改造

MSフレキ 作り方 解説 – 作成編 –

今回はMSフレキの作成方法を解説します。

今回の改造コンセプトは入手しやすいパーツのみで且つ、MSフレキ専用の治具(じぐ)は使用せず基本的な工具のみで作成しており、MSフレキ作成において初心者がつまづくであろう点についても触れているので、これからMSフレキを作りたいと思っている方におすすめの内容となっています。

今回はMSフレキの具体的な作成方法を解説していきますが、作成に必要なパーツ・工具は以下の準備編にて紹介しています。

MSフレキ 作り方 解説 - 準備編 -今回はMSフレキの作成方法を解説します。 今回の改造コンセプトは入手しやすいパーツのみで且つ、MSフレキ専用の治具(じぐ)は使用せ...

各加工作業の目的について

改造・加工方法を解説する前に今回のMSフレキ作成において各加工作業の目的について説明しておきます。

「何の目的でこの箇所を加工している」と各工程ごとに理解していれば作業内容も頭に入りやすくなり、2回目以降のMSフレキ作成の際に加工作業がスムーズになり作業効率も上がり作業時間の短縮にもつながるので、初めてMSフレキ作成をする方は特に各加工作業がどういった目的で行っているかを理解してもらえたらと思います。

ということで今回のMSフレキ作成では基本的に以下のいずれかの目的で加工作業を行っていきます。

フレキ可動させるための加工

この加工をしないとフレキ可動できないので必須作業となります。
一部の加工を除き大雑把な作業で問題ないので基本的には加工難易度が低い作業となります。

フレキ可動をスムーズにするための加工

この加工もある意味 実行しないとフレキ可動ができないので必須作業ですが、出来次第ではスムーズになりすぎてシャーシ全体にガタが出てしまい駆動が不安定になったりしてしまうので、ある程度の加工精度が必要になり加工難易度が比較的に高い作業となります。

フレキ可動域(可動範囲)を調整するための加工

この加工でフレキの可動域が決まるわけですが、今回は追加するパーツ1つで可動域を決めていくので、どっちかというと可動域を調整できるようにするためとなり、それほど精度が必要になる作業でもないので基本的には大雑把な加工でも問題ない作業となっています。

以上が加工作業の目的となり、基本的には以上のいずれかの目的で加工作業を行っていきます。
(加工箇所によっては複数の目的を持つ作業もあり、一部の作業は上記目的に該当しないものもあります)

また各加工作業の際にどの目的で加工しているのかを補足説明してきます。

それでは次からMSフレキ作成の具体的な加工方法を解説していきます。

センターシャーシの加工


まずはセンターシャーシの加工方法を解説していきます。

シャーシの切断

まずはフレキ可動をさせるためにセンターシャーシのフロント側・リヤ側の両端を切断し、センターシャーシを3分割していきます。

最初の加工作業ではありますが、出来しだいでMSフレキの精度が変わってくる重要なところでもあるので細かく解説していきます。

センターシャーシはフロント・リヤ側の切断面が平行になるよう、真っすぐ切断し

地面に対して垂直に切断していきます。

上記の切断をする際はクラフトのこを使用します。

切断のコツとしてはセンターシャーシのギヤカバーをガイドとして のこ刃の側面をギヤカバーに当てながら切断していきます。

ただしギヤカバーが若干斜めに傾いているのでのこ刃を全体をギヤカバーに当てたまま切断すると少し斜めのカットになってしまいます。

斜めカットにならないようにするためには、一度のこ刃全体をギヤカバーにあてのこ刃を置く位置を決め、のこ刃の天井に近い部分をギヤカバーから少し離してのこ刃が垂直であることを確認して切断していきます。

クラフトのこで切断する際は「削る」というよりも「なぞる」感じでのこ刃を動かす

のこによって刃のギザギザが大きい物もあり、ギザギザが大きいのこだと力を入れて切断しようとすると刃先が動かしづらく、特に通常のMSシャーシだと凹凸があるために非常に刃が通しにくくなります。

クラフトのこでの切断のコツは、刃をシャーシに当て ほとんど力を入れず軽くのこを持って、削るというよりもなぞる感じでゆっくりとのこを上下に動かします。
このなぞる動作だけで徐々にシャーシも削れてきて、ある程度削れてきたら少し力を入れてもいいんですが終始 力を入れずひたすらのこ刃を上下にスライドするだけでもカットできます。

線やテープのガイドがあると真っすぐ切断しやすくなる

センターシャーシの切断作業はギヤカバーをガイドにして削りますが、それだけだと刃が斜めになってしまうことがあります。

そこで以下の方法でセンターシャーシに線やテープで目印を付け、切断する箇所を確認できるようにしておくと より真っすぐ切断しやすくなります。

シャーシにガイド線を引く方法

定規を用意して、ギヤカバーに定規を当て 定規が真っすぐになっていることを確認して、油性ペンで線を引きます。

線を引いたらそれをガイドにして切断していくんですが、ノーマルMSシャーシは凹凸があるので線を引くのが大変な上 線を引いても結構見づらかったりします…

なのでノーマルMSシャーシみたいに凹凸がある場合は、下の画像のように切断面の端と端だけマーキングしてそれを指標に切断した方がやり易いかと思います。

ただしペンを使っての方法だと黒シャーシの場合に黒色ペンだと線が見えなくなるので、白色などの線が分かりやすいペンを用意する必要があり、適切なペンがない場合は以下の別の方法で切断面のガイドを作ります。

シャーシにガイドテープを貼る方法

テープをガイドにする場合は、目視でそのままテープをセンターシャーシに貼って構いません。
ただ、それだとうまく貼ったつもりがテープが真っすぐではなかったということもあるので、目視でうまくテープを貼れない方は以下の方法を試してみてください。

マルチテープやマスキングテープなどの色付きのテープ(カットする長さは6cm以上推奨)と定規を用意して、以下の手順で定規にテープを貼り付けます。

定規にテープを貼り終えたら、定規をセンターシャーシのギヤカバーに合わせて、定規が真っすぐになるよう調整し、定規が真っすぐの状態で 定規をシャーシにくっつけ定規をしっかりおして、テープをシャーシに付けていきます。

そのまま定規を上に上げるとテープが剥がれる可能性があるので、下の画像のように定規を片方向にスライドさせて片方のテープを定規から剥がて、更に反対側に定規をスライドしてもう片方も定規から剥がします。

貼り終えた後は必ずテープが真っすぐになっていることを確認して、もし真っすぐでなければ、もう一度定規にテープを貼って再度挑戦しましょう。

あとはテープを目安にしてのこ刃を当てていくんですが、ギヤカバーをガイドにのこ刃を当てると丁度テープ側面の外側に刃がくるので、テープを切断せずにシャーシだけ切断する形になります。

センターシャーシの切断後

センターシャーシを切断すると削りカスが大量に出るので、工作シートの上にさらにキッチンペーパーなどの使い捨ての用紙を引いておくと後片付けが楽になります。

センターシャーシ切断が完了すると3つのパーツに分かれ、分断したセンターシャーシのフロント側・リヤ側はこれ以降ユニットカバーという名称で解説していきます。

分断後のセンターシャーシの加工

この項目ではシャーシ分断後のセンターシャーシの加工方法を解説していきます。

ギヤケース周りの加工

まずはフレキ可動の邪魔になるセンターシャーシ切断面の箇所をカットしていきます。


(フロント・リヤ側の両方をカットしていきます)

ここの加工は大雑把で構わないのでニッパーでカットしていきます。

切断面は粗くなっても問題ありませんので、一旦不要な部分を切り落とし次の工程に進んでいきます。

次は以下の状態にするまで加工していきます。
(加工作業は片側のみ解説しますが、フロント・リヤ側の両方を同じように加工していきます)



上の画像の状態にするまでの加工方法を一気に解説していきます。

尚、フレキ可動域を極力狭くしたいという方は、「可動域の調整方法」の「ギヤケースでの可動域の調整」の加工方法を実施した方が作業効率が良くなると思うのでそちらをご参照ください。

まずはギヤケース加工の第一段階として、フレキ可動させるためにギヤケースの以下の箇所をカットしていきます。


ここのカットはフレキ可動をさせるために実施するので大雑把な加工で問題ありませんが、できるだけ各所のカット箇所の見た目を統一させ綺麗に仕上げるということで以下の箇所をガイドにしてカットしていきます。

