今回はミニ四駆用の電圧チェッカー・放電器の作り方・使い方を紹介していきます。
単3電池の電圧確認・電圧調整ができる装置で、使用済みのパーツを流用し安価で作ることが可能です。
電圧チェッカー・放電器について
ここでは電圧チェッカー・放電器に関する基本的な情報を紹介していきます。
※すぐに電圧チェッカー・放電器の作成に取り掛かりたい方は次の『必要アイテム』へお進みください。
電圧チェッカー・放電器とは
電圧チェッカーとは一般的に各バッテリーの電圧(V)を計測する機器となり、今回は「単3電池 2本」の電圧を測ることに特化した機器となります。
この「単3電池 2本」というのがポイントであり、単3電池 3本はもとより 単3電池 1本でも計測することはできません。
測定条件が限られてしまいますが、逆を言うと「単3電池 2本」の電圧を計測するには最適の機器とも言えます。
そして、もう一つの放電器とは、各バッテリーの電圧を故意的に下げる(減らす)機器であり、今回は「単3電池 2本」の電圧をまとめて減らすことに特化した機器となります。
尚、本記事で紹介する放電器については、単3電池の電圧を下げるだけでなく 電圧チェッカーの電圧を測る機能も有しています。
このことから、本記事で紹介する放電器は電圧チェッカーの上位互換機器とも言えます。
電圧チェッカー・放電器が必要な理由
まず、初めにミニ四駆走行における基本的な話からしていきますが、ミニ四駆の主な動力源は電池とモーターとなり、これらがマシン速度に影響する度合いは非常に高いと言えます。
今回は電圧チェッカー・放電器と関連性が高い電池に焦点を当てて解説していきますが、基本的に電池の電圧が高い程 ミニ四駆の速度は増していきます。
要するにミニ四駆を速く走らせたいのであれば電圧(電圧値)が高い電池を使用すれば良いわけです。
そして、電圧チェッカーなどの電圧値が計測できる機器があれば電圧を可視化でき 電池の電圧値が高いかどうかを確認できるようになります。
ただ、ミニ四駆は必ずしも電池の電圧が高ければいいというものでもなく、コースレイアウトによっては電池の電圧を抑えて走行させた方が良い場合もあります。
そうしたケースに活躍するのが電圧チェッカーであり、電圧値を知ることで電圧値に応じた速度域も把握することができます。
更に放電器を使用することで電圧値を下げ 意図的に各コースに適した速度域を実現させることが可能となります。
また、電圧値が分かるということは、自分が使用している充電器でどのくらいの電圧値の電池が作れているかも分かり、電池育成方法の見直しや充電器自体の選別にも役立ちます。
電池の育成方法や充電器についての説明は本記事では割愛しますが、これらはある意味 電圧確認よりも重要な要素なので一緒に知っておきたいところです。
尚、おすすめの充電器は以下の記事にて紹介しているので、単3電池用の充電器を探している方はこちらを参考にしてみてください。
電圧チェッカー・放電器は自分で作れる
各種サイトでも電圧チェッカー・放電器は販売されていますが、実は自作することが可能です。
今回紹介する電圧チェッカー・放電器はミニ四駆で使用したパーツも再利用可能となっています。
他に電圧計などの いくつかの新規購入が必要なパーツや専用工具が必要になりますが、いずれも安く買えるものなので さほど費用もかかりません。
そして作成自体も特に難しくはなく、普段からミニ四駆の改造をしているのであれば電圧チェッカーの作成は非常に簡単だと感じれるかと。
放電器は電圧チェッカーに比べてやや作成難易度が上がるものの、ミニ四駆の改造をやっている方であれば さほど苦戦しないと思われます。
既製品を買った方が早いとは思われますが、物を作る楽しみを味わうという意味で これを機に自作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
必要アイテム
ここでは電圧チェッカー・放電器 作成に必要となるパーツ・工具等の各アイテムを紹介していきます。
まず、必要となるアイテム一覧は以下となります。
次から上記各アイテムを個別に詳しく紹介していきます。
MSシャーシ
センターシャーシ・ギヤカバー(モーターカーバー)・ON OFFスイッチの3種が必要となります。
センターシャーシについてはMSフレキ加工したもので構いません、というか むしろMSフレキ加工した状態の方が都合が良いとも言えます。
このことから、使い古したMSフレキシャーシを今回紹介する電圧チェッカー・放電器として再利用することが可能です。
尚、MSフレキの作り方については以下の記事にて詳しく解説しているので、よろしければこちらもご参照ください。
ターミナル
MSシャーシ用のターミナルが必要となります。
ターミナルはマシンキットに付属している銅ターミナルと グレードアップパーツのゴールドターミナルの2種類存在しますが どちらでも構いません。
一般的にゴールドターミナルの方が劣化しにくいので、できるだけ長期間 電圧チェッカーを使いたい場合はゴールドターミナルがおすすめです。
電圧計
電池の電圧値の計測・表示のためのもので 電圧チェッカーにおけるメイン装置とも言えます。
必ずしも上記のものである必要はありませんが、最低条件として検出電圧が2.5-3.0Vで表示は0.01V単位である必要があります。
また、上記製品はLEDの色が赤・青・緑の3種類ありますが、色はお好みで構いません。
尚、今回使用する電圧計のサイズは以下となります。
このサイズと同じ製品であれば、本記事で紹介するやり方で電圧チェッカー・放電器を作成することが可能です。
FRPマルチ補強プレート
電圧計をギヤカバーに固定するために使用します。
他のステー・プレートを加工しても代用可能なので、作成コストを削減したいのであれば余っているパーツを使用しても構いません。
ただ、FRPマルチ補強プレートが最も手っ取り早く加工できる上に、新規で購入が必要だとしても安く手に入るので、これがベストパーツとも言えます。
尚、1本のFRPマルチ補強プレートから電圧チェッカー2個分の材料が生成できます。
ビス・スペーサー・ナット
先程紹介したマルチプレートに電圧計を固定するために使用します。
特別、追加で購入する必要はなく手持ちの余りパーツの流用で問題ありません。
尚、具体的に必要となる各パーツは「8mmビスx2」「1.5mmスペーサーx2」「ナットx2」となります。
電線・リード線
放電器を作成するために必要となります。
電圧チェッカーのみの作成であれば必要ありません。
絶縁テープ
意図せぬ電線の接触を防ぐためのもので、電線のショートを防ぐアイテムとなります。
これは配線が複雑となる放電器で必要となり、配線がシンプルな電圧チェッカーには基本的に必要ありません。
電線のショートが発生すると非常に危険なため、放電器を作成する上では必須アイテムとなるわけですが、実はセロハンテープでも代用可能です。
ちなみにミニ四駆で同じのマルチテープ(タミヤテープ)では基本的に絶縁効果がないので、該当するテープがないからといってマルチテープを使用することは控えてください。
ロッカースイッチ
放電器を作成するために必要となります。
電圧チェッカーのみで良いという場合はロッカースイッチは不要です。
スイッチは主に自動復帰型(モーメンタリ動作)と保持型(オルタネイト動作)の2種類があり、今回紹介するロッカースイッチは保持型(オルタネイト動作)のタイプとなります。
