス穴の拡張作業は不要となります。

スライドアルミプレートを既存ビス穴の拡張用の型枠として使用するので、まずはカーボンマルチステースライドアルミプレートビスナットを使って結合させます。


ステー同士のズレを防ぐため できればビスで4箇所以上固定することを推奨します。

ステーの結合が完了したら以下の加工作業を実施していきますが、最初からカーボンマルチステー2枚(もしくはカーボンマルチステー1枚FRPマルチワイドリヤステー1枚)を結合させても構いません。

ただ個人的に既存ビス穴の拡張作業は1枚ずつ実施することを推奨します。

と言いますのも、2枚重ねた方がまとめて削れるので作業時間も短くできるのですが、既存ビス穴の拡張は削りすぎてしまうとスライドダンパーのガタつきの原因となるので出来れば失敗は避けたく 1枚ずつ分けて加工すれば1枚を削り過ぎてしまっても もう1枚の方で削り過ぎをカバーすることができることから別々に加工した方がリスク回避ができます。

このことから加工の腕に自信があるのであれば2枚重ねての作業で問題ありませんが、初めてATスライドダンパーを作成する場合は大事を取って1枚ずつ作業した方が良いかと思います。

スライドレールの作成

バンパーをスライドさせるためのスライドレールを作っていきます。

カーボンマルチステーのスライドレールに該当する箇所に既存ビス穴があるので、これを拡張してスライドレールを作っていきます。

ビス穴拡張にはリューターの電動リューター用 ビット5本に含まれる細めの円筒形ビットを使用します。

このビットの直径がビスとほぼほぼ同じ直径で ビス穴にフィットするので、スライドレール上にある既存ビス穴にリュータービットを入れ スライドアルミプレートの形に添って削っていきます。

スライドアルミプレートもリューターで削れてしまう

スライドアルミプレートを型枠としてカーボンマルチステーを削っていきますが、スライドアルミプレート自体もリューターで削れてしまうので油断していると型枠のレールごと削ってしまいレールの幅以上に穴が拡張して スライドダンパーのガタの原因になってしまうので極力リュータービットをスライドアルミプレートに当てないよう意識していきましょう。

ちなみにリューターでアルミプレートを削っても特に甲高い異音が出るわけでなく、音はほとんど変わらず削った感触が気持ち少しだけ違う程度で 削っているかどうか気づきにくいので注意してください。

削りすぎるとステーの強度が落ちる

スライドレールの外側をスライドアルミプレートとまったく同じところまで削ってしまうとカーボンマルチステーの強度が落ちてしまうので以下の画像のように強度が落ちない程度のところで止めておきたく、表面ばかり見ているとカーボンマルチステーの削れ具合に気付かないので ある程度削ったら裏面を確認しながら慎重に削るようにしましょう。

尚、内側の方はスライドアルミプレートに合わせて削っても強度にはほぼ影響しませんが、外側の加工具合と連動し削りすぎても意味がないため、外側に合わせた程度に削っていきます。

カーボンマルチステーの強度を保てる程度に既存ビス穴を拡張したらスライドレールの作成は完了です。

スプリングスペースの作成

バンパーのスライド動作を調整するためのスプリングスペースを作っていきます。

こちらもスライドレールの作成と同様に細めの円筒形ビットで既存ビス穴を拡張していきます。

スプリングスペースは比較的広めのスペースとなり、細めの円筒形ビットだけで削ると時間がかかるので、ある程度削って穴が大きくなったら直径が太めの円筒形ビットに交換して削ると作業が早くなります。

そしてギリギリの所まで削ったら、もう一度細めの円筒形ビットに交換して出来る限り角の部分を削っていきます。

上の画像はリューターで削れるところまで削った状態ですが、まだ角に丸みがありこのままではスプリングが綺麗に入らないので、小さめの棒ヤスリで四隅を削けずり 角ばった状態にしていきます。

あとはスプリングを入れてみて綺麗に収まればスプリングスペースの作成が完了となります。

FRPマルチワイドリヤステーの加工

ここではカーボンマルチステー干渉箇所カットの解説の前にFRPマルチワイドリヤステー(以下 FRPマルチステー)の加工について解説していきます。

FRPマルチステーはバンパーの2枚目として使用可能で、カーボンマルチステーを2枚用意するのが厳しいという場合はこのパーツで代用していきます。

加工方法についてはカーボンマルチステーと同じように、まずはスライドアルミプレートと結合させますが、FRPマルチステーカーボンマルチステーと形が若干異なることから スプリングスペースの箇所にリューターの円筒形ビットを通せるスペースがありません。