ここから各箇所を見やすくするためにシャーシをひっくり返して解説していきます。

おすすめのカット手順として ギヤケースの内側に出っ張りがあるので、それをニッパー切断時のガイドとして使用します。

ニッパーの刃先の部分をギヤケース内側の出っ張りに乗せたまま、反対側のニッパーの刃先で切断する高さを調整します。

ニッパーの位置が決まったらそのままカットします。

縦ラインをカットしたら、ギヤケース外側の出っ張りを目安にして横ラインもニッパーでカットしていきます。

これでギヤケース加工の第一段階が完了です。


この箇所以外のフロント・リア側の他3箇所も同じようにカットしていきます。

次にギヤケース加工の第二段階として、元々ある既存の出っ張りと今カットした箇所にできた出っ張りを削っていきます。

ニッパーでカットした箇所にできた出っ張りもそうですが、既存の出っ張りを削らないとフレキ可動ができず、削り方が甘いとフレキ可動がスムーズにいかないのでしっかりと削っていきましょう。

加工手段は様々ありますが一例として、最初はニッパーでカットできるところまで切り落とし、細かく残ったバリは棒ヤスリで削っていきます。

ニッパーで出っ張りがカットしづらければ代わりにデザインナイフで削るか、もしくは最初から棒ヤスリで削っても構いません。

出っ張りを取り除いたらギヤケースの加工は完了となります。

きちんと削れているかどうかはフロント(リヤ)ユニットの加工完了後にシャーシを仮組みして、この箇所が干渉していなければOKです。

既存の箇所は削らないようにする

ギヤケースの出っ張りを削る際の注意点として、以下の箇所を削ってしまうとMSフレキの精度に影響しガタつきの原因になってしまうので、くれぐれも削らないよう注意してください。

出っ張りをなくす加工で、上記の箇所だけをヤスリに当てずに削るというのは結構困難ですが以下の画像のようにヤスリをかける向きによっては削ってはいけない所を避けやすくなるのでご自分のやり易い方法で極力既存の箇所を削らないようにしましょう。


ただ、多少削れてしまう分には問題ないので、削ってしまったからといって駄目というわけでもありません。

逆に出っ張りの箇所については既存の箇所以上に削って多少くぼむぐらいでもガタつきにはほぼ影響しないので、出っ張りのところは思いっきり削っても大丈夫です。

四隅の加工

可動をスムーズにするために下の画像の黒い箇所を削っていきます。

削る箇所が分からいづらい場合は、先にフロント(リヤ)ユニットを加工してからセンターシャーシと重ねてみて どの部分が干渉しているか確認すると良いかもしれません。

この箇所はわずか0.5mm程カットすれば十分なので棒ヤスリで削るか、もしくは思い切ってニッパーでバッサリカットしても構いません。
(ここでの加工具合でガタつきに影響するということはないのでざっくり加工してしまって問題ありません)

ちなみにこの箇所はフロント(リヤ)ユニットの加工具合によっては、加工なしでもフレキ可動がスムーズにいくことがあるので、一旦ここの加工は保留にしてフロント(リヤ)ユニットを加工してからパーツを結合して加工が必要か不要か判断しても構いません。

ビス用の穴の拡張

センターシャーシにビスを通すため、既存の穴を2mmドリル刃で拡張していきます。

この箇所はセンターシャーシとフロント・リヤユニットを結合する際に互いのパーツが外れてしまわないための留め具が必要で、その留め具を固定するためにはビスが必要となり、そのビスを通しやすくするために穴を拡張していきます。

2mm刃ドリルを何度か通す

1回ドリルを貫通させただけでは穴の拡張が不十分のケースがあり、穴拡張してもビスが奥までスムーズにいかないということがありますので、ビスが貫通しやすくなるまでドリル刃を何度か当て、穴を拡張していきましょう。

※穴を拡張しすぎたからといって、フレキ精度には影響することはありません。

一度試しに長めのビスを通してみて奥まで通せればOKです。

これでセンターシャーシの加工は終了で、一部追加で実施した方が良い箇所もありますが、それらについては「可動をスムーズにする」で詳細を解説していきます。

ユニットカバーの加工


ユニットカバーはフロント・リヤ側の2つのパーツとなりますが、どちらも加工内容は同じなのでフロント側をピックアップして解説していきます。

不要箇所のカット

センターシャーシ切断の際に残った不要箇所をニッパーでカットします。

ここはカットするだけでOKです。

ギヤカバーの出っ張りをカット

ユニットカバーのギヤカバー

フレキ可動時に下画像の出っ張りが干渉するので、可動をスムーズにするために出っ張りをカットします。
ついでにシャーシ切断時にできたバリ(不要な出っ張り)もカットしていきます。


出っ張りとバリは同義語なので意味が一緒なんですが、本記事では元々ある出っ張りは出っ張りと呼び、加工途中で出来た出っ張りをバリと呼んでいきます。

加工方法については最初にニッパーデザインナイフで切れるところまで削って、板ヤスリ棒ヤスリで綺麗に整えていきましょう。

ギヤカバーとの干渉箇所の加工

先程加工した部分とは別に以下の箇所もフレキ可動時に干渉するので、可動をスムーズにするために削っていきます。

どのくらい削るかは最初のシャーシの切断の切れ具合によっても変わってくるので、ユニットカバーにフロント(リヤ)ユニットを取り付け、センターシャーシにギヤカバーを付けた状態で仮でシャーシを組んでどのくらい干渉しているかを確認してから削ると無駄なくできます。

ちなみに上記のユニットカバーの形であれば該当箇所を1mm程削るだけでOKですので、棒ヤスリで削っていけば

ギヤカバー側を加工してもOK

ギヤカバーと干渉するということで、ユニットカバーを加工しなくてもギヤカバー側を加工してフレキ可動をスムーズにすることができるのお好きな方の加工で問題ありません。

ただユニットカバー側を加工しておけば、基本的にギヤカバーは未加工でOKで、万が一ギヤカバーが壊れて交換する時もそのまますぐにギヤカバーが使えるので、個人的にはユニットカバー側を加工することを推奨します。

フロントユニット(N-02)の加工

続いてはフロントユニット(N-02と文字が入ったパーツ)の加工手順を解説していきます。

まずはフロントユニットの各部名称を記載しておきます。

今後はこの名称を使って解説していくので、どの場所を示しているか分からなくなったら上の画像を確認してください。

フロントユニットの加工についてはこれから解説する順番通りでなくても良いので、ご自分のやり易い所から加工しても構いません。

不要箇所のカット

フレキ可動及びフレキ可動をスムーズにするため、不要な箇所をカットしてきます。

ツメ・Tモールドのカット

フレキ可動させるためにツメTモールドニッパーでカットしていきます。

※Tモールドはフレキ可動した際にセンターシャーシ側のギヤが干渉してしまうのでカットします。

センターシャーシ接続穴の側面のカット

次に可動をスムーズにするためセンターシャーシ接続穴の側面ニッパーでカットしていきます。

ここのカットは元々ツメがあった位置の所まで切り落としてしまって問題ありません。

不要箇所カット後は以下の形となります。



ギヤボックス周辺の加工

ここではギヤボックス周辺センターシャーシ接続穴を加工してきます。

まず最初にこの項目での加工完了後の画像を載せておきます。




ここの加工については3段階に分けて解説していきますが、加工に慣れている方は以下のフェーズ1・2・3を見ずに上の画像を参考にして加工してしまっても問題ありません。

フェーズ1

まずはフレキ可動域を調整できるようにするため、ギヤボックスの高さに合わせて以下の画像の黒い箇所をカットしてきます。


カット作業はギヤボックスの位置を随時確認しながらでも構いませんが、油性ペンマルチテープで以下の画像のようにカットする目安を付けておくと作業がやり易くなります。

尚、私の場合は油性ペンで境界線を引いた後にカットする箇所に斜線を引いてカットする目印を付けました。
(この辺は各自 間違えずカットできる目安を付けていきましょう)

目印を付けたらニッパーでひたすら切り落としていきます。

クラフトのこの扱いになれている方であれば、以下の画像のようにフロントユニットの真横からカットする境界線めがけてのこ刃を入れ、ある程度削れたら今度は縦からのこ刃を入れ、削り取れなかった箇所はニッパーで切り落とす方法の方が早いかもしれません。

以下の画像の形まで削ってフェーズ1は完了です。

後ほど綺麗に整えていくので、まずはざっくり削った形で問題ありません。

カットする高さは多少削り過ぎても問題なし

上記加工作業は可動域を調整するために実施しますが、カットした部分の高さは可動域には直接関係しないので、誤ってギヤボックスよりも低い位置まで削ってしまっても問題ありません。

むしろ少しだけギヤボックスよりも低めに削っておいた方が後々楽になります。

尚、今回は樽バネの使用はありませんが、樽バネを使用するケースでは上記のカットする位置の高さで可動域を調整することもあるので、その場合は場合はギヤボックスの高さに合わせて加工していきましょう。

シャフトホールはしっかり残す

上記作業をする際にシャフトホールをカットしてしまうと、シャフト・タイヤ周りの耐久性が落ち駆動に影響してしまうことがあるので、シャフトホイールの周りはしっかりと残すようにしましょう。