このスイッチを選んだのは 使い勝手が良い保持型スイッチであることもそうですが、放電器のベース素材となるMSシャーシとサイズ的に適合するという理由があります。
LED
放電器を作成するために必要となります。
電圧チェッカーのみで良いという場合 LEDは不要です。
必ずしも上記と同じ製品である必要はなく、LED部分の直径が3mmのものであればOKです。
はんだごて一式
各装置を接続するための必須工具となります。
ちなみに最高温度が低いものだとはんだを溶かすのに時間がかかり作業効率が悪くなるので、安いからといって最高温度が低いはんだごてはおすすめしません。
個人的には最高温度500℃以上のはんだごてを推奨します。
ちなみに私は上記で紹介した最高温度515℃のものを使用しています。
また、はんだごてだけでなく以下のようなはんだも必要となります。
更には以下のようなはんだこて台も必要です。
はんだこて台は「はんだごての固定」と「はんだごて先端の汚れを除去する」役割があり、こちらも必須級のアイテムとなります。
はんだこての先端は高熱を帯びており、はんだこて台なしだと非常に危険なので必ず用意するようにしてください。
ついでを言うと、はんだ付け作業の作業台としてはんだ用の作業マットもあった方が良いのですが、これについては後述する『作業のコツ・注意点』にて紹介していきます。
接着剤
各パーツの固定に使用し、電圧チェッカー・放電器いずれの作成にも必要となります。
個人的におすすめな接着剤は以下のものとなります。
この接着剤は今回の作業に限らずミニ四駆加工全般で活躍するので、持っていない方はこれを機に使用することをおすすめします。
ただ、今回の作業に関して言えば上記のような速乾性がある瞬間接着剤である必要はなく固定力が強いタイプのものであればなんでも構いません。
ちなみに今回の作業では上記の接着剤を使用していきます。
その他 工具
クラフトのこ・ニッパー・ドリルなど各種工具が必要となります。
これらの工具はいずれもミニ四駆加工をする上で必須級となることから、ここでの紹介は省略し 各作業で個別にピックアップしていきます。
唯一 ミニ四駆加工では使用頻度が少ない工具を取り上げると、放電器を作成する場合は3mmドリル刃が必要となります。
3mmドリル刃は100円ショップで購入可能ですし、タミヤから販売されている以下のベーシックドリル刃セットにも3mmドリル刃が付属しています。
配線図
ここでは電圧チェッカー・放電器の各装置(各パーツ)を繋ぐ配線図を紹介していきます。
基本的には配線図を知らずとも後述する作り方だけ見れば作成できるので、配線図を把握することは必須ではありません。
しかし、配線図を理解しておければシャーシ形状や装置(スイッチ・LED)が異なろうが応用できるので、知っておくに越したことはありません。
特に各装置の接続が分からなくなった場合はここで紹介する配線図を見返して頂ければと思います。
電圧チェッカーの配線図
電圧チェッカーの配線図は以下となります。
この配線図で抑えるポイントとしては、電池の+(プラス)側と電圧計の+(プラス)側を接続し、電池の-(マイナス)側と電圧計の-(マイナス)側を接続することです。
実際には電池と電圧計の間にターミナルが入ってくるので実物を作成する際はもう少し複雑な構造になりますが、基本的にこの構造を覚えておけば配線で間違えることもありません。
尚、この配線図は根本的な部分では次に紹介する放電器と同じとなるので、放電器を作成するという方も この電圧チェッカーの配線図を覚えておいてください。
放電器の配線図
放電器の配線図は以下となります。
先程紹介した電圧チェッカーの配線図に比べ やや複雑にはなりますが、電池の+(プラス)側には電圧計・LEDの+(プラス)側を接続するという根幹的な部分は同じです。
こちらも電圧チェッカーの配線図と同様に 実際はターミナルが入ってくるので実物はもう少し複雑な構造になりますが、この配線図をしっかりと把握しておければ各装置の接続を間違えることはありません。
詳しい接続方法については後述しますが、放電器の配線についてはくれぐれもプラスとマイナスの配置・接続を間違えないようご注意ください。
作業のコツ・注意点
ここでは電圧チェッカー・放電器を作る作業の中で注意すべき点や作業のコツについて解説していきます。
はんだの取り扱いには要注意
電圧チェッカー・放電器いずれの作成にもはんだの取り扱いが必要となります。
はんだの先端は非常に高熱であることから、小さな子供が使う場合はひとりでの使用は控え 必ず大人が付き添って作業するようお願いします。
それとはんだ付けをする場合は、はんだ用の作業マットも必要となります。
もし、作業マットを用意できないという場合は、代用品として以下のような木の板でも構いません。
こちらは100円ショップで購入することが可能で、はんだ用の作業マットに比べると使い勝手は劣りますが、はんだを垂らして多少焦げることはあるものの溶けることはないので作業台として利用可能です。
尚、詳しいはんだごての詳しい使い方については本記事では説明しないので、はじめてはんだ付けをする方は他の動画サイトなどで使い方をご確認ください。
1つだけはんだ付けのコツを紹介させてもらうと、はんだ付け作業では片手にはんだごて・片手にはんだという具合に常に両手を使用します。
このため、はんだ付けしたいパーツは自身に手では抑えて固定することができないため、以下の画像のようにマルチテープ等を使用して しっかりと固定して作業するようにしてください。
上画像のように各パーツを固定しておけば、あとは繋げたいところにはんだを添えてはんだごてをあてれば簡単にはんだ付けすることができます。
はんだ付けは特殊な工具でもあり、普段使用することがなかなかないものでもあるので、使用時は細心の注意を払って作業するようにしましょう。
ショートには要注意
まず、ここでいうショートとは、本来意図していなかった配線回路となり大電流が発生してしまう現象を示します。
このショートが発生した場合、電池の温度が急上昇して 最悪シャーシが溶けてしまうことがあります。
ショートを起こさないためにも本記事では 配線に関する詳細情報をお伝えしますが、それでも絶対にショートが起きないとも言えません。
仮にショートが起きると、電池が異様に熱くなり 素手で触れると火傷することもあります。
これらのことから、電圧チェッカー・放電器に電池をセットする際はタオルを用意してください。
もし電池をセットして正常に起動せず 異臭を感じたら、タオルを使って電池を取り外してください。
正常に起動しなかったり・異臭がした場合は、絶対に素手で直接電池に触れてしまわないようご注意ください。
電線のカット方法
まず、電線の構造から簡単に説明しますが、電線は電気を通す導体の周りに絶縁体であるビニール被覆が被さっています。
そして、電圧チェッカー・放電器 作成にあたって電線の長さ調整をするために電線をカットする場面があります。
普通にカットすると以下のような状態になります。
このままの状態だと、電気を伝える導体が隠れたままなので電線としての役割が果たせません
電線として使用するためにはビニール被覆だけを剥がす必要があり、その加工におすすめなのがニッパーなります。
まず、ニッパーを閉じ切らない程度の軽い力で電線を掴んでいきます。
この状態を維持しながら、もう片方の手で電線をねじり ゆっくり回して電線表面に切れ目を入れていきます。