そこで穴拡張作業をやり易くするために、ステー結合前にスプリングスペース箇所をリューターで適当に削って、リュータービットを通せるスペースを作っておきましょう

リュータービットを通せるスペースを作ったら、スライドアルミプレートと結合させ 後はカーボンマルチステー既存ビス穴の拡張と同様の方法でリューター棒ヤスリを使用してスライドレールとスプリングスペースを作っていきます。

上の画像は加工後のFRPマルチステーとなりますが、スライドレール部分がかなりステーギリギリのところまで削って強度の心配があったり、スプリングスペースの上部がなかったりと これ単体ではスライドダンパーとして使用できませんが、カーボンマルチステーと組み合わせることでそれらの問題は解消されるので この形状で問題ありません。

干渉箇所のカット

既存ビス穴の拡張が完了したらATスライドダンパー支柱・シャーシ・タイヤと干渉する箇所を削っていきます。

干渉箇所カットについては、ステー2枚を結合させた状態での作業がおすすめで、ステー同士の結合方法についてはフロントATバンパー作り方の記事の「ステーの補強」のところで詳しく解説しているのでそちらをご参照ください。

ここではカーボンマルチステーFRPマルチステーを結合させた状態での加工方法を解説していきます。

そして干渉箇所カットの前に どのくらい削るべきかを確認できるようにするために実際にATスライドダンパーを取り付けるシャーシを用意して、フロント部分にブレーキステーカーボンマルチ強化プレート周りの各パーツを取り付けておきます。

ここでのシャーシ側の構成は加工具合を確認できれば良いので、カーボンマルチ強化プレートには長めのステー結合用ビスを通してナットで固定しておきます。

それでは次から順を追って干渉箇所カットの方法を解説していきます。

フェーズ1

フェーズ1ではカーボンマルチステーの突起している不要箇所をカットしていきます。

上部のカットについてはもう少し下の方までカットした方が見た目がスッキリするんですが、バンパーの強度をそれなりに確保したいことと 上の箇所を少し残してもATスライドダンパー支柱と干渉しないことからカットする位置を少し上の方にしています。

カットに関してはリューターのダイヤモンドカッターを使用します。

これでフェーズ1の加工は完了です。

フェーズ2

フェーズ2ではバンパー支柱・タイヤ・シャーシと干渉する箇所を削っていきます。

バンパー上部の加工については未加工のままでも取り付けることは可能ですが、そのままだとバンパーがダウンスラストに傾いた際にバンパー支柱と干渉してしまうので削る必要があります。

バンパー下部の加工についてはタイヤ径とシャーシタイプによって加工具合が異なり、VZシャーシ用のバンパーは全体的に後ろ(リヤ)寄りなのでそれなりに削る必要があるのに対して、MA・MSシャーシ用のバンパーはVZシャーシ用のものと比較するとやや前(フロント)寄りなのであまり削る必要はありません。

上部・下部ともにどのくらい削ってよいか分からない場合はバンパーをシャーシにセットして干渉箇所を確認していきましょう。

そして削る作業にはリューターの円筒形ビットを使用し、最初は太めの円筒形ビットを使い ある程度削れてきたら細目の円筒形ビットで微調整すると良いです。

また、加工時の注意点としてバンパーがスライド(左右に移動)した場合の干渉具合も想定して削っていきます。

以下の画像が干渉箇所カットを実施する前と実施した後となります。

今回はどのシャーシ(VZ・MA・MS)にも適用できるよう 全体的に深く削りましたが、どのシャーシかに絞ればここまで削る必要もありません。

スライドの可動域確認

干渉箇所のカットが完了したら、仮組みしたフロント部分にバンパーを取り付けます。

この状態でバンパーを左右に動かして、どのくらい可動するか・スムーズにバンパーが移動するか を確認していきます。

上記の加工状態だと内側のスライドレールの削れ具合が足りないため 可動域が若干狭くなっているので、もう少し可動域を広げるためにスライドレールの内側の部分をリューターで削っていきます。