特にのこ刃を使用する際は刃を入れすぎてシャフトホールまで削ってしまった… ということにならないよう要注意です。

ただし、多少シャフトホールが削れる分には問題ないので、少しぐらい削れてしまっても気にせず作業を続けていきましょう。

フェーズ2

フェーズ1のカットが完了したら、次にフレキ可動域を調整するためのパーツスペーサー・スプリングを置くためのスペースを作るため 以下の黒い箇所をカットしていきます。

加工作業については先程と同様にニッパーで簡単に削り取ることが可能です。

ここから更にスペーサー・スプリングを置くスペースを拡張するため、以下のセンターシャーシ接続穴の一部をカットします。

ここもニッパーを使ってカットしていきます。

この箇所のカットは具体的な目安はないので大体で構いませんが、カットする位置が分かりづらいという方は「スペーサーの設置」の所を見てからカット位置を決めてください。

穴をカットしない方法もある

上記の加工では穴の一部をカットしましたが、穴の側面を棒ヤスリで地道に削り 以下の画像のように穴の一部をごっそり削り取らなくてもスペーサー・スプリングを置くスペースを確保することができます。


穴全体を残しておくとフレキ可動の精度が良くなると思われがちですが、今回カットする穴の場所なら精度には影響してこず、穴の一部をごっそりカットした方がスプリングを置きやすくなるのでどちらかと言えば穴の一部を切り落とす方法を推奨します。

結論としてはお好みでいいと思います。

フェーズ3

フェーズ2までの加工が完了したら、スペーサーを置きやすくするために紙ヤスリ・棒ヤスリを使ってフェーズ2でカットした箇所をなるべく平らな状態にしていきます。

ここの加工は地味に手間がかかりますが、100均でも買える小さめの棒ヤスリがあると比較的楽になります。

ついでにセンターシャーシ接続穴も棒ヤスリで高さを調整しながら綺麗に整えていきます。

下の画像ではツボサンの棒ヤスリで二穴同時に削っていますが、このように同時に穴を削る際は くれぐれもヤスリの側面でシャーシホールを削ってしまわないよう注意しましょう。
※シャーシホールが多少削れるぐらいなら問題ありません。

ただし、上の削り方だと円の一部が削れないので、削れなかった箇所はニッパーで切り落としましょう。

また、比較的幅が狭い棒ヤスリであれば1穴ずつになりますが一度に穴全体を均等に削ることもできます。


上のヤスリも100均で購入することができます。

スペーサー設置箇所を平らにして、センターシャーシ接続穴の高さの調整が出来たら「ギヤボックス周辺の加工」は完了となります。



センターシャーシ接続穴の高さはスペーサーよりも低くする。

センターシャーシ接続穴の高さは、この後設置するスペーサーの高さよりも低くする必要があります。


今回は高さ3mmのスペーサーを使用するパターンで解説を進めていきますが、センターシャーシ接続穴の加工が終わったら一度3mmスペーサーを横に置いてみて3mmスペーサーの方が高くなっているかを確認し、もしセンターシャーシ接続穴の方が高い場合はヤスリ・ニッパー等で穴を削っていきましょう。

ただし、MSフレキの可動範囲をどのくらいの幅にしたいかによって、設置するスペーサーの高さも変わり、それに応じてセンターシャーシ接続穴の加工具合も変わってくるので、必ずしも上の加工方法が正解というわけではありません。

※3mmスペーサー以外を使用した例は「可動域の調整方法」の「スペーサーによる可動域の調整」をご参照ください。

センターシャーシ接続穴の拡張

センターシャーシの接続穴の高さ調整が完了したら、穴周りの仕上げとしてフレキ可動をスムーズにするためセンターシャーシ接続穴を拡張していきます。

穴の拡張は4.5mmドリル刃を使って貫通させます。

ここはフレキ可動をスムーズにすることも当然なんですが、そのままの穴の状態だとフロントユニットを奥まで押し込むことができずフレキ可動すらしない状態なので必須の作業となります。

ドリル刃は1回通せばOK

センターシャーシ穴は拡張しすぎてしまうと、ガタつきの原因にもなってしまうのでドリル刃を1回通して拡張完了で構いません。

どうしても可動をスムーズにするために穴を拡張したいという場合は「可動をスムーズにする方法」の「シャーシ間接続穴周り」をご参照ください。

ツメ周りの加工

ここでは可動をスムーズにするために以下の加工を行います。

先程ツメを切断した箇所にバリ(不要な出っ張り)があるので、このバリごとニッパーで斜めにカットします。



ここのカット具合でフレキ可動の精度に影響するということはないので、目視でざっくりカットして問題ありません。

この部分をカットする目的としてはセンターシャーシの接触箇所の面積を若干ではありますが減らすことで摩擦が減りフレキ可動がスムーズになりやすくなります。
ただ、正直なところカットしてもしなくてもほぼ変わらないので見た目的に好きな方で構いません。
(カットしなかった場合は次の加工作業でバリを取っていきます)

次にこのバリがあった面を板ヤスリ棒ヤスリで削っていきます。

この作業をおこなうことでセンターシャーシとの摩擦箇所を減らし、フレキ可動をスムーズにすることができます。

また、センターシャーシと接触する箇所のため なるべく面をツルツルの状態にしておきたいので、最初は粗目のヤスリで削って問題ありませんが、最後の仕上げは番手#1000以上のヤスリを使いましょう。

削りすぎるとガタが出る。

この箇所を削らないとスムーズに可動できませんが、削り過ぎるとフロントユニットがガタついてしまうので、ここは慎重に削っていきます。

削る目安としてはセンターシャーシ接続穴の側面が2mm~3mmぐらい削れるぐらいまでいいと思います。

ただパーツにより個体差もあるので必ずしも上画像の削れ具合がベストということではありません。

どのくらい削ってよいか分からない場合は一旦は軽く削っておいて後ほどセンターシャーシと組み合わせて可動テストをしてスムーズではないと思ったらまた少し削るでも構いません。

ギヤケース外側の接触部分の加工

ここではセンターシャーシのギヤケース外側と接触する以下の画像の白線部分を加工していきます。



ここ加工はフレキ可動をスムーズにするため可動域調整をできるようにするための複数の要素があり、加工しすぎてしまうとシャーシのガタつきにも影響してしまうので慎重に作業をおこうなうべき箇所となります。

※この箇所の加工が必要な理由については「ギヤケース外側での可動域調整」で解説しています。

この箇所の加工手順は2フェーズに分けて解説していきます。

フェーズ1

このフェーズ1の加工は必須ではなく、可動域を広くする必要がなければ不要です。

今回は3mmスペーサーを設置した場合の可動域を考慮したパターンとして以下の箇所をカットしていきます。

まずは上から2mm程の高さまでのところにニッパーで縦に切り込みを入れ、次は横からニッパーを入れて四角形の形に切断します。

上記以外の加工パターンについては「ギヤケース外側での可動域調整」をご参照ください。

フェーズ2

下画像の白線の箇所を棒ヤスリで削っていきます。

※隙間が狭い箇所なので使用する棒ヤスリの厚さがあると関係ない箇所まで削ってしまうので、薄めの棒ヤスリを使用するのが好ましく、持ってない方は100均で買える小さい棒ヤスリを使用することをおすすめします。

この箇所の削り方については色々なパターンがあり、私個人的には下の部分は幅を広めにして上にいくにつれて徐々に狭くして斜めに削るパターンです。

私自身が削った後の状態は以下となりますが、この形がベストというわけではないので1例として参考にして頂ければと思います。

またこの箇所は可動域によっても加工具合が変わってきて、可動域が狭い場合は軽く削るぐらいでいいんですが、可動域を広くする場合はそれなりに削らないといけませんので一概にこれぐらい削った方がいいという指標がありません…

とにかく「少し削って可動確認、また少し削って可動確認」という具合に できるだけで削る量を最小限に抑えるようにしてください。

尚、センターシャーシ側を加工することにより この箇所の加工を最小限にすることも可能で、センターシャーシ側の加工方法については「可動をスムーズにする方法」の中の「ギヤケース外側」で解説しているので、そちらを見てからこの箇所をどのくらい加工するか決めても良いです。

下部は極力削らない

ここの加工は上記画像の白線部分全体を均等に削るという方法もありますが、白線の下部を削りすぎてしまうとシャーシがガタつきやすくなるので要注意です。

とは言え、下部も削らないことには可動がスムーズにならないので、最低限削る必要があり今回の改造で最も調整が難しい箇所でもあります。

極力シャーシがガタついてしまわないためにも手間ではありますが、少し削っては加工済みのセンターシャーシと組み合わせて可動がスムーズか確認しながら少しずつ削っていきましょう。