もしくは、「閉じ切らない程度の軽い力で電線表面だけを切る
一旦ニッパーを開く 電線を少し回す 再びニッパーで まだ切っていない電線表面を切る 一旦ニッパーを開く」を繰り返す方法でもOKです。電線表面の周りに切れ目ができたら、あとは両指でビニール被覆を引っ張ります。
ビニール被覆だけうまくカットができていれば、以下のように中の導体だけ出た状態になります。
この作業は最初は苦戦するかもしれませんが、慣れれば短時間で簡単にできるようになるので、まずは 使用しない電線で練習してみてください。
作り方【電圧チェッカー】
ここでは電圧チェッカーの作成方法を解説していきます。
(放電器を作成したい場合は後述する『作り方【放電器】』へ お進みください)
マルチプレートの加工
ここでは電圧計設置に必要となるオプションパーツとしてマルチプレートを加工していきます。
※この作業は電圧チェッカー・放電器いずれも必要となります。
まずはマルチプレートをクラフトのこやリューターなどを使用して2分割します。
この分割したマルチプレートは電圧計固定のために使用するわけですが、このままの状態だと固定するためのビス穴が足りないので ビス穴を追加します。
追加ビス穴を開けるために、まずはマルチプレートの以下の穴を使って電圧計を取り付けていきます。
上の矢印で示した穴と電圧計片方の穴(どちらでもOK)を鍋ビス(8mm)・スペーサー(1.5mm)・ナットを使って 以下の画像のように固定していきます。
※電圧計の向きはどちらで構いませんが、電圧計と固定するビス穴は必ず以下の穴を使用してください。
マルチプレートと電圧計の固定が完了したら、もう片方の電圧計の穴をガイドにして2mmドリル刃を使ってマルチプレートに追加ビス穴をあけていきます。
ただ、上記の状態での穴あけ作業は非常にやりづらいので、一旦ドリル刃を少し回転させて中心部分に小さい溝を作ります。
正確な位置に溝を作るためのコツとして、両指で電圧計とプレートをしっかりと押さえつけてドリル刃を回していきます。
マルチプレートに小さな溝ができたら、プレートから電圧計を取り外します。
あとはマルチプレート単体の状態で、先程作った小さな溝をガイドにして2mmドリル刃で追加ビス穴をあけていきます。
追加ビス穴ができたらマルチプレート加工作業は完了となります。
尚、ビス穴をあけるコツなどについては以下の記事にて詳しく解説しているので、穴あけに苦戦している方はこちらをご参照ください。
センターシャーシの加工
ここでは電圧チェッカーのベースとなるセンターシャーシ(MSシャーシ)を加工していきます。
電圧チェッカーとして使用する場合のセンターシャーシの加工は 以下の箇所をカットしていきます。
尚、上画像では地面に対して垂直に切断するよう促していますが、加工精度が悪くても電圧チェッカーの質には影響ないので切断箇所がズレたり切断面が粗くても問題ありません。
尚、カット方法のコツなど より詳細が知りたい方は別記事[MSフレキ 作り方 作成編]の『シャーシの切断』項目をご参照ください。
カットが完了し、以下のような形状にしたら作業完了となります。
尚、これ以降の作業は必須ではないのでお好みで構いませんが、私は底の部分をさらにカットして以下の状態にしました。
元々MSシャーシは底に穴があいているので この加工をせずとも特別不便ではないんですが、私はより簡単に電池を取り外しやすくするために この加工を施しました。
もし、私と同じように底をカットする場合はカットしすぎには注意してください。
底を全部カットしてしまうと電池の+-向きが分からなくなってしまうので、私の場合は+-の表記の部分を残して 更に+-の部分を油性マジックでなぞって電池セットの向きを分かりやすくしています。
この辺の加工については、「電池の取り外しやすさ」と「電池セットの向きの分かりやすさ」の2つが保てればOKなので ご自分に適した加工具合でOKです。
尚、シャーシの底のカット方法については以下の記事の『軽量化(肉抜き)のやり方』にて解説しているので、よろしければこちらもご参照ください。
実のところ、電圧チェッカーの機能のみで良いのであればセンターシャーシは無加工でも問題ありません。
上記の加工をする理由は よりコンパクトにするためであって、家の中でしか使わず保管スペースにも余裕があるということであれば そのままの状態でも良いかと。
ギヤカバーの加工
ここでは電圧計を設置するためにギヤカバーの各所を加工していきます。
尚、今回は以下の電圧計を設置することを前提に加工していきますので、電圧計のサイズが異なる場合は加工具合が異なってきますのでご注意ください。
最終的に、以下の画像のようにギヤカバーに電圧計を通せる隙間を作っていきます。
上画像の形にするために、まずは以下の画像の〇部分をニッパーでカットしていきます。
横の箇所については根本部分からカットしていきます。
ここから更に電圧計の出っ張り箇所に対応するよう 追加で加工していきます。
上記電圧計の出っ張り箇所を考慮して、以下の画像の白枠部分を削っていきます。
この部分の加工についてはギヤカバーを裏返し、裏から見て 窪んでいる箇所を削るようにすればOKです。
削る目安が分かったら棒ヤスリ等を使って削っていきます。
ヤスリがけのついでに、より綺麗な見た目にしたいのであれば 最初にカットした枠の上下部分のバリも削っておきましょう。
最後にギヤカバーに電圧計が通せることを確認して ギヤカバー加工作業が完了となります。
はんだ付け・配線
ここでは電圧計とターミナルをはんだで接続し 電圧チェッカーの配線を繋いでいきます。
作業内容を説明する前に、シャーシの向きや位置関係について把握していた方がスムーズにできるので これらの呼び方だけ 先に決めておこうと思います。
以下の画像のように、センターシャーシのON OFFスイッチに近い方をスイッチ側・その反対側をスイッチ側じゃない方という呼び方で解説していくので、この位置関係・名称を覚えておいてください。
ここで解説する作業については シャーシではなく シャーシに設置するターミナルの加工となりますが、そのターミナルがどっち側のものかを判別しやすくするために上記の呼び方・位置関係を覚えておいてください。
まず、電圧計の電線がデフォルトの状態だと少々長いので適切な長さにカットしていきます。
電線のカットは必須ではありませんが、電線が長すぎると後の作業が少々やりづらくなるので 短くすることを推奨します。
電圧計の電線の長さについては、だいたい6cm前後がおすすめです。
必ずしも上記の長さにする必要はないので、これよりも長かったり短かったりしても構いません。
ただし、短すぎると終盤の作業で融通が利かなくなるので ご注意ください。
電圧計の電線の長さが調整できたら、以下の画像のように「電圧計の電線」と「スイッチ側じゃない方のターミナル」をはんだ付けしていきます。
それぞれの電線・ターミナルの接続は決まっていて、プラス(+)を赤線・マイナス(-)を黒線に接続させます。
ターミナルがプラスかマイナスの判断方法は、小さな穴があるかどうかで見分けていきます。
上画像の青矢印で示した部分に穴があいているのがマイナスで、そうでない方がプラスとなります。
もし、ターミナルのプラス・マイナスが分からなくなったら 実際にシャーシにセットして シャーシに記載されている+-を参照してください。
くれぐれもターミナルと電線の接続だけは お間違わないように!