ただし可動域が広いことが正解ではないので、削るべきか迷った場合は一旦スライドレールの加工は保留でも構いません。

削ったら再度可動域を確認して問題なければバンパー部分の加工は完了となります。

上蓋の加工

ここではATスライドダンパーのバンパーの上に載せる上蓋の加工について解説していきます。

干渉箇所のカット

上蓋はバンパーと同じようにATスライドダンパー支柱・タイヤ・シャーシと干渉する箇所をカットしていきますが、どこを削るというよりも以下の箇所さえ残して強度をある程度保てる形であれば自由にカットしてもらって構いません。

加工に使用する工具も特にこれでなくては駄目ということもなくニッパーでざっくりカットしてヤスリで整えるのもありですし、バンパー部分同様にリューターを使って削っていく方法もありです。

加工方法の一例としてリューターを使用する場合の方法を簡単に説明しますが、上蓋上部についてはごっそり削って構わないので、まずは上部の枠に沿ってダイヤモンドカッターで切り落とします。


この切り取った端材は後に利用できるので捨てないで保管しておきましょう。

あとは円筒型ビットでATスライドダンパー支柱に干渉しないところまで削っていきます。

下部についても上部と同じ加工方法で問題ありませんが、ビス穴の箇所でスラスト角調整をおこなう場合はビス穴付近の箇所は切り落とさずに残しておきます。

上蓋以外の方法でスラスト角を調整する場合は下部のビス穴周りは不要となるのでカットしてしまっても構いません。

スライド可動域の拡張

上蓋の干渉箇所のカットが終わったら、スライドダンパーの可動域を拡張するために上蓋裏面のビス穴周りの出っ張りをカットしていきます。


フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを使用する場合は一旦ここの加工は保留しておくことを推奨します。

出っ張りはニッパーで切り落として、わずかな出っ張りが残っているようであれば紙ヤスリ等でビス穴周りを平らにしていきます。

尚、ここでのスライド可動域の拡張については 必ずしも可動域を広げることが良いというわけではないので、スライド可動域は狭いままで良いということであればこのスライド可動域の拡張作業は不要です。
(可動域を広げた場合でも後から可動域を狭くすることは可能です)

スプリングスペースの底上げ

上蓋をこのまま取り付けるとスプリングスペースに若干の空スペースができるので、その空スペースを埋めるためにスプリングスペースの底上げをしていきます。


フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを使用する場合は上蓋の底上げは不要となります。

バンパー部分を1.5mmステー2枚(厚さ3mm)の構成とした場合、上蓋をそのまま取り付けると空スペースが1mm程できるので上画像のスプリングスペース箇所の奥に厚さ1mm程の端材を取り付け底上げをするわけですが、わざわざ底上げしなくてもスプリングは設置でき 普通に可動してくれるので必須作業ではありません。

ただし、若干ではありますが厚さ1mm程底上げした方がバンパー部分にスプリングが力が伝わりやすくなり、特にスライドした後の元の状態に戻る動作がスムーズになるので、多少手間ではありますがやっておきたい作業でもあります。

底上げに使う端材は厚さ1mm程のものであれば何でもいいんですが、個人的にはミニ四駆キャッチャーの端材がおすすめで、必要になる面積も非常に小さいので ミニ四駆キャッチャーの端のわずかな部分を切り取りするだけでOKです。

他に使える素材としては先程の上蓋の側面カットの際にリューターで綺麗にカットしていればそれを使うことも可能です。

これもミニ四駆キャッチャーと同様に厚さ1mmと底上げ素材に適しています。
ただ、切り取った後の状態が少し湾曲になっているので貼り付ける前に真っすぐの状態にしておくことをおすすめします。

底上げのために必要なサイズは横7mm・縦3mm未満(3mmだと微妙に大きいため)となり、少しでもサイズが大きくなると上蓋の底にうまく入らないので このサイズよりも若干小さめでも構いません。