また棒ヤスリで削る場合、厚さがある棒ヤスリだと関係ない箇所を削ってしまう可能性があるので、適切な厚さの棒ヤスリがない場合は紙ヤスリで地道に削っていった方が無難ではあります。

Tモールド箇所の加工

ここの加工作業についてはフレキの可動域によっては不要になるので、組み立てて可動確認をしてからの実施でも構いません。

Tモールドについてはフレキ可動時にセンターシャーシ側のギヤと干渉するため冒頭の作業で切り落としましたが、フレキ可動域を広くした場合はTモールドをカットした状態でもギヤが干渉してしまいます。

そこでセンターシャーシ側のギヤとの干渉をなくすためにTモールドがあった箇所をごっそりカットしていきます。

加工する箇所の目安としてフロントユニット裏面文字の「N-」の部分を削り落とせばOKです。

加工方法は以下のような感じでニッパーで切り取れるところまで削って、あとは棒ヤスリで微調整すればそれなりに早く加工可能です。

ただ、このままの状態だとギヤが剝き出しの状態になり、ミニ四駆公認規則である「シャーシからグリスが飛散してコースを汚す恐れのある改造は認められない」に抵触してしまいます。

そこでクリヤーボディーの端材を使ってTモールドの箇所を覆っていきます。

クリヤーボディーは平らな部分の僅かな面積で構わないので適切なサイズに切り取り、接着剤でTモールドの隙間を埋めて完了です。



ちなみにこの箇所に穴を開けず ギヤとの接続箇所の部分をギリギリまで削る方法でもOKです。

ただ、その方法だと結構手間がかかり、削り過ぎると結果的に貫通してしまうので比較的大変な作業になります。

もしギリギリまで削るのであれば円形のリュータービットを使用しての作業をおすすめします。

尚、円形リュータービットは以下のリューターであれば本体と一緒に同梱されています。

スペーサーの設置

ここではフレキ可動域を調整することスプリングを固定させるために、フロントユニットにスペーサーを取り付け固定させます。

今回使用するスペーサーは3mmスペーサーとなりますが、スペーサーでフレキ可動域を調整しないのであれば1.5mmスペーサーを使用する、もしくはスペーサーなしでスプリングは直接フロントユニットに接着剤で固定するでも構いません。

スペーサーを使わずにフレキ可動域を調整する場合は「可動域の調整方法」をご参照ください。

フロントユニットの以下の場所にスペーサーを設置していきます。

スペーサーの設置する場所は具体的に決まっていないのでお好きな場所で構いませんが、スペーサースプリングを取り付けた状態で以下の画像のラインを超えてしまうと以下の問題点が発生するので、スプリングがライン内に収まる位置でスペーサーを設置してください。

スペーサーだけだとどの辺に置けば枠内に収まるかがわからないこともあるので、一旦スプリングも置いてみて固定する前にしっかり設置位置を確認しておきましょう。

また、スペーサーをしっかりと接着させるためにも事前にブラシがけか水洗いをして削りカスを取り除いておきましょう。

位置が決まったら接着剤スペーサーを固定してフロントユニットの加工は完了となります。

尚、スペーサーをしっかりと接着させるためにも事前にブラシがけか水洗いをして削りカスを取り除いておきましょう。

接着剤での固定はシャーシ組み立ての直前でもよい

この後 可動確認をしてスムーズに可動しなかった場合にフロントユニットを加工する可能性があり、再度加工する際にスペーサー接着剤で固定していると加工箇所によってはスペーサーが少し邪魔になったりするので、ここでは一旦固定せずにまずは両面テープで仮止めして可動に問題ないのを確認してからスペーサーを固定してもOKです。

可動確認

フロントユニットの加工が完了したらセンターシャーシと組み合わせて可動がスムーズに行くか確認していきます。

フロントユニットを上下に移動させ、引っ掛かりがなくスムーズに移動できることを確認します。

また、削りカスが原因で可動がスムーズにいかないこともあるので、事前にブラシがけか水洗いで削りカスを取り除いておきます。

もしスムーズにいかないようであれば「可動をスムーズにする方法」を参考にして、可動がスムーズになるように加工していきましょう。

ここでの可動確認はシャフト・ギヤなどのパーツは取り付けず、フロントユニットとセンターシャーシのみの構成で問題ありませんが、実際にギヤなどのパーツを取り付けると今以上にスムーズにいかなくなるので、この段階で可動がスムーズにいく必要があり、スムーズにいくというかスカスカに動いてもいいぐらいです。

ただしスカスカにしすぎた結果、シャーシがガタついてしまったということにならないよう十分注意しましょう。

リヤユニット(T-01)の加工


リヤユニット(T-01と文字が入ったパーツ)の加工についてはフロントユニットと同じ加工手順となりますので、加工方法詳細はフロントユニットの加工をご参照ください。

ただし、一部フロントユニットの加工と異なる点があるので、そこだけピックアップして解説します。

一旦、加工前と加工後(スペーサー未設置・Tモールド箇所未加工の状態)の画像だけ載せておきます。





フロントユニット加工と異なる点 -その1-

リヤユニットの加工はフロントユニットの加工に比べて多少加工が甘くてもスムーズに可動させることが可能で、フロントユニットよりも加工難易度が低くなります。

スムーズに行きやすい理由としては、リヤユニット自体の作りもそうなんですが、センターシャーシのリヤ側は支柱の直径が僅かにフロント側よりも細かったりとフロントとリヤで若干作りが異なっています。

試しにフロントユニットをセンターシャーシのフロント側とリヤ側の両方に取り付け 可動のスムーズさを比較するとリヤ側の方がスムーズに行くはずです。

このことからリヤユニットの可動をスムーズにする加工についてはフロントユニットよりもやや控えめに加工するだけでもスムーズに可動できると思うので、加工しすぎてガタつきやすくならないようフロントユニット以上に可動確認作業をした方がいいです。

フロントユニット加工と異なる点 -その2-

フロントユニット加工ともう一つの異なる点としてTモールド箇所の加工目安です。

加工箇所はフロントユニットと同じでいいんですがフロントユニットで目安とした文字が異なっているので、リヤユニット側の目安となる箇所を以下の画像に記載します。

「01」の部分をカットする形で「0」の所は少し残しても構いません。

カット方法はフロントユニットのを参考にして頂き、カットしたらこちらもクリヤーボディの端材を貼り付けていきます。

可動域の調整方法

ここからは一旦MSフレキ作成方法から離れて、MSフレキ作成において知っておくべき情報を解説していきますので、すぐにフレキ作成の続きをしたいという方は「組み立て」に飛んでください。

今回解説しているMSフレキ作成方法では3mmスペーサーを使って可動域(可動範囲)を調整していますが、マシンのタイヤ径やコース状況によりMSフレキの適切な可動域も変わってきます。
そこでスペーサーを使っての可動域を変える方法や、それ以外の箇所で可動域を調整する方法を解説していきます。

スペーサーによる可動域の調整

スペーサーで可動域を調整する場合は、スペーサーが高いほど可動域が狭くなり、スペーサーが低いほど可動域が広くなります。

ただし上の画像でお気付かと思いますが、単にスペーサーを変えただけでは可動域の調整ができず、センターシャーシ接続穴の高さをスペーサーよりも低くする必要があり、1.5mmスペーサーを使う場合は今回以上にシャーシ接続穴をカットする必要があります。

1.5mmスペーサーを使用した場合はフレキ可動域がかなり広くなりますが、実用的にここまで広げる必要性が低いのと、センターシャーシ接続穴を削りすぎるとシャーシのガタつきにも影響してきますので、あまりおすすめしません。
(仮に可動域を広くするとしても上の画像のようにセンターシャーシ接続穴をごっそりカットしてしまわずにスペーサーの高さよりギリギリまで残した方が良いです。)

実用的なMSフレキの可動範囲として今回使用する3mmスペーサーで作る可動域をわずかに狭くする・広くするぐらいが理想であると思い、自分が動かしたい可動域に合わせてスペーサーの高さを変えていきます。

ただスペーサーの高さもデフォルトでは1.5mm・3mm・6mmとそれぞれの高さの差が大きく、そのまま使うと細かい調整が難しいためスペーサーをヤスリで削ったりして適切な高さにする必要があります。

スペーサーの高さを微調整加工する際の注意点として、同じユニットに設置する左右スペーサーの高さが異なると、同じユニットの左右で可動域に違いが出てフレキ可動の精度が悪くなってしまうので、なるべく左右スペーサーの高さが均一になるよう加工しましょう。