それと、はんだ付けで注意する点として 電線はそれぞれのターミナルの内側に寄せてください。
以下の画像は赤線側のはんだ付けの例となります。
赤線が内側(右側)に寄っている状態が推奨で、逆に外側(左側)に寄っている状態は非推奨となります。
では、なぜ内側にする必要があるかについてですが、それはシャーシの構造です。
MSシャーシのターミナル設置箇所付近には、以下の画像の黄色矢印で示した出っ張りが存在します。
この出っ張りにより、ターミナルの外側に電線を繋いでしまうと電線とシャーシの出っ張りが干渉するので、電線は内側に繋ぐようにします。
ただ、シャーシ側の出っ張りをニッパー等でカットすれば 電線の位置を気にする必要はなくなるので、もし電線を外側に繋いでしまった場合は シャーシ側を加工しても構いません。
ちなみに軽量センターシャーシの場合は上記のような出っ張りはありません。
このため、軽量センターシャーシを使用する場合は、電線を外側に繋いでも問題ありません。
ここで紹介したはんだ付け作業の前に、後述する『電圧計とプレートの結合』を先に実施しておくことをおすすめします。
これは個人的な所感となってしまいますが、ターミナルをはんだ付けしてからの 電圧計とプレートの結合はかなりやりづらいと感じました。
あくまで私の所感なので、人によっては はんだ付けしてからプレート結合した方がやり易いということもあるかもしれません。
いずれにせよ『はんだ付け』と後述する『電圧計とプレートの結合』の実施順序は決まっていないので、先に両方の作業内容を読んでから 自分がやり易いと思う順番を選択して頂ければと思います。
組み立て
ここでは、これまで加工してきた各パーツを組み合わせて電圧チェッカーを完成させる手順を解説していきます。
電圧チェッカーの組み立て手順は以下となります。
次から上記組み立て作業を個別で解説していきますが、その前にシャーシの向きや位置関係を把握しやすくするために シャーシの呼び方を再度 説明しておきます。
以下の画像のように、センターシャーシのON OFFスイッチに近い方をスイッチ側・その反対側をスイッチ側じゃない方という呼び方で解説していくので、この位置関係・名称を覚えておいてください。
電圧計とプレートの結合
「電圧計」と「加工(カット)したプレート」を以下のビス穴間で固定していきます。
固定には、ビス(8mm)・スペーサー(1.5mm)・ロックナットを使い、各パーツの配置は以下となります。
尚、1.5mmスペーサーがない場合は3mmスペーサーでも構いません。
(3mmスペーサーを使用する場合、ビスは10mmが推奨です)
固定が完了すると以下のような状態になります。
※電圧計の向きは上下逆でも構いません。
※電圧計の上下の向きで完成後の電圧チェッカーの数値表示向きも決まるので、表示される数字の向きを決めている場合は 事前に電圧計の向きを考えて固定してください。
どちらの向きになるかは後述する『ギヤカバーと電圧計の結合』も関係するので、向きを決めている方は『ギヤカバーと電圧計の結合』を確認した上で電圧計の向きを調整してください。
(数値表示の向きにこだわりがなければ、電圧計固定の向きは意識する必要はありません)
基本的に電圧チェッカー組み立てが完成した後は各パーツの分解はできず、ここで取り付けた各パーツは この作業以降 触れることはできません。
このことから、通常ナットを使用し ナットが緩んだ場合は締め直しができないので、緩みにくロックナットがおすすめです。
ただ、ナットが緩む程の衝撃がかかる箇所でもないので、できる限り安く作成したいということであれば通常ナットを使用しても構いません。
ターミナル(スイッチ側)&スイッチの取り付け
ここでは、スイッチ側のターミナルの取り付け及びスイッチの取り付けをしていきます。
ここでの作業を実施するにあたって事前に 以下のMSシャーシ用モーターカバー(スイッチ側)を用意します。
これは必須ではありませんが、あると作業が非常に楽になるので用意することをおすすめします。
そして、スイッチ側のターミナル及びスイッチの取り付け手順は以下となります。
スイッチ側のターミナル2個をシャーシに取り付けます。
シャーシの裏から見たときに、しっかりとシャーシに固定されていることを確認します。
シャーシのスイッチ設置箇所に接着剤を付けます。
※使用する接着剤は、固定力が強いものであれば「速乾タイプ」でも「固まるのに時間がかかるタイプ」のどちらでも構いません。
接着剤の付与箇所については、通常シャーシであれば以下の円形の溝部分がおすすめです。
※瞬間接着剤を使用する場合はできる限り早くこの作業を完了させてください。
電源スイッチをOFFの状態で シャーシに取り付けます。
※瞬間接着剤を使用した場合はできる限り早くこの作業を完了させてください。
スイッチ側のモーターカバーを仮設置します。
モーターカバーを設置することで、スイッチを正しい位置で固定したまま接着しやすくなります。
※瞬間接着剤を使用した場合はできる限り早くこの作業を完了させてください。
電源スイッチをONにします。
この時、接着剤が以下の画像のように はみ出してモーターカバーに付いてしまった場合は、一旦モーターカバーを取り外して接着剤を拭き取りましょう。
完全に接着剤が乾いたら モーターカバーを取り外します。
これでスイッチ側のターミナル及びスイッチの取り付け(固定)は完了となります。
ギヤカバーと電圧計の結合
ここでは「加工したギヤカバー」と「『電圧計とプレートの結合』で作ったプレートが付いた電圧計」を結合させていきます。
まず、それぞれのパーツを結合した状態が以下となります。
この状態にするためにまずギヤカバー裏面の以下の箇所に接着剤を付けていきます。
あとは「プレートが付いた電圧計」をギヤカバーの裏面から取り付けるわけですが、ここで注意して欲しいのはプレートの接着する向きです。
プレートを以下の向きでギヤカバーに取り付けた場合、プレートの両端とギヤカバーに充分な接着面積があるため しっかりプレートを固定できます。
一方、上記とは逆向きでプレートを取り付けた場合、片側の接着面積がやや小さくなり プレートの固定力がやや落ちてしまいます。
このことから、最初に紹介したプレートの向き(前者のプレートの向き)での接着を推奨します。
ただ、後者のプレートの向きが駄目かというとそうでもなく、強力な接着力を持つ接着剤であれば プレートがどちらの向きになっても問題ないと思われます。
そもそも、電圧チェッカーに特別強い衝撃が加わるわけではないので、プレートの向きが適切でなくても 後から剥がれるということはまずないと思われます。
より長く電圧チェッカーを使いたいという人は、無難に前者のプレートの向きをおすすめします。
そして、最終的にプレートの向きが決まったら、接着剤でプレートとギヤカバーを取り付け、後は表側から電圧計の向きを最終調整してギヤカバーと電圧計の結合が完了となります。