端材のカットにはニッパーを使うと意外と簡単に切り取ることができます。

底上げの端材を用意したら、スプリングスペースの底に接着剤で貼り付けてスプリングスペースの底上げは完了となります。

仕上げ

ここではATスライドダンパーの組み立てから各可動の調整をして、ATスラインドダンパー作成を仕上げていきます。

パーツの結合

これまで加工してきたバンパー上蓋 そして加工済みのカーボンマルチ強化プレートの以下の箇所をビス・大ワッシャー・ロックナットで結合していきます。

カーボンマルチ強化プレートの加工方法についてはフロントATバンパー作り方解説記事の「カーボンマルチ強化プレートの加工」の項目をご参照ください。

まずはカーボンマルチ強化プレートの上にバンパーを乗せ ビスを通し、バンパーのスプリングスペースにスプリングを設置します。


フロント提灯を取り付けることを想定して長めのビスを使っていますが、フロント提灯を取り付ける予定がなければビスはもっと短くても構いません。

この上に上蓋をかぶせ スプリングがしっかり上蓋のスプリングスペースに収まっていることと確認し、ビスの所に大ワッシャーを取り付けます。

後はロックナットで固定していきますが、上のパーツ結合の状態からロックナットで固定しようとすると片手にプラスドライバー 反対の手にボックスドライバーを持って作業することになりますが、その際に上蓋がずれてスプリングが外れてしまうということがあります。

そうなってしまう場合はマルチテープ等で一時的にバンパー全体を固定しておけば作業中にスプリングが取れるということもありませんので、ロックナット固定作業中に他のパーツが分解してしまうという方は以下の画像のようにバンパー全体を固定してみてください。

ビス・ロックナットでバンパー全体を固定できたらパーツ結合は完了となります。

    

ロックナットを締めすぎない

ロックナットをきつく締めすぎるとバンパーが完全に固定されてスライド可動しなくなります。

ただし、緩くなると今度は逆にバンパー結合が不安定になりバンパー自体ガタついてしまうので、バンパーの各パーツがしっかり固定されつつもバンパーがスムーズにスライドするようにロックナットを締めていきましょう。

スラスト角の調整

最後の工程の組み立ての前に上蓋を使用してスラスト角を調整する方法を解説していきます。


※上蓋を使わず別の方法でスラスト角を調整する場合はこの項目は読み飛ばして構いません。

スラスト角の調整には以下の画像の上蓋のビス穴箇所を使用します。

この箇所にビス・ワッシャー・スペーサーで高さを調整してナットで固定してきます。

一例として上の画像ではトラスビス(8mm)・小ワッシャー3枚・ナットを使用しています。

そしてこのビスを取り付けた箇所が丁度シャーシと接触し、それによりバンパーがダウンスラストになりスラスト角がつくようになります。

使用するワッシャーやスペーサーの幅についてはシャーシによってビスの当たる位置が異なるので、仮にスラスト角を5°にしようとした場合でもシャーシごとに適切なワッシャー・スペーサーが変わってきます。

上記方法でスラスト角を調整する際の注意点として 下の画像のようにスペーサー・ワッシャーがバンパーと接触してしまうとスライド動作がスムーズにいかず 最悪スライドしなくなってしまいます。

この場合はバンパー側を削ってビス・スペーサーが接触しないようにしましょう。

また、上蓋のビス穴箇所を使った別のスラスト角調整方法として、ビス・スペーサーなどを取り付けなくてもシャーシ側で高さを盛ることでもスラスト角の調整が可能です。

上蓋を使わないスラスト角調整方法ついてはフロントATバンパー作り方解説記事の「スラスト角の調整」の項目をご参照ください。

シャーシへの取り付け

最後に結合させたATスライドダンパーをシャーシにセットしていきます。

シャーシへの取り付けはフロントATバンパーと同じ方法となるため、取り付け方法の詳細についてはフロントATバンパー作り方解説記事の「組み立て」の項目をご参照ください。

ATスライドダンパーをシャーシに取り付けたら、あとはお好みのローラーを取り付け、バンパー部分に引っ掛かり防止対策加工を施してATスライドダンパーの完成となります。

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可動の調整

ATスライドダンパーが完成したら、壁などにマシンを押し当てスライドダンパーを可動させ、適切な硬さ・適切な可動範囲であるかを確認してきます。

また、フェンスに乗り上げた際のいなし機能もしっかりと機能するかを確認していきます。


いなし機能の調整方法についてはATスライドダンパーのベースとしているフロントATバンパーに依存してくるので、フロントATバンパー作成記事をご参照ください。

ここではスライドダンパーの硬さ・可動範囲の調整方法を解説していきます。

硬さの調整

スライドの硬さの調整については大きく分けて「ロックナット」「スプリング」「グリス」の3つがありそれぞれの調整方法を以下に解説していきます。

・ロックナットでの調整

バンパーの各パーツを結合しているロックナットの締め具合でスライドの硬さを調整することができます。

ただし上記のロックナットの箇所での硬さ調整は非常にシビアであり、少しロックナットを締めただけでスライドしなくなったり、逆に少し緩めただけでATスライドダンパー自体がガタつくようになったりするので注意してください。