参考程度にスペーサーの高さを左右均一に加工する方法の一例を紹介しておきます。

まず、適当なプレートと適当な長さのビスナットを用意して、以下のように取り付けます。

あとは加工したい同じ高さのスペーサーを2個用意して、ビスに取り付け、板ヤスリを使ってプレートを左右に動かしながらスペーサーを削っていきます。

フロント・リヤともに同じ可動域にしたいという場合はビス・ナット・スペーサーを4組用意して一度に4つ削っていきましょう。

ギヤケースでの可動域の調整

可動域を狭くしたい場合は、センターシャーシのギヤケースで可動域を調整する方法がおすすめです。

通常であればフレキ可動及び可動域の調整を可能にするためにざっくりカットする箇所ですが、ここを敢えてカットせずに残すことで可動域を調整することができます。

加工方法は至ってシンプルでギヤケースの左右の端を棒ヤスリで削るだけです。

削った分の幅がそのまま可動域になるので、可動させたい幅だけ削ればOKです。

ただ、センターシャーシを見てもらえれば分かりますが、上記の棒ヤスリでギヤケースを左右同時に削れるのは支柱の高さのところまでで、基本的に支柱にヤスリをあてるのはNGなため それ以上削る場合は片方ずつ削っていく必要があります。

片方ずつ削る場合は左右同じ高さにするために微調整していく手間もそうですが、加工する際に支柱が邪魔になり加工難易度が上がるので、可動域を広くしたい場合はこの箇所はざっくりカットしてスペーサーを使う方法が無難ではあります。

このことからギヤケースでの可動域の調整は可動域を狭くしたい時のみに適用した方が良いということなります。

ちなみにギヤケースでの可動域調整方法であればスペーサーは不要?と思うかもしれませんが、スペーサーは可動域を調整する以外にスプリングを固定するための役割もあるので、可動域をギヤケースで調整する場合でも基本的にはスペーサー設置することを推奨します。
(スプリングを直接 接着剤でシャーシに固定するのであればスペーサーは不要です)

ギヤケース外側での可動域調整

以下の画像の矢印で示したセンターシャーシのギヤケース外側の溝の箇所とフロント(リヤ)ユニットの出っ張っている箇所で可動域を調整することが出来ます。

ただ、この箇所の加工については可動域を調整するためというよりは、可動域の制限をなくすためという表現が正しいかもしれません。

というのもこの箇所が未加工のままだと互いのパーツが結合した際にフロント(リヤ)ユニットの出っ張りの箇所がセンターシャーシのギヤケース外側の溝の奥のストッパーに当たって可動域が制限されてしまいます。

実際に各パーツを加工して可動確認をした時に、フロント(リヤ)ユニット側のギヤボックス周りをカットして、センターシャーシ側のギヤケースもカットしてるのに何故か広く可動しないという現象が起きると思うのですが、その原因がこのセンターシャーシのギヤケース外側の溝の奥のストッパーによるものです。

このストッパーで制限された場合の可動域は、スペーサーの高さで可動域を調整した場合で例えると、高さ4mmちょっとのスペーサーを設置した時と同じぐらい可動域となるので、このぐらいの可動域で問題なければ、先に紹介した可動域調整箇所をそれなりに広く可動できるように加工しておけば、ギヤケース外側で箇所で勝手に可動域を調整してくれます。

反対に可動域をもっと広くしたい場合はフロント(リヤ)ユニットを加工する必要があり、その加工方法は以下となります。

斜めカットで若干可動域が広くなり、四角カットの場合は縦の高さのカットする幅により可動域を更に広くすることができます。

尚、今回の改造では3mmスペーサーの高さまで可動できるよう、四角の形で約2mm程の高さでカットしています。

ガタつかないシャーシにする方法

MSフレキマシンでシャーシがガタついてしまうと駆動が悪くなったり、不安定な走行になったりして結果的に速度が落ち・コースアウトしやすいマシンになってしまう可能性があります。

そうならないためにここでは「ガタつく原因」及び「ガタつきをなくす対策方法」を解説していきます。

※フロントユニットとリヤユニットのMSフレキ可動に関する箇所は基本的に同じ構造となりますので、ここではリヤユニットの名称は省略してフロントユニットのみ解説していきます。

ガタついた場合の挙動

まずはシャーシがガタつくパターンと、そのガタつきによってどういった事が起こるのかを解説していきます。

垂れ下がる(お辞儀する)

この状態になるとシャーシ間のギヤが離れてしまいギヤの噛み合わせが悪くなり駆動が不安定になり、結果 速度減に繋がります。
また、フロントユニットがお辞儀してしまうと前ローラーがダウンスラストになり、コーナリングの減速にも繋がります。

ただし、この状態についてはお辞儀防止ステーでなどでお辞儀することを防止できるので、それほど気にする状態ではありません。

のけぞる

この状態になるとシャーシ間のギヤが近づくわけですが、ギヤ同士の距離が変わることで駆動の安定性が落ち速度減に繋がります。

また、フロントユニットがのけぞってしまうと前ローラーがアッパースラストになりコースアウトする確率が増す可能性があります。

ただし、デフォルトのギヤカバー間の隙間がほぼなく、そのおかげでのけぞることを防いでくれるので上の画像のように極端にのけぞることはないです。

とは言えギヤカバーを極端に加工してしまえばのけぞることもありえるので、注意しなくてはいけない状態でもあります。

ガタつきの原因と対策(シャーシの表面)

まずはシャーシ表面のガタつきの原因と対策方法を解説していきます。

原因

センターシャーシとフロントユニットの隙間が大きい程ガタつきやすくなってしまいます。

上の画像の白矢印と黒矢印で示した箇所の隙間が大きいとシャーシがのけぞってしまいます。

白矢印はセンターシャーシとユニットカバーの隙間で、黒矢印はセンターシャーシとユニットカバーのギヤカバーの隙間で、この箇所の隙間が小さければ小さいほど、シャーシがのけぞった際のストッパーとなるのでのけぞりにくいMSフレキシャーシとなります。

対策方法

それでは上で紹介した画像を元にそれぞれののけぞり対策方法を解説していきます。

白矢印の箇所については加工スキルというよりも使用する工具で決まってきます。
この箇所についてはとにかく隙間を減らせばよく、隙間を減らすためにはシャーシ切断時に使用するのこ刃が薄ければ薄いほどよく、お勧めなのは薄刃クラフトのこです。

今回私は刃の厚さが約0.35mmのクラフトのこを使用していますが、上の薄刃クラフトのこは刃の厚さが0.25mmと薄くなっているので、より隙間を減らすことができ、精度の高いMSフレキを作ることができるので、精度もそうですが見た目にもこだわる人なら薄刃クラフトのこを使ってシャーシ切断するのがおすすめです。

続いて黒矢印の箇所については別の角度から見ていきたいと思います。

この箇所も隙間がなければないほどガタつきにくい箇所なんですが、上の画像を見てわかるように実は何もしなくても最初から隙間がほぼなくガタつきにくい状態となっています。

このことから白矢印の箇所の隙間がどれだけあろうと、この黒矢印の隙間がさえなければガタつきを抑えることができます。

ただし、この箇所はこのままの状態だとフレキ可動の際に互いのギヤカバーが僅かに干渉し可動がスムーズにいかない原因ともなり得ますので、場合によっては加工が必要になります。

この箇所の可動への影響度合いや加工方法については「可動をスムーズにする方法」の中の「ギヤカバー」で解説しているのそちらをご参照ください。

ガタつきの原因(シャーシの裏面)

続いてはシャーシ裏面のガタつきの原因と対策方法を解説していきます。

原因

下画像のシャーシ裏面の白枠内のセンターシャーシとフロントユニット間の隙間が大きくなるとガタつきやすくなってしまいます。

次からは各箇所の隙間があることによって、どういったガタつきが発生するかを解説していきます。

複数の影響がある箇所

黄色で囲った円(シャーシ間接続穴)の隙間が大きくなると「垂れ下がる」「のけぞる」「左右にブレる」とすべてのガタつきの要素に影響する箇所です。

上記の理由から円の箇所は最も隙間を無くしたい箇所であり、他の箇所に隙間があろうと この箇所に隙間がなければガタつきが最小限に抑えられる重要な箇所です。

しかし隙間が無さすぎると逆にフレキ可動がスムーズにいかなくなるという調整が難しい箇所でもあります。

シャーシのガタつきには重要な箇所ではあるものの、この箇所だけでガタつきが決まるわけではないので、可動のスムーズさ優先して この箇所は思い切って隙間を広くして他の箇所の隙間を小さくしてガタつきを抑えるという方法もありかと思います。

もう一つの白線の箇所は少し特殊で、底面側の隙間が大きいとお辞儀しやすくなり、天井側の隙間が大きいとのけぞりやすくなりやすくなります。

ただ底面側だけ天井側だけのどちらかの隙間だけ大きくなるという状態にはなりづらく、面全体の隙間が大きくなるケースの方が大きくそうなった場合はどちらにも影響する箇所なので加工する際は慎重に作業すべき箇所です。