ターミナル取付&ギヤカバーの装着
組み立ての最終工程として、「スイッチ側じゃない方のターミナル」と「ギヤカバー」をシャーシに取り付けていきます。
まず、スイッチ側じゃない方のターミナル2個をシャーシに取り付けます。
この際、シャーシの裏から見て、しっかりとシャーシに固定されていることを確認します。
もし、ターミナル金具がシャーシにはまっていない場合は、以下の画像のようにラジオペンチを使うことでしっかりと固定することができます。
ターミナルの取り付けが完了したら、ギヤカバーをスイッチ側からシャーシに取り付けます。
以下の画像のようにギヤカバーがシャーシに収まっているのを確認します。
次に反対側(スイッチ側じゃない方)のギヤカバーを以下の画像のように、上から押しこみ シャーシにはめていきます。
ギヤカバーをシャーシにはめこんだら、最後に電圧計の保護フィルムを剥がしていきます。
ついでに、通常シャーシであれば裏面にスイッチの出っ張りがあるので、ニッパーでカットしていきます。
これで電圧チェッカーの完成となります。
作り方【放電器】
ここでは放電器の作成方法を解説していきます。
放電器を作成する場合でもベースとなる部分の作業は電圧チェッカーと共通しており、作業内容が共通している箇所については その都度 電圧チェッカー側のリンクを紹介していきます。
マルチプレートの加工
尚、この作業は電圧チェッカー・放電器いずれも必要となります。
まずはマルチプレートをクラフトのこやリューターなどを使用して2分割します。
詳しい作成方法については『電圧チェッカーのマルチプレートの加工』をご参照ください。
センターシャーシの加工
放電器用のセンターシャーシにするためには、まず電圧チェッカー用の『センターシャーシの加工』を済ませ 以下の状態にしておきます。
そして、上画像の状態からスイッチ側じゃない方の以下の箇所を加工します。
この箇所はロッカースイッチの設置スペースを作るためであり、加工前後の状態が以下となります。
この箇所の加工については、まずニッパーでざっくり切り落としてから、棒ヤスリで削るのが良いかと思われます。
ヤスリがけは非常にやりづらい箇所であるわけですが、以下の画像のように斜めにヤスリをあてるとやり易くなります。
この削り方だと底の部分に削り残しが出ますが、これはこれで問題ありません。
また、ニッパーでカットする際に以下の画像のような穴があいてしまうことがありますが、ロッカースイッチの設置ができさえすれば良いので 穴があいても構いません。
一通り削り終えたら、以下の画像のようにロッカースイッチがセンターシャーシに収まるかを確認します。
ロッカースイッチをはめこむのが多少窮屈でもシャーシに収まればOKです。
ちなみにロッカースイッチの上下は、以下の画像のように端子が下寄りになる向きでシャーシにセットしてください。
ロッカースイッチ設置の確認ができたらセンターシャーシの加工は完了となります。
ギヤカバーの加工
放電器用のギヤカバーにするためには、まず電圧チェッカー用の『ギヤカバーの加工』を済ませ 以下の状態にしておきます。
そして、上画像の状態から 放電器用に以下の加工を施します。
・スイッチ側に直径3mmの穴をあける
・スイッチ側じゃない方の先端部分をカットする
まず、スイッチ側の直径3mmの穴の加工について、こちらはLEDを通すために必要となり、最終的に以下の画像のようにLEDの頭がすっぽりと通ればOKです。
このLED用の穴あけ作業については3mmドリル刃を使いますが、裏面から穴をあけるのがおすすめです。
裏面は湾曲した溝になっているので、その溝の一番深いところにドリル刃をあてれば楽に穴をあけることができます。
できるだけ正確な位置に穴をあけたい場合は、以下の画像のように 事前に油性マジックで目印を書いておくと より作業がやり易くなります。
尚、穴の位置は真ん中から多少ずれても問題ありませんが、端に寄りすぎるとLEDが通しづらくなるので注意してください。
穴をあけ終えたら、LEDを通して先端部分がギヤカバーから出れば穴あけ作業完了です。
続いて、スイッチ側じゃない方の先端部分のカットについて、こちらはロッカースイッチを設置するために必要となり、最終的に以下の画像の状態にしていきます。
この形状にするために、まずニッパーでざっくり切り落としてから、棒ヤスリで少しずつ削るやり方がおすすめです。
どのくらいカットするかは、センターシャーシにロッカースイッチを仮で設置して、そのロッカースイッチに干渉しないよう調整します。
それとできればセンターシャーシにあらかじめロッカースイッチを設置した状態から、ギヤカバーを取り付けられるよう加工するのが望ましいです。
これは組み立て作業の際に、ロッカースイッチを設置&完全固定した後にギヤカバーを設置した方が作業がやり易くためです。
このことからロッカースイッチに干渉しないギリギリの位置ではなく、そこから先に気持ち少しだけ削っておくことをおすすめします。
そしてスイッチ側じゃない方のカットが完了したら、ギヤカバーの完成となります。
はんだ付け・配線
ここでは各パーツをはんだで接続し、放電器の配線を繋いでいきます。
特にここでの配線における各パーツの位置関係については十分注意してください。
配線・パーツ配置を間違えてしまうと 電池をセットした際にショートをおこし 最悪 電池の液もれ・破裂といったことが発生しうるので より慎重に作業するようにしてください。
事前準備
はんだ付けを開始する前に以下の3つの準備をしておきます。
- 電線を5本用意
- 電圧計の電線をカット
- LEDの金具の加工
まず「電線を5本用意」について、こちらは計5本の電線を用意するわけですが、長さの内訳は約5cmの長めのものが1本、約3.5cmの短めのものが4本となります。
長めの電線については、これよりも長さが短くなってしまうとLEDの取り付けができなくなる可能性があるので、最低でも5cmの長さはキープしておきたいところです。
短めの電線については、短すぎると融通が利かなくなり 長すぎると組み立てが煩雑になるという 長さ調整に難しいところで約3.5cmが正解とも言い切れない部分もあります。
実際に上記寸法で放電器を作成してみて、短めの電線は もう少し短くても(3cmぐらい)良かったかと思っています。
次に「電圧計の電線をカット」について、こちらは電圧計のデフォルトの電線では少々長すぎるのでカットする必要があり3cm前後が推奨です。
ただ、電圧計の電線は多少長い方がはんだ付け作業はやり易くなるので、はんだ付け作業が苦手な方は電線の長さを5cmぐらいにしても構いません。
もし、5cmでは長すぎると感じたのであれば 後にカットすれば良いだけなので、後から修正することも可能です。
最後に「LEDの金具の加工」について、こちらはLEDの金具がデフォルトの状態では長すぎるので加工(曲げる&カット)の必要があります。