とりあえずはATスライドダンパーがガタつかず、スムーズにスライドする程度にロックナットを締めておき、他の硬さ調整方法で対応した方が手っ取り早いです。

・スプリングで調整

バンパーの中央部分に設置するスプリングを変えることでスライドの硬さを調整することができます。

スプリングは以下のように 色で硬さが異なり、これらを使い分けることで硬さを調整していきます。

スライドダンパーセットには最も柔らかい黒スプリングと二番目に硬い銀スプリングが付属しているので、スライド可動を柔らかめにしたいなら黒スプリング・硬めにしたないなら銀スプリングと使い分けて、更に微調整したいということであればスライドダンパー2スプリングセットを別途購入してスプリングを交換していきます。

・グリスで調整

グリスに関してはスライドの硬さを調整するというよりもスライド可動をスムーズにさせる効果があります。

グリスを塗る箇所について以下となります。

一見すると複雑そうに見えますが要するにバンパー中心部分にあたるカーボンマルチステーがスライドする際に表面・裏面の接触する箇所にグリスを塗ればいいわけで、全パーツに塗る必要もなくカーボンマルチステーの両面だけに塗るか 上蓋の裏面とカーボンマルチ強化ステーの表面に塗るかでOKです。

塗る量も少量で構わないので、最初はほんのわずかに塗ってみて それでもスライド可動がスムーズにいかないようであればもう少し追加で塗ってみるかたちで良いかと思います。

可動範囲の調整

スライドの可動範囲の調整については、スペーサーを使うことにより最大可動域を制限することができます。

スペーサーをスプリングの中に入れることにより可動範囲を狭めることができるようになります。

上の画像では6mmスペーサーを使用していますが、このスペーサーの幅が長い程 可動域を狭くすることができます。

ただし、今回作成したバンパーの可動範囲だと 6mmスペーサの一段階小さい3mmでは可動範囲を狭くするすることはできず6mm前後ぐらいの幅のスペーサでないと可動範囲が変わることがなく、逆にスペーサーが大きすぎるとスプリングスペース自体に収まらないため無加工のスペーサーで使用できるサイズが限られてきます。

より細かくスライド可動域を調整したい場合はスペーサーを削って長さを短くしたり、3mmと1.5mmを接着剤で止めて4.5mmスペーサーを作るなどして対応していきましょう。

スラスト抜け対策について

ATスライドダンパーが壁に衝突した際、マシンのスピードやスライドダンパーの硬さによってはスライドする動作と同時にスラスト抜けが発生することがあります。

スラスト抜け対策がまったくされていないと、スライドダンパーが機能するまえにスラスト抜けが起きコースアウトなんてことも起こりうりますし、対策することでのデメリットも特にないので、よりスライドダンパーの機能を発揮させるためにもスラスト抜け対策もやっておきたいところでもあります。

スラスト抜け対策方法詳細については以下の[スラスト抜け対策方法]記事内で解説しており、今回のATスライドダンパーの構成では「つっかえ棒を付ける」「スプリングの圧力を均等にする」などがおすすめなので余裕があればこれらの対策も実施して頂ければと思います。

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最後に

今回はATスライドダンパーの作成方法を解説しましたが、今回の作成で最もネックとなったのがバンパー部分のパーツ選定でした。

私自身は幸いにもフロントワイドスライドダンパー用カーボンステーを所持していたので、それを活用してATスライドダンパーを作っていたのですが、いざ他の方に加工方法を紹介するとなると肝心のフロントワイドスライドダンパー用カーボンステーが現在では入手困難なパーツになってしまっているということに気付きました。

そこでフロントワイドスライドダンパー用カーボンステーがなくても 比較的入手しやすいパーツ構成で作れるATスライドダンパーを模索した結果、今回解説した作成方法に至った次第です。

フロントワイドスライドダンパー用カーボンステーが購入できなくて、自作スライドダンパーの作成を諦めていたという方は本記事を参考に作って頂けると幸いです。

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