垂れ下がり(お辞儀する)の影響がある箇所

この箇所に隙間が出来た場合はフロントユニットが前に垂れる(お辞儀する)わけですが、最悪お辞儀防止ステーで補助できることと、この箇所を削ること自体がないので特に気に掛ける必要はありません。

のけぞりの影響がある箇所

この箇所に隙間が出来た場合はフロントユニットがのけぞってしまいますが、仮にここの隙間が大きくなっても表面のギヤカバーで補助できます。
また、可動をスムーズにするためにも加工が必要となってくる箇所なので、隙間を小さくすることが難しい箇所でもあります。

左右のブレの影響がある箇所


この箇所の隙間が大きくなるとシャーシが左右にブレてしまうわけですが、ここの隙間が大きくなっても円(シャーシ接続穴)の箇所で補助してくれますし、そもそも加工過程でこの箇所を削ることはないのであまり心配する必要がない箇所ではあります。

強いて言えば他の箇所の加工作業の際に、この箇所を誤って削ってしまう可能性があるので、そこだけは十分に注意しましょう。

対策方法

表面と同じように隙間を小さくすればMSフレキの精度が上がるわけですが、隙間が無さすぎると今度は可動がスムーズにいかないという欠点もあり全体的に調整が難しい箇所でもあります。

ただし、仮に隙間が出来たとして お辞儀になった場合はお辞儀防止ステーで、のけぞった場合は表面のギヤカバーで補助できることと、ガタつきを怖がって隙間を無くしすぎると今度はフレキ可動がスムーズにいかなくなってしまうので、ある程度割り切って隙間を広くしてしまうのもありかと思います。

また隙間を減らすと言っても、センターシャーシとフロントユニットの接触部分すべてを減らす必要もなく、隙間を減らすべきなのは底面から高さ(厚さ)1mm~2mmの程の位置であって、この箇所の隙間さえ小さくすればガタつきを最小限におさえることが可能です。

このことから上記で解説した加工を控える箇所・がっつり加工をしていい箇所をしっかり切り分け、更に加工を控える箇所については底面から高さ1mm~2mm程は極力加工を控えながら慎重に行うよう注意すれば、ガタつかず且つスムーズに可動するMSフレキも実現可能なので上記の内容を把握した上で作業をして頂ければと思います。

可動をスムーズにする方法

ここではMSフレキ可動をよりスムーズにするための方法を解説しますが、やり方を誤るとシャーシがガタつく原因にもなってしまうので上記で紹介した「ガタつかないシャーシにする方法」を確認した上で作業することをおすすめします。

※フロントユニットとリヤユニットのMSフレキ可動に関する箇所は基本的に同じ構造となりますので、ここではリヤユニットの名称は省略してフロントユニットのみ解説していきます。

シャーシ間接続穴周り

フロントユニットのセンターシャーシ接続穴(以下 シャーシ接続穴)とセンターシャーシのフロントユニット接続用の支柱を加工することにより可動がスムーズになります。

センターシャーシの支柱の構造

この後紹介する各加工方法が何故必要かを理解するために、まずはセンターシャーシの構造から解説していきます。

センターシャーシのシャーシ間接続用の支柱は僅かではあるんですが根元に行くにつれ微妙に太くなっています。

フロントユニットを奥まで押し込むと引っ掛かる原因の一つがこれです。

実はフロントユニットのシャーシ接続穴も この支柱に合うように穴が徐々に広がっています。
しかしながら今回は4.5mmドリル刃でシャーシ接続穴を拡張した状態であることを前提に話を進めていくので、シャーシ接続穴の方は入口から出口まで均一の幅(厚さ)の状態であることとします。

ではこの構造を踏まえて、次から可動をスムーズにする方法を解説していきます。

シャーシ接続穴の高さを低くする

フロントユニットのシャーシ接続穴の高さ(厚さ)を低くすることで若干ですが可動をスムーズにできます。

以下の画像は実際にシャーシを組んで可動する際の断面図となり、フロントユニットの半透明の部分が穴の中となっており、センターシャーシの支柱については実際にここまで目視できるほどの傾斜にはなっていませんが可動時の動きを見やすくするために敢えて大袈裟に書いています。

まずはフロントユニットのシャーシ接続穴の高さが長い場合のフレキ可動時の図を見ていきます。

本来であればスペーサーがセンターシャーシにあたるまでにフロントユニットを可動させたいのですが、シャーシ接続穴がセンターシャーシの支柱に引っ掛かかってしまい想定していた可動域まで可動することができません。

ただ上の画像の構成だとシャーシ接続穴が支柱の奥まで行ったとしても、穴の高さがスペーサーよりも高くなっているのでどの道 最大可動域までいかないわけですが、敢えて違いを見やすくするために穴の位置を高めにしているので、ここの矛盾点についてはスルーしといてください(笑)

では次にフロントユニットのシャーシ接続穴を削って高さを低くした場合の図を見てみましょう。

こちらはフロントユニットのシャーシ接続穴の幅(直径)は先程と同じですが、穴の高さを低くしたためセンターシャーシの支柱に引っ掛かる前にスペーサーがセンターシャーシと接触し想定していた最大可動域を確保できるようになっています。

このことからフロントユニットのシャーシ接続穴の高さ(厚さ)を低くすれば、より大きく可動することができるようになることが分かります。
(ただ実際の支柱の傾斜は上の図のように傾斜が大きくないので、穴を削った際の可動域が広がる効果も比較的弱めとなっています)

穴の高さを低くしすぎるとガタつきの原因になる

シャーシ接続穴の高さ(厚さ)が低く(薄く)なりすぎると、可動はスムーズになるもののシャーシ正常時(フレキ可動していない時)にシャーシ間の固定が不安定になり 結果シャーシがガタついてしまうので、くれぐれも穴の高さの削り過ぎには注意しましょう。

ではどのくらいまで削って良いかなんですが、これはフロントユニット側の穴の幅(直径)の加工ぐあいによっても適切な高さは変わってくるので具体的な数値を提示するのは難しいんですが、個人的には最低限2mm程は残して置いた方がよいかと。

可動域をかなり広くするのであれば可動をスムーズにする以前に、シャーシ接続穴が可動に干渉するためシャーシ接続穴を削る必要があるので、場合によっては2mmよりも低くなることもあるかもしれません。

とにかく穴の高さをしっかり確保した上で可動がスムーズにいくに越したことはないので、穴の高さを削る場合は「ヤスリで少し削って可動を確認しつつガタがないかを確認して スムーズにいかなければ再度ヤスリで削る」を繰り返して、極力ガタがでないよう少しずつ削るようにしましょう。

センターシャーシの支柱を細くする

上の紹介した「センターシャーシ接続穴の高さを低くする」とは対称的にセンターシャーシの支柱を削ることでシャーシ接続穴の通りを良くすることができます。

ここで注意して欲しいのは支柱を細くする場合、削るのはあくまで根元側の方であって、決して先端部分は削らないようにしましょう。

だいたい支柱全体の根元側半分ぐらい削ればいいと思いますが、先端から2~3mmぐらいを未加工のままにしておけば良いので、半分よりももうちょっと長めに削っても問題ないかと。

ここで問題になるのは支柱の奥を削る加工方法で、先端部分なら削るのは比較的簡単なんですが、根元側だと他のパーツも邪魔になって結構加工が大変になります。

支柱の根元側だけを削る治具も販売されているのでそちらを使えば早く楽に作業可能ですが、少し時間はかかりますが紙ヤスリを使って支柱を削る方法を紹介しておきますので加工方法の1例として参考にしていただければと思います。

まずは番手が粗目の紙ヤスリを縦4mm・横40mmぐらいの長さでカットします。

この紙ヤスリのヤスリ面をセンターシャーシの支柱側に向けてセンターシャーシの支柱の根元にセットします。

あとは紙ヤスリの両端を指でつまんだ状態で、動かせる範囲で左右に紙ヤスリをこすって削っていきます。

1枚だと削れる量も少ないので同じ紙ヤスリを数枚用意して、ある程度削ったら仕上げに番手#1000以上の紙ヤスリで支柱のざらつきを無くしていきましょう。

あとセンターシャーシをがっちり固定できるのであれば(足の腿でシャーシを挟むなど)、横幅を長めにした紙ヤスリを用意して紙ヤスリの片方ずつを持って交互に引いて擦ればより早く削ることができます。

あとは小さい棒ヤスリデザインナイフを使用すれば、支柱の表半分ぐらいだけにはなりますが紙ヤスリよりも早く削ることができます。

それとフロントユニットシャーシ接続穴を未加工にして、センターシャーシの支柱のみを削るという方法でも可動をスムーズにすることは可能なので、支柱をうまく削れる技術やそれを可能にする工具等があるという方はシャーシ接続穴は4.5mmドリル刃で拡張せず、支柱だけを削る形の方が良いかと思います。