まず、LEDのプラス・マイナスから説明していきます。
LEDを各装置と接続する上でLED自身のプラス・マイナスを見分ける必要があり、今回使用する砲弾型LEDでは端子(金具)が長い方がアノード(+)・短い方がカソード(-)となります。
上の状態であれば どちらがプラスかマイナスか一目瞭然ですが、金具を加工してしまうと見分けが付かなくなってしまいます。
そこで、LED金具を加工する前にどちらかに油性マジック等で以下のような印を付けておきます。
今回はプラス端子側に黒い印をつけており、こうすれば金具を加工しても すぐにプラス・マイナスの判別ができるようになります。
印を付け終えたら、以下のようにラジオペンチ等で金具を直角に曲げます。
曲げる位置は左右均等で、LEDの根本部分から0.5cmちょっとの直線を残した形で曲げるのがおすすめです。
そして、ここから更に横に伸びている金具をカットしていくのですが、どのくらいカットするかは他のパーツの加工具合によって変わるので、まずはここまでの加工でOKです。
ちなみに金具カット後は以下のような状態となります。
※LEDの最終加工(金具カット)については後述する『はんだ付けフェーズ1』にて解説していきます。
配線図
放電器の配線は電圧チェッカーに比べ複雑になるため、事前に配線図を把握しておくことが必須となります。
放電器の配線については すでに『配線図』にて紹介していますが、ここでは 補足説明を加えた配線図を紹介していきます。
青色の線は電線を示しており、①~⑤の番号を振っていますが、これは前述した『事前準備』の5本の電線のことで①が長めの電線で②~⑤が短めの電線となります。
この配線図でポイントとなるのが電圧計・LEDの+(プラス)・-(マイナス)の配置であり、これらの向きは絶対に間違わないようにしてください。
基本的に電池の+(プラス)は各装置の+(プラス)が接続するよう、電池の-(マイナス)は各装置の-(マイナス)が接続するよう意識すればOKです。
ちなみにスイッチ(ロッカースイッチ)については+-の概念がないため 考え方としては電線と同じ扱いであり、以下の配線図のようにLEDとスイッチの位置は入れ替わってもOKです。
作業内容
ここで紹介する手順はあくまで私がおすすめする手順であり、必ずしも 同じ手順である必要はなく最終的に前述した配線図と同じ形になればOKです。
はんだ付け手順は3フェーズに分けて解説していきます。
・はんだ付け フェーズ1
フェーズ1では以下の配線図の黄色枠内のパーツをはんだ付けしていきます。
最初にロッカースイッチへのはんだ付けを行いますが、ロッカースイッチは以下の画像の向き・部位名称で作業をおこなっていきます。
まず、ロッカースイッチの下段端子に長めの電線をはんだ付けします。
この時の注意点として、端子(金具)の上側にはんだ付けするようにしてください。
というのも、後にロッカースイッチをセンターシャーシにセットした際、下段端子の下側はシャーシに干渉してしまうからです。
このため、下段端子のはんだ付けはシャーシと干渉しない上側にするようにしてください。
下段端子に電線を繋いだら、次に電線の先にLEDの+(プラス)側端子をはんだ付けします。
ここでのポイントはLEDは上の画像のように立てた状態ではんだ付けすることです。
ただし、上のはんだ付けをする前に以下の方法で電線・LED端子の長さを確認してください。
まず、ギヤカバーに端子を曲げたLEDを以下の向きで仮設置します。
更にマルチテープ等を使ってLEDを固定していきます。
LEDを固定したらギヤカバーをセンターシャーシに仮設置していきます。
ギヤカバーはLED側だけ一時的に装着し、反対側にはロッカースイッチを仮固定していきます。
上の状態ができたら、ロッカースイッチに繋いだ電線がLED端子と接続できる長さを満たしているかを確認します。
軽量センターシャーシであれば 裏面のスイッチ設置箇所の隙間から確認することが可能です。
通常シャーシだとスイッチ設置箇所の隙間が小さいので、側面から覗いて確認していきます。
電線の長さはピッタリでなくとも多少長くても問題ありませんが、短かすぎた場合はNGとなるので今よりも少し長めの電線を用意してはんだ付けし直していきます。
また、LED端子のプラス側もデフォルトのままだと長すぎるので少しカットしていきます。
そして、これらの確認作業を経て、最終的なLEDの形状は以下となります。
結果的にプラス側がマイナス側よりも少し長めの形となっています。
マイナス側の端子についてはデフォルトの状態だとギヤカバーからはみ出してしまうので、電線の長さ関係なしにカットする必要があります。
・はんだ付け フェーズ2
フェーズ2では以下の配線図の黄色矢印で示した箇所をはんだ付けしていきます。
まずはんだ付け作業をおこなう事前準備として、以下の画像のようにギヤカバーに電圧計を固定していきます。
このギヤカバーと電圧計の結合作業は後からでも構いませんが、現段階で実施しておいた方が後の作業がやり易くなるので先に結合させておくことをおすすめします。
尚、電圧計の結合方法は電圧チェッカーと同じやり方となるので、詳細方法は『電圧計とプレートの結合』と『ギヤカバーと電圧計の結合』をご参照ください。
次に、電圧チェッカー赤線と短めの電線2本をはんだ付け・電圧チェッカー黒線と短めの電線2本をはんだ付けします。
上の画像のように赤線と黒線それぞれから電線が2本枝分かれする形にします。
更にここから赤線に繋がっている電線③にターミナル+(プラス)をはんだ付け・黒線に繋がっている電線⑤にターミナル-(マイナス)をはんだ付けします。
上の画像では電線の③と⑤にターミナルを繋ぎましたが、②と④に接続してもOKで プラス側とマイナス側さえ正しければ どちらの電線に繋いでも構いません。
・はんだ付け フェーズ3
フェーズ3では以下の配線図の黄色矢印で示した箇所をはんだ付けしていきます。
赤線と繋がっている電線②をロッカースイッチ上段端子にはんだ付けします。
※すでに電線②をターミナル+に繋いでいる場合は、代わりに電線③をロッカースイッチ上段端子へはんだ付けします。
この段階でロッカースイッチの下段端子に絶縁テープを付けておくことをおすすめします。
※絶縁テープを付ける理由は後述します。
ロッカースイッチ上段端子に電線をはんだ付けしたら、ペンチ等で以下の画像のように上段端子を下側に曲げます。
これは、上段端子がそのままの状態だと 後にギヤカバーと干渉してしまうためで、上画像ぐらいまで曲げておけばOKです。
そして、最後のはんだ付け作業として、まだ未接続の黒線側の電線④とLED-(マイナス)側端子をはんだ付けします。
※すでに電線④を使用している場合は、代わりに電線⑤を使用します。
このはんだ付けのポイントは電線の繋ぐ向きで、電線はLED端子プラス側(シャーシの中央寄り)に向けて繋いでいきます。
この向きにする理由は、LED端子マイナス側の向きに電線を繋いでしまうと 組み立てた先にギヤカバーから電線がはみ出てしまうためです。
そして、フェーズ1~3までのすべてのはんだ付けが完了すると以下のような配線となります。
これではんだ付け・配線作業は完了となります。
これは絶対におこなって欲しいのですが、配線上にて金属部分が接触しそうな箇所には必ず絶縁テープを付けるようにしてください。
はんだ付けした直後の状態では金属部分が接触していないかもしれませんが、この後の組み立てで各パーツの密度が高まり同時に配線も密着する形となります。
その際に、もし金属部分同士が接触していると放電器を起動させた際にショートを起こし、最悪 電池の液もれ・破裂といったことが発生します。
こうした事故を起こさないためにも金属部分の接触には十分注意すべきで、個人的には以下の配線図の黄色い〇を付けた箇所が要注意です。
実際に以下の画像の白矢印の箇所に絶縁テープを付けています。
絶縁テープがないという場合はセロハンテープでも代用可能なので、上の箇所以外でも金属同士が触れ合いそうな箇所があれば必ず絶縁するようにしてください。
組み立て
ここでは、これまで加工してきた各パーツを組み合わせて放電器を完成させる手順を解説していきます。
放電器の組み立て手順は以下となります。
次から上記組み立て作業を個別で解説していきますが、その前にシ
ターミナル(スイッチ側)&スイッチの取り付け
まずはスイッチ側のターミナル及びスイッチをセンターシャーシに取り付けていきます。
具体的なやり方については『電圧チェッカーのターミナル(スイッチ側)&スイッチの取り付け』とまったく同様となるので そちらをご参照ください。
そして、スイッチ側のターミナル及びスイッチをセンターシャーシに取り付けた状態が以下となります。
こちらは軽量センターシャーシを使用しているということで、電圧チェッカーの時とは形状がやや異なりますが作業工程はまったく一緒です。
電圧チェッカーと同様にスイッチは接着剤を使いON状態に固定し、互いのターミナルは常に接触している状態とします。
ギヤカバー一式の装着
ここでは放電器 組み立ての仕上げ作業となります。
はんだ付け・配線が終了した段階でギヤカバーをはじめとする各パーツは以下のように結合した状態になっています。
この各パーツが結合した状態から、まずはターミナル2個をセンターシャーシに設置・固定します。
ターミナルの設置・固定が完了したら、LEDをギヤカバーのLED設置用穴に通して ギヤカバーのスイッチ側をセンターシャーシにセットします。
この時にロッカースイッチも仮設置で良いので 上の画像のようにセンターシャーシにセットしていきます。
同時に各電線もギヤカバーの下に収まるように調整して、電池設置箇所に はみ出してしまわないようにします。
このギヤカバー一式を取り付ける作業は配線がやや複雑なこともあり 放電器作成の中でも最も手間がかかるとも言えます。
もし、組み立てる中で パーツが所定の場所に届かない・設置できないということでしたら、該当するパーツに繋がっている電線をはんだ付けし直して設置しやすい向きに調整していきます。
そして、すべてのパーツがセンターシャーシに収まったら、ロッカースイッチとLEDを接着剤で完全固定していきます。
ロッカースイッチは、以下の画像のようにロッカースイッチを一旦 上にずらして センターシャーシの下の部分に接着剤を付けて固定します。
LEDはギヤカバーの裏面からLED周辺に接着剤を付けて固定します。
ロッカースイッチとLEDの固定が完了したら、ロッカースイッチ側のギヤカバーをセンターシャーシにはめ込みます。
ギヤカバーをシャーシにはめこんだら、最後に電圧計の保護フィルムを剥がしていきます。
ついでに、通常シャーシであれば裏面にスイッチの出っ張りがあるので、ニッパーでカットしていきます。
これで放電器の完成となります。
機器の取り扱い方法
ここでは完成後の電圧チェッカー・放電器の「動作確認方法」をはじめ「使い方」「正常に動作しない時の対処方法」などの各種取扱い方法を解説していきます。
動作確認
ここでは電圧チェッカー・放電器の動作確認方法を解説していきます。
まず、電圧チェッカーから解説してきますが、電圧チェッカーの動作確認方法は単3電池2本をセットするだけです。
はんだ付け・配線作業に問題がなければ、電圧計に電池の電圧値が表示されます。
※電圧計に電圧が表示されなかった場合の対処方法は後述します。
次に、放電器ですが、こちらは配線ミスなどがあった場合のショートによる電池の液もれ・破裂といった事象もありうるので手順を追って動作確認するようにしてください。
まずは、万が一のことを考慮して必ずタオルを用意しておいてください。
タオルを用意したら、ロッカースイッチがOFFになっていることを確認します。
このOFFの状態で単3電池2本をセットします。
はんだ付け・配線に問題がなければ電圧計に電池の電圧値が表示されます。
これで、1つ目の動作確認はクリアです。
もし、電圧が表示されない場合はタオル越しで電池に触れて 早めに電池を取り外して動作確認は一旦終了してください。
問題なく電圧計が表示された場合は、そのまま電池をセットした状態でロッカースイッチをONにします。
はんだ付け・配線に問題がなければ電圧計が表示されたままの状態でLEDが点灯すれば放電器の動作確認は完了となります。
もし、「ロッカースイッチをONにしてもLEDが点灯しない」「ONにしたら電圧計の表示が消えた」などの想定外の動作をした場合は、すぐにロッカースイッチをOFFにしてください。
使い方
ここでは電圧チェッカー・放電器の使用方法を解説していきます。
まず、電圧チェッカーについては、使用方法は至ってシンプルで、単3電池2本をセットするだけです。
電池を2本セットすれば電池の電圧値が表示され、確認が終わったら電池を取り外します。
次に、放電器は2通りの使い方があります。
1つ目の使い方は電圧値の確認で、この場合はロッカースイッチをOFFの状態で電池をセットします。
電圧チェッカーと同様に、電池を2本セットすれば電池の電圧値が表示され、確認が終わったら電池を取り外します。
もう1つの使い方は電圧値の故意的な低下で、この場合はロッカースイッチをONの状態で電池をセットします。
電池をセットすると電池の電圧値を下げると同時に現在の電圧値の確認もできます。
そして、自分が望む電圧値まで下がったら そのまま電池を外してもOKですし、一旦スイッチをOFFにしてから電池を外すのどちらでもOKです。
尚、ロッカースイッチのON・OFFの切り替えは電池をセットしたままの状態でも可能なので、まずはOFF状態で電池をセットして 表示された電圧値をもう少し下げたいのであれば そのままONにすれば放電できます。