シャーシ接続穴を更に拡張する

上記のシャーシ構造を考えると、シャーシ接続穴を更に拡張すれば可動がスムーズになり、且つ穴の拡張作業は比較的に簡単でドリル刃を2回、3回と繰り返し当てていけば穴の幅(直径)をさらに拡張することができ手っ取り早くできる作業でもあります。

ただこの加工方法は基本的におすすめしません。

というのもシャーシ接続穴をこれ以上拡張するとシャーシがガタついてしまうからです。

もし穴を拡張するということであればセンターシャーシに近い方の箇所だけを拡張し、シャーシ底面側は拡張しないようにしてください。

ここだけを拡張する分にはガタつきにも影響しにくいので、ドリル刃で拡張するならドリル刃を奥まで入れないよう器用に位置を調整して手前だけ削るようにしてください。

ドリルでなくてもデザインナイフ棒ヤスリでも拡張可能ですので、くれぐれもシャーシ底面側だけは拡張してしまわないようにしましょう。

ギヤケース外側

センターシャーシのギヤケース外側の溝と その溝に接触するフロントユニットの箇所を加工することにより可動がスムーズになります。


※リヤユニットも同様の構造となりますが、ここではリヤユニットの名称は省略していきます。

ギヤケース外側の構造

この後紹介する加工が何故必要かを理解するために、まずはギヤケース外側の構造から解説していきます。

センターシャーシのギヤケース外側の溝の箇所は奥に行くにつれ微妙に幅が狭くなっています。

この構造がフロントユニットを奥まで押し込むと引っ掛かるもう一つの原因で、この箇所を未加工でフロントユニットを奥まで押し込むと「カチッ」と音がしてユニットが固定されてしまうのは、このセンターシャーシのギヤケース外側の溝の奥が狭くなっているためです。

実はフロントユニット側も上にいくにつれ微妙に出っ張りの幅が狭くなっていますが、センターシャーシ側に比べてフロントユニット側の方が幅が広いので、フロントユニットを大きく可動させようとして上まであげるとつまってしまいます。

上記の構造が分かってしまえば、どこを加工すれば一目瞭然で、フロントユニットの出っ張りの幅を狭くするか、センターシャーシ側の溝の箇所を広くするかになり、それぞれの加工方法を解説していきます。

フロントユニット側の加工


フロントユニット出っ張りの加工については「ギヤケース外側の接触部分の加工」で解説しているで詳細な加工方法は省略しますが、加工する際はなるべく厚さが薄い棒ヤスリを使用して該当箇所以外の箇所を削ってしまわないよう注意しましょう。

この箇所に加工については削れば可動がスムーズになりますが削りすぎるとシャーシがガタついてしまうという一長一短な要素もあり慎重に作業すべき加工箇所でもあります。

そんな加工が難しい箇所ではありますが、この後解説するセンターシャーシ側の加工をすることにより、この箇所の加工を最小限に抑えられ場合によってはこの箇所をほとんど加工しなくても可動をスムーズにすることも可能なので、センターシャーシ側の加工が出来る方はまずはそちらから先にやった方がいいかもしれません。

またこの箇所は自分が再現したい可動域によっても加工具合が変わってきて、可動域が狭い場合は奥まで押し込む必要がないので軽く削るぐらいでいいんですが、可動域を広くする場合は奥まで押し込まないといけないので それなりに削らないといけなく 一概にこれぐらい削った方がいいという指標がありません…

とにかく「少し削って可動確認、また少し削って可動確認」とできるだけで削る量を最小限に抑えるようにしてください。

センターシャーシ側の加工


基本的にはフロントユニット側の加工のみでOKですが、フロントユニット側は削り過ぎるとシャーシがガタつくという欠点があります。

そこでセンターシャーシ側で以下の加工をすることにより、フロントユニット側の加工を最小限に抑えガタつきを減らし且つ可動をスムーズにすることが可能になります。

センターシャーシ側の加工については奥の狭い部分のみを拡張します。

一番奥の所からどの辺までを拡張したら良いのかは特に決まっていないのですが、ガタに影響がない範囲で考えると全体の奥から半分ちょっとぐらいの所までは拡張して問題ないと思われます。

加工方法については度々紹介している100均で買える小さい棒ヤスリであれば奥の部分をピンポインで削れるのでお勧めです。

くれぐれも手前の元から広い箇所は削ってしまわないように注意してください。ここをさらに広げてしまうとガタができ取り返しがつかなくなります。

それとここで解説してきた箇所とは若干異なりますが、以下の画像のセンターシャーシのギヤケース外側部分の加工があまいとスムーズにいかなくなります。

上記箇所の加工方法詳細は「ギヤケース周りの加工」にて解説していますが、削ってはいけない箇所以外であれば多少削り過ぎてしまっても問題ないので、まだバリが残っているようでしたら再度削ってみるのもありです。

ツメ周り

フロントユニットのツメ周りの箇所を加工することにより可動がスムーズになります。

この箇所についてはフロントユニットの加工解説の「ツメ周りの加工」で加工方法・注意点を解説しているの詳細はそちらをご参照ください。

一般的には可動がスムーズに行かない時はこの箇所の加工を推奨するケースが多いのですが、可動がスムーズにいかないからツメ周りを加工したけど大して変わらず、本当の原因は「シャーシ間接続穴周り」か「ギヤケース外側」だったということも多々あるので、加工しやすい箇所ではあるものの加工しすぎるとガタが出てしまうので加工のしすぎには注意しましょう。

個人的な加工目安としてMSフレキの可動域の浅い所で可動がスムーズにいかない場合は「ツメ周り」を加工して、MSフレキの可動域の深い所で可動がスムーズにいかない場合は「シャーシ間接続穴周り」「ギヤケース外側」を加工するという具合で分けていくと、無駄に加工しすぎることなくガタつきにくいマシンになると思います。

ギヤカバー

ギヤカバーの箇所を加工することにより可動がスムーズになります。

ギヤカバーの構造

この後紹介する加工が何故必要かを理解するために、まずはギヤカバーの構造から解説していきます。

まずセンターシャーシに取り付けるAパーツのギヤカバーはフロント・リヤ側のいずれも若干の傾斜になっています。

これに対して、ユニットカバーのギヤカバーもAパーツのギヤカバーにピッタリと合うようこちらも若干の傾斜になっています。

実際にシャーシを組み立てると下の画像のようにピッタリと隙間なく合わさるようになっています。

そしてフレキ可動する際はフロント・リヤユニット側が上にスライドするんですが、ユニット自体は支柱を軸に可動するので地面に対して垂直にスライドします。

フロント・リヤユニットが下画像のように垂直に可動した際、この斜め構造だとギヤカバー同士が干渉してしまいます。

ということでギヤカバー箇所の可動をスムーズにするには互いに接触する箇所を削ってしまえばいいわけですが、以下の理由から未加工でもよかったりもします。

未加工の状態で のけぞり防止対策ができている

このギヤカバー同士がピッタリくっついている構造によりフロント・リヤユニットがのけぞることを防いでくれます。

他の箇所で加工しすぎてフロント・リヤユニットがのけぞりやすくなっても、ギヤカバーの箇所がこのようにピッタリくっついていればのけぞることを防いでくれるので、ギヤカバーを下手に加工してしまうとガタつきの原因にもなってしまうので、極力加工を減らしたい箇所でもあります。

未加工でもスムーズに可動する

ギヤカバーの箇所を未加工のままシャーシを組み立てて可動確認をすると、明らかにギヤカバーの箇所が接触するのがわかるのですが、互いのパーツが干渉しつつも意外にもスムーズに可動します。

また、先程書いた「未加工の状態で のけぞり防止対策ができている」ということを踏まえると、一旦はギヤカバー周りは未加工のままで全パーツを組み立ててから可動確認をしてギヤカバーが原因で可動がスムーズにいかなかった場合に加工するでも構いません。

そんなスムーズに可動しなかった時のために、いかにスムーズに可動させる加工方法を紹介しておきます。

ギヤカバー(Aパーツ)の加工

Aパーツ側のギヤカバー(センターシャーシ側)を加工する場合は斜めになっている箇所を平らに削ればOKです。

板ヤスリ棒ヤスリを使えば簡単に平らにすることが可能です。

非常に加工が簡単な箇所ですが、こちら側を削るとシャーシのガタつきの原因にもなるので、どちらかというと次に紹介する加工の方がおすすめです。

ギヤカバー(ユニットカバー)の加工

ユニットカバー側のギヤカバー(フロント・リヤユニット側)を加工する場合も斜めになっている箇所を平らに削ればOKです。

加工は棒ヤスリでギヤカバーの箇所が地面に対して垂直になるよう削っていきます。


ここの加工で注意して欲しいのは極力上の箇所は削らないことです。


この部分さえ残しておけばシャーシののけぞりを防ぐことができるので、それ以外の所を削っていきましょう。

加工のコツとしては上の箇所だけマルチテープ等を貼り付けます。

これでマルチテープを削らないよう意識して加工すれば上の箇所を削らずに済みますし、間違えて削ってもマルチテープが守ってくれます。

上の箇所以外は削りすぎても問題ないので平らを通り越して逆に斜めに削れてしまっても問題ありません。

ユニットカバー側の加工の方が先程のAパーツのギヤカバーよりも加工難易度が若干上がるものの、この上の箇所を残すことでフロント・リヤユニットの のけぞり防止を維持できるので、個人的にこちら側を加工することをおすすめします。