今回紹介する放電器はLED点灯により電池の電圧を下げる機能を有していますが、実のところ電圧低下機能は微弱です。
0.01V下げるにしても数分かかったりするので、速攻で電圧を下げたいという場合は本放電器では力不足と言えます。
例えば大会会場で電圧を下げたいのであればモーターを搭載しているマシンに電池をセットして起動させた方が遥かに早いとも言えます。
ただ、本放電器の電圧低下機能が実用的でないかというとそうでもなく、マシン起動のように騒音を出さず 放置しておくだけでOKなので シーンによっては本放電器を使った方が最適とも言えます。
不具合時の対処法
ここでは動作確認にて正常に動作しなかった場合の対処方法を紹介していきます。
起こりうる不具合として以下の内容が予想されます。
- 電圧計が点灯しない
- 電圧計が点いたり消えたりする
- LEDが点灯しない
- 電池が異様に熱くなる
次から各不具合事象例の対処方法を解説していきます。
電圧計が点灯しない
これは電池をセットしたにも関わらず電圧計に電圧値が一切表示されない事象です。
これについては、まず電池を正しい向きでセットしているかを確認します。
また、今回使用している電圧計の検出電圧は2.5Vからとなっているので極端に消耗している電池をセットしても電圧値が表示されないことがあります。
ただ、実際のところ 2年以上放置していた電池をセットしても以下のように電圧値は表示されますし、2.5V以下でもしっかりと表示されます。
このことから よほど劣化が進んでいる電池でない限りは電圧値は表示されるかと。
そして、もし電池が原因でないと判明した場合は電圧チェッカー・放電器を解体し 内部を確認していきます。
※電圧チェッカー・放電器の解体方法は後述する『組み立て後の解体方法』にて詳しく解説しています。
機器を解体して調べる部分は主に「スイッチ側のターミナル同士が接触しているか」「各パーツがしっかり接続されてているか」「配線は正しいか」「電圧計に不具合がないか」です。
特に放電器の場合は配線が複雑になるため再度正しく配線されているかの確認は必須となります。
もし、これらを確認しても何も異常がないということですと、電圧計自体が正常に動作していないというケースが考えれます。
電圧計の故障の確率は非常に低いので これを疑うのは一番最後でいいのですが、他の異常が見つからなければ電圧計自体の動作確認をしましょう。
電圧計自体が正常に動作するかの確認は、以下の配線図のように電圧計の赤線・黒線を直接電池に接続します。
この確認方法の注意点として、今回使用している電圧計は単3電池1本分の電圧では電圧計自体が作動しないので電池は1本ではなく必ず電池2本を連結させた状態にしてください。
また、電圧計の不具合に関しては電圧計の根本の電線が断線しているというケースもあります。
電圧計の根本の電線は結構細く、何度も折り曲げていると知らぬうちに断線しているということもあり得ます。
もし、電圧計の根本の電線が断線していたのであれば、はんだごてとはんだを使って修復しましょう。
電圧計が点いたり消えたりする
これは電圧計の電圧値の表示が勝手に点いたり消えたりする事象です。
この事象は配線が複雑な放電器で起こりうることで、互いの配線の金属部分が意図せぬ箇所で接触している可能性があるので解体し内部を確認していきます。
※解体方法は後述する『組み立て後の解体方法』にて詳しく解説しています。
意図せぬ金属部分の接触は非常に危険であり最悪 電池の液もれ・破裂といったことが発生しうるので、互いの金属が干渉しそうな箇所には必ず絶縁テープを貼ってください。
スイッチをONにしてもLEDが点灯しない
これは放電器に限られた事象であり、電圧値は表示されるもののロッカースイッチをONしたにも関わらずLEDだけ点灯しないという現象です。
この事象は、LEDのプラスマイナスの向き・配置が原因で起こりうることであり、放電器を解体して内部を確認する必要があります。
※解体方法は後述する『組み立て後の解体方法』にて詳しく解説しています。
解体したら、LEDのプラスマイナスの向き・配置が以下のどちらかの配線図通りになっているかを今一度確認してください。
もし、解体した際にLEDのプラスとマイナスが分からないということであれば、LEDを取り外して 新しいLEDに+-の判別がつく印を付けてから接続し直してみましょう。
組み立て後の解体方法
ここでは、何かしらの不具合が生じ電圧チェッカー・放電器の配線周りを確認したい場合に、機器を解体する方法を解説していきます。
解体とはいってもギヤカバーを取り外すだけなので、さほど難しいことには思えませんが 通常のMSシャーシのギヤカバー取り外し方法は使えません。
というのも、電圧計をギヤカバーに固定する際にギヤカバーとマルチプレートを接着しているため ギヤカバーがしならず 普通のやり方は通用しません。
そこで、今回作成した電圧チェッカー・放電器のギヤカバーを取り外したい場合は、シャーシ裏面のスイッチ側じゃない方のギヤカバーのツメをプラスドライバーなどの先端が細い工具で押します。
片方ずつ押して片方ずつ取り外せば 難なくギヤカバーを取り外せます。
この方法でギヤカバーを取り外したら、あとは内部の配線や接続状況を確認して問題箇所を探してみてください。
実はこのギヤカバーの取り外し方は通常のMSシャーシでも使用できるわけですが、一つ致命的な欠点があります。
その欠点とはフロントユニットを取り外さないといけないことです。
上の画像を見てお分かりの通り、センターシャーシの裏面をむき出しにした状態にしないとギヤカバーのツメを押せないわけで、MSフレキ加工を施していたらフロントユニットを取り外すのが非常に面倒になります。
このことから、上記のギヤカバーの取り外し方は 特殊な状況のみで活躍する解体方法となります。
ちなみに通常のMSシャーシのギヤカバーを簡単に取り外す方法は以下の記事にて解説しているので、ミニ四駆マシンとしてのMSシャーシ分解に苦戦している方はこちらをご参照ください。
最後に
今回はミニ四駆用の電圧チェッカー・放電器の作り方・使い方を紹介してきました。
電池の電圧管理はミニ四駆をより上達させるためには重要な要素であり、中・上級者になってくると その重要性が増してきます。
その電圧管理を簡単にしてくれるのが電圧チェッカーであり、ミニ四駆 中・上級者に必須級のアイテムとも言えます。
そして、今回紹介した電圧チェッカー・放電器は使い古したパーツを流用することも可能となっており比較的安価で作成することができます。
既製品を買うという手段もありますが、せっかくなら物を作る楽しみを味わうという意味で これを機に自作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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