グリスを付ける

MSフレキで使用するグリスといえば「スライドバンパーグリス」ですが、可動をスムーズにするという点であれば「オイルペン」がおすすめです。

オイルペンが効果的な箇所の1つ目はセンターシャーシの支柱もしくはフロントユニット穴のどちらです。

2つ目はセンターシャーシのギヤケース外側かフロントユニット側のギヤケース外側と接触する部分です。

これらの箇所にオイルペンでさっと塗るだけでも可動のスムーズさが結構変わるので、あれこれ削る前にまずはグリスを付けてみて可動を確認し、それでも駄目だった時に各箇所を削るで良いと思います。

また上で紹介した「センターシャーシを支柱を細くする」の加工をする際にヤスリで支柱の根元を削った場合、表面がざらついて逆にスムーズに可動しなくなるということがあり、その時にオイルペンを使うとスムーズに可動してくれるので試して頂ければと思います。

とにかくセンターシャーシとフロントユニットの接触する箇所へグリスを付けることでスムーズになることがあるので、困ったら各箇所を削る前に一度グリスを付けて動きが変わるかどうか確認してみましょう。

組み立て

最後に シャーシの組み立てからMSフレキ完成までを一気に解説していきます。

仮組立・加工・可動確認

ここではギヤ等のパーツがある状態での可動確認をするため仮で組み立てていきます。

センターシャーシの組み立て

まずはセンターシャーシにギヤ・モーター・電源スイッチ・ターミナル等の実際に走行させるためのパーツを取り付けていきます。

次にギヤカバー・電池を取り付けます。

※電池についてはここでは取り付けなくても良いです。
なくてもフレキ可動の確認はできますが、電池の重さがあるかないかでフレキ可動の挙動も変わったりしてくるので、電池もしっかりと取り付けていきましょう。

電源スイッチの加工

ここで続きの組み立てをする前に電源スイッチの箇所を加工していきます。

電源スイッチが未加工だとフレキ可動した際に電源スイッチが先に地面に触れてしまい、可動域が狭くなってしまうためセンターシャーシの底面と同じ高さになるよう、ニッパーでカットしていきます。

くれぐれも電源スイッチをカットすぎて電源が入れられないということにならないよう注意してください。

フロント・リヤユニットの組み立て

続いてはフロントユニット・リヤユニットにギヤ・シャフト・ホイール等の実際に走行させるためのパーツを取り付けていきます。

仕上げに加工したユニットカバーを取り付け、スペーサーの箇所にスプリングをセットします。

尚、セットするスプリングはお好みで構いませんが、個人的には黒スプリングがおすすめです。

各パーツの結合

ここまで組み立ててきたセンターシャーシとフロントユニットを結合させていきます。

結合させる際はフロントユニットのシャーシ間接続穴にセンターシャーシの支柱を通します。

リヤユニットも同じようにセンターシャーシと結合させていきます。

可動確認

センターシャーシとフロント・リヤユニットの結合が完了したら、平らな所にマシンを置いてセンターシャーシを上から押してみてスムーズに可動するか確認します。

ここで可動がスムーズにいかないようであれば、「可動をスムーズにする方法」を参考にし、どこが原因なのかを調べて再度加工が必要であれば一度パーツを分解して該当箇所を加工していきましょう。

MSフレキ可動がスムーズであれば次の工程に進みます。

本組立・最終調整

ここでは最後の組み立てを行い、最終調整をおこなっていきます。

本組み立て

一旦、各パーツを分離して、モーター・ターミナル・電源スイッチのみを取り付けた状態にします。

ここでプラベアリング・ビス(15mm)・ナットを用意します。
※お辞儀防止ステーを用意している場合はプラベアリングは不要です。

ここで使用するプラベアリングはカウンターギヤ用のものを使用し計4個必要になるんですが、こちらはMSシャーシキット内に2個しかありません。

このためMSシャーシのマシンを2キット以上所有している必要があり、所持していない場合はシャフトホールに取り付けるプラベアリングを代用品として使ってみてください。

ただしシャフトホール用のプラベアリングは直径が大きめで、そのまま取り付けるとフロント・リヤユニットに干渉してしまうので、ヤスリ等で削って直径を小さくします。
ここでは綺麗に円形に削る必要もなく最悪四角形になっても構わないので干渉しない大きさに加工していきます。

それ以外の代用品としてはFRPプレートの余りがあれば、そちらを干渉しないサイズに切り取って使用するのもありです。

上記パーツの用意ができたら再度、フロント・リヤユニットを結合させていきます。
(フロント・リヤユニットはすべてのパーツを取り付けた状態にしておきます)

結合したらシャーシ裏面からプラベアリング・ビスを取り付けます。

次にシャーシをひっくり返して今取り付けたビスをナットで固定します。

これをフロント・リヤ側の両方でおこない、センターシャーシとフロント・リヤユニットを結合します。

シャーシ間の結合が完了したら、ギヤ・ギヤカバー・電池・バッテリーホルダーを装着して組み立て完了となります。

バッテリーホルダーが外しづらい

バッテリーホルダーを取り付けることはできるんですが、逆に取り外そうとするとナットが邪魔になりバッテリーホルダーが取り外しづらくなります。

しかし以下の方法で簡単にバッテリーホルダーを取り外せるようになります。

・ギヤカバーごと取り外す

バッテリーホルダーをリヤ側に引っ張りギヤカバーを外します。
コツとしてはギヤカバーのツメの部分をバッテリーホルダーで引っ張るとギヤカバーを外しやすいです。

左右のツメの部分を引っ張ってギヤカバーが外れたら、バッテリホルダーが簡単に外せるようになります。

ちなみにこの方法でギヤカバーも簡単に取り外せます。

・ギヤカバーのツメをカットする

ギヤカバーのツメをニッパー等でカットして短くすれば、バッテリホルダーの取り外しができるようなります。

またギヤカバーのツメをカットする他のメリットとして、ツメをカットしておけばギヤカバーを付けたままでフロント側のナットの取り外しが可能になるのでMSフレキのメンテナンス性が増します。

ただしツメをカットしすぎるとバッテリーホルダーが固定できなくなるので、くれぐれもツメのカットしすぎには注意しましょう。

最終確認

シャーシの組み立てが完了したら、センターシャーシを押したり・シャーシを上から落としたりして、フレキ可動が問題ないかを確認しましょう。

理想的なフレキ動作としては「スッ」と素早く戻るのではなく「すー」とゆっくり戻るのが望ましく、素早く戻ってしまう場合はスライドダンパーグリスを使ってフレキ可動を減衰させます。

グリスを塗る場所は基本的にセンターシャーシとフロント・リヤユニットの接触部分のどこでもいいんですが個人的におすすめなのは以下の箇所です。

上画像の箇所は比較的にシャーシ間の接触面積も大きくのでグリスを付けた際の効果が出やすく、拭き取りやすい箇所でもあるのでグリスの粘度をいろいろ試すのもやりやすくおすすめです。

MSフレキ完成

自分の理想のフレキ可動になったらMSフレキの完成です!







あとはフロント・リヤバンパーが不要であれば切断して自分好みの改造をしていきましょう。

最後に

MSフレキと言えば初心者から上級者まで実践していて、ミニ四駆をやっている人なら一度はやるであろうと言われる改造です。

今回、自分自身初めてMSフレキを作成するにあたり、書籍・ブログサイト・動画など様々な情報を頼りにしたんですが中々1つの媒体からの情報で作成するのが難しく、調べるだけで結構大変な労力を使ったこともあり、できる限り情報を集約して1つの媒体だけでMSフレキができるような意味も込めて本記事を作りました。

MSフレキの作り方も様々あり、本記事ですべての作り方を紹介できているわけではありませんが、MSフレキ作成を初めてやる方がつまづくであろう点は抑えたつもりなので、初めてMSフレキ作成に挑戦する方は是非本記事を参考にして頂ければと思います。

またMSフレキを作成していく中で、他にこんな工具・パーツがあれば より作業効率を上げられる・より精度の高いものが作れるということが分かってきたら、必要な工具・パーツを追加して、より自分に適したMSフレキ作成をして頂ければと思います。